ヨーロッパの二輪車排出ガス規制スケジュールとその概要
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二輪車業界におけるパンデミック(大量絶滅)の要因として毎度挙げられるのがヨーロッパでの排出ガス規制。
日本やアメリカも勿論対岸の火事なんかでは無い。
大きな問題だ。
EURO 3~EURO 4~EURO 5 導入スケジュール
現在導入が差し迫ってるのがEURO 4。
新型車両には既に導入済み。
継続生産車も2017年より適用。
日本4メーカーに限らず、トライアンフ等の海外の各メーカーで生産終了車両が昨今見られるのはこれが原因の一つ、と言うか大きな要因。
EURO 3~EURO 4~EURO 5 概要一覧
EURO 3
(~2016年) |
EURO 4
(2016年~) |
EURO 5
(2020年~) |
|
テールパイプエ ミッション | ・コールドスタートの導入 ・ サイクルはR40(二輪車(モ ペット除く)排出ガス規制) (2007年7月から WMTC でも可) |
・サイクルをWMTCに1本化 ・EURO3より規制値強化 |
・サイクルをWMTCから改定検討。 ・EURO4より規制値強化 |
アイドル時及び ハイアイドル時 のテールパイプエミッション | 規制なし | アイドル時及びハイアイドル時のテールパイプエミッションの 導入 | EURO4から変更なし |
クランクケース ガスエミッション | 規制なし | ゼロエミッション | EURO4から変更なし |
燃料蒸発ガス | 規制なし | 燃料蒸発ガス規制導入 (2.0g/test) |
EURO4より規制値を強化 (2.0g/test→1.5g/test) |
耐久テスト | 規制なし | 耐久走行試験の導入 | 耐久走行距離の見直し |
OBD | 規制なし | OBDの導入 (stage1 :断線検知 等) |
OBDの高度化(stage2:排ガス閾値(いきち)診断に基づく部品・システムの劣化検知+ トルク低下検知) |
OBD=ON-BOARD DIAGNOSTIC SYSTEMS=(車載式故障診断装置)
EURO 3~EURO 4~EURO 5 コールドスタート時のテールパイプエミッション 一覧
対象
|
モード
|
CO
(一酸化炭素) |
THC
(全炭化水素) |
NMHC
(非メタン炭化水素) |
NOx
(窒素酸化物) |
PM
(粒子状物質) |
|
EURO 3 (現行) |
排気量150cm3未満
|
UDC
|
2.0
|
0.8
|
–
|
0.15
|
–
|
排気量150cm3以上
|
UDC+EUDC
|
2.0
|
0.3
|
–
|
0.15
|
–
|
|
EURO 3 (等価規制値) |
最高速度130km/h未満
|
WMTC
|
2.62
|
0.75
|
–
|
0.17
|
–
|
最高速度130km/h以上
|
WMTC
|
2.62
|
0.33
|
–
|
0.22
|
–
|
|
EURO 4 (2016年~) |
最高速度130km/h未満 (Class1,2)
|
WMTC
|
1140
|
380
|
–
|
20
|
–
|
最高速度130km/h以上 (Class3)
|
WMTC
|
1140
|
170
|
–
|
90
|
–
|
|
EURO 5 (2020年~) 環境効果調査を踏まえて決定 |
All L-category(全二輪車共通)
|
WMTC(改定検討中) |
1000
|
100
|
68
|
60
|
4.5(直噴のみ)
|
単位:[g/km](EURO 3), [mg/km](EURO 4~)
PM(粒子状物質)については、カーボンの堆積する傾向の高い直噴エンジンのみに規制。
ドゥカティや一時ニュースとして流れたハスクバーナやホンダの2スト直噴や、アメリカのMotusによるダイレクトインジェクションシステム、或いはその他の直噴ガソリンエンジン搭載車両が2020年以降には珍しくなくなってる、かも知れない。
それを見据えた先手の策。
詳細:https://www.env.go.jp/council/07air-noise/y072-54/mat%2002.pdf/02%20資料54-2.pdf
日本のテールパイプエミッション(2016年規制値)
参考までに、日本のテールパイプエミッションも掲載しておこうかと。
規制年 | 適用車種 | 一酸化炭素 (CO) | 炭化水素 (HC) | 窒素酸化物 (NOx) |
平成二十八年 | 総排気量 0.050 ㍑超 0.150 ㍑未 満かつ最高速度 50km/h 以下、又 は、総排気量 0.150 ㍑未満かつ 最高速度 50km/h 超 100km/h 未満 の二輪車(クラス 1) | 1.14 | 0.30 | 0.07 |
総排気量 0.150 ㍑未満かつ最高 速度 100km/h 以上130km/h 未満、 又は、総排気量 0.150 ㍑以上か つ最高速度 130km/h 未満の二輪 車(クラス 2) | 1.14 (1.58)※1 | 0.20 (0.24)※1 | 0.07 (0.10)※1 | |
最高速度 130km/h 以上の二輪車 (クラス 3) | 1.14 (1.58)※1 | 0.17 (0.21)※1 | 0.09 (0.14)※1 |
単位:g/km
日本のテールパイプエミッション(2016年以前の規制値)
規制年 | 適用車種 | 一酸化炭素 (CO) | 炭化水素 (HC) | 窒素酸化物 (NOx) |
現行規制値 | 原動機付自転車(主としてクラ ス1に相当) | 2.2 | 0.45 | 0.16 |
二輪自動車 (主としてクラス2 又は3に相当) | 2.62 (3.48)※1 | 0.27 (0.36)※1 | 0.21 (0.28)※1 |
単位:g/km
※1 規制値欄は、「平均値(最大値)」を示す。また、最大値は、小型二輪自動車のみに適用される。
以上、この先も試練しか無い二輪界だけど、あーだこーだボヤいても仕方無いので頑張ってこの大量絶滅時代を生き抜いていこう。
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