スペインとイタリアとペトルッチの名前
人の名づけのルールは国によって特徴が有る。
スペインの場合、ファーストネーム+ミドルネーム+ラストネーム(ファミリーネーム)と言うイギリスやアメリカとは少々異なるパターンが取られる。
スペインでの名づけは一般的にはこの2つ
(1)ファーストネーム+父方の第一姓+母方の第一姓
(2)ファーストネーム(A)+ファーストネーム(B)+父方のラストネーム+母方のラストネーム
例えば、父親の第一姓が鈴木、母方の第一姓が本田で、その子供の名前が富子ならば
富子(ファーストネーム)・鈴木(第一姓)・本田(第二姓)と成る。
これがパターン1
同じく父親の苗字が鈴木で母方の苗字が本田で、その子供の名前が富子と留子ならば
富子(ファーストネーム1)・留子(ファーストネーム2)・鈴木(第一姓)・本田(第二姓)と成る。
これがパターン2
なんでファストネームが2つも有るんだ?
って疑問は起こるけど、親がどっちしようか決め切れなかったんじゃ無いかなぁって思ったりする。
有名なピカソの例も有り、何かしらの深い意味が有るような気がしないでもないけど良く解らない。
余所の国のややこしい文化は、異国人には中々に理解しがたい。
ちなみにMotoGPライダーでは、マルク・マルケスのフルネームはMarc Márquez Alentà、弟のアレックスはÁlex Márquez Alentà。
あの何時も用事も無いのにガチャガチャしてる親父の第一姓がMárquez、時々しかメディアに出てこないお母さんの第一姓がAlentàだからこんな名前。
同じようにエスパル兄ちゃんはAleix Espargaró Villà、弟のポルはPol Espargaró Villà
と成る。
兄弟は名前のパターンは同じだ。
仮にマルク・マルケスが鈴木さんと結婚して子供にオサムと名づけたら、その子供はオサム・マルケス・スズキと成る。
中々にややこしい。
そのスペインのご近所のイタリアの場合は、基本的には至極シンプル。
ファーストネーム+ファミリーネーム
これが基本。
特にヒネったりはしない。
ミドルネーム(セカンドネーム)はあまり一般的では無い。
バレンティーノ・ロッシはバレンティーノ・ロッシ。
アンドレア・イアンノーネはアンドレア・イアンノーネ。
コレが基本。
だが、イタリアにはdoppio nomeってのが有る。
doppioとは二重って意味。
JoJo5部のボスのもう一つの人格がドッピオなのはそう言う理由だ。
doppio nome=英語ではdouble name。
これは文字通り、名前がダブルで有るってそのまんまな意味。
ファーストネーム1+ファーストネーム2+ファミリーネーム
こんなパターン。
スペインと似たようなモノと言えるかな。
GPライダーではMichele Pirro(ミケーレ・ピッロ)
本名はMichele Pio Pirroに成る。
このdoppio nomeは、公式文書には必ず記載しなきゃ成らないそうで、かっぱ寿司の順番待ち予約にはMichele Pirroで特に問題無いのだが、役所等の公式な場では正しくMichele Pio Pirroと書かないと別人と認識されるので問題が有るのだとか。
あんまり長い名前を着けたらちょっと苦労しそう。
イタリア人は名づけに保守的なのでヘンテコな名前はあんまり着けないだろうけどね。
そして、前回書いたペトルッチもdoppio nomeを持つ人。
でもこの一家は中々にややこしい。
お腹が立派なポロシャツのおっちゃんは、ペトルッチのお父さん。
名前はDanilo Petrucci。
そして、右のお馴染みペトルッチの本名はDanilo Carlo Petrucci。
お父さんがダニロ ペトルッチで、息子がダニロ カルロ ペトルッチ。
ふたりのダニロ♥
ふたりはペトルチ♥
名前は一緒で遺伝子もかなりの部分が一緒の二人だ。
前回も書いた、この男前な弟はFrancesco Petrucci。
通称フランキー。
これまた前回も書いたように、MTBダウンヒルのイタリア王者。
本名は、Francesco Danilo Petrucci(フランチェスコ ダニロ ペトルッチ)
つまり、ダニロ ペトルッチの息子は、ダニロ カルロ ペトルッチと、フランチェスコ ダニロ ペトルッチって事。
この3人が一緒の場で、ダニロ!と呼んだら3人ともが返事をするかも知れない。
何か用ダニか?
と、語尾にダニを着けながらそう返事するかも知れない。
ちょっとややこしいダニ。
ふたりはペトルチ♥
そして結局ふたりはダニロ♥
名前は大体一緒だけど、遺伝子は一緒なのかちょっと違いが...か、どうなのかは私の口からは何とも言えない。