マッピング1-後編

セッティングは、人にもよるしマシンにもよる。

私は、前後のサグを出した標準セットよりもソフト傾向が好き。
そもそも私の体重ではノーマルスプリングは硬すぎるので、何処だったかのソフトスプリングを入れていた。
46N/mmか48N/mmか、まぁそれくらい。

それで標準セットを出した上で、さらに柔らかくしていた。
セローみたいとか良く言われたけれど、そんなヘニャヘニャな足が好きだったんだ。
まだ前から排気してた時代のYZ250Fは、当時そんなセッティング。

ただ、これが必ずしも正解な訳では無く、あくまで私が走るコースで私が乗る私のYZ250Fがそうだった、ってだけの事。
人によっては標準よりもちょい固めが走り易いって人も居たので、とてもつまらないので言いたく無いのだけど、その辺は人それぞれって奴なんだろうね。
とてもつまらないのでこんな事書くのは心苦しいのだけど、残念ながらそうとしか言いようは無い。

結局、自分で乗ってみて、自分で判断してみるしか方法は無い。
メーカー推奨の標準セットがベストなのか、それとももっとソフトが良いのか、或いはちょっとくらい外れてても意外と大丈夫なのか。
その辺りの判断が着かないマシンで気合入れて走るのはちょっとドキドキするけれど、結局は自分で確かめてみるしか手は無いのだ。

 

とある建物内に有る小さな部屋。
そこで私は、人生で初と成るブランドのマシンに腰を掛けていた。
尻をずるんと放り出したまま、腰を掛けていた。
Brondellだったかbidetだったか、ちょっとヤマダ電機では見かけないブランドの海外製温水洗浄便座。
アメリカ製だったっけか、そんな温水洗浄便座なんて初めての遭遇だ。

TOTOにパナソニックにLIXILが簡単に手に入る国なのになんでざわざわざその選択なのかは解らないけれど、トヨタやホンダやニッサンが簡単に買える国に住んでるのにレンジローバーなんて乗ってる私に言われる筋合いなんて無いんだろうと思う。
京都出身なのに京都機械工具使わないでドイツ製を使ってる私にあーだの言われる所以は無いんだろうと思う。
ん、大きなお世話様だね。

温水洗浄便座なんて何だろうが一向構わないんだけど、ブランド毎にジェットに大きな差が有るので注意が必要だ。
パナソニックにはパナソニックの、TOTOにはTOTOの、LIXILにはLIXILの、制御、特性、セットアップが存在する。
そこらをビチョビチョにする位の水量を発射するセットアップも有れば、もう一個穴空けたるで!と言わんばかりのウォーターカッターのような細く高圧なセットアップもまた存在する。
パナソニックにはパナソニックの、TOTOにはTOTOの、LIXILにはLIXILの、それぞれ異なる制御、特性、セットアップが存在する。
温水洗浄便座は全部一緒な訳では無い。
十把一絡げにウォシュレットだなんて言えやしない。

だから普段はTOTOのレベル3を使ってるからと、それがそのままLIXILに適用されるかと言えば、必ずしもそうでは無い訳だ。
ZX10RのS-KTRCがモード2で走ってるからと、R1MのYRCパワーデリバリーがモード2で良いとは必ずしも言えないのと同じ。
やってみなきゃ何とも言えない。
試してみなきゃ、そのセッティングが自分に有ってるのかどうなのかは解らないのだから。
その『洗浄』と書かれた、或いは尻に目掛けてお水がピュッピュしてるイラストの描かれたボタンを押してみるまで、解らないのだから。

 

ふと右下に設置されたコントロールパネルに目をやると、セッティングは4に設定されていた。
5段階の内の4。
一瞬、数字が大きいほうが制御が効いてるのかと思ったけれど、ピクトグラムを見る限りは違うっぽい。
やっぱりパワーは上から2番目。
S-KTRCではスポーツ走行モードに該当するモードに設定されている。
中々のジャジャ馬モードだ。
素人にはお勧め出来ない。

 

このマシンは大正義TOTOでは無い。
明るいナショナルの遺伝子を受け継ぐパナソニックでも無い。
これはアメリカだかの温水洗浄便座。
アメリカンスタンダードのようにLIXILの遺伝子が注入されてる訳では無く、純粋に、ただただ純粋にアメリカン。
普段はアメリケン紳士淑女のアームストロング砲のような屈強で頑強な砲こうを相手してるアメリケン温水洗浄便座。
まさにアメリカン バッド アスを相手してる温水洗浄便座。
イソギンチャクのようなデリケートな私に上から2番目のセッティングは、余りにもヤバいかも知れない。
穴がもう一個増えちゃう。

私は迷う事無くマッピング1に変更した。
モトクロッサーでもR1でも、標準セッティングよりソフトを好む私は、迷う事なくソフトを選択。
いきなりハードセッティングで攻めたりしない。
そんな刺激に飢えたりしてないから。

 

 

パナソニックにはパナソニックの、TOTOにはTOTOの、LIXILにはLIXILの、それぞれ異なる制御、特性、セットアップが存在する。
温水洗浄便座は全部一緒な訳では無い。
十把一絡げにウォシュレットだなんて言えやしない。
それはこのアメリカン温水洗浄便座でも同じ。
日本製とは異なる制御、特性、セットアップが成されている。

びっくりしたわ。
変な声出そうだったわ。
いきなり冷水がえらい勢いで噴射して、結構本気で驚いたわ。
どこが温水洗浄便座やねんと。

どうやら、モードに関係なく起動直後にフルパワーで噴射するセッティングっぽい。
フルパワー後にちょろちょろモードに切り替わったのだけど、最初はいきなりえらい高圧水で驚いたわ。
口から出るかと思ったわ。
心の準備は出来てなかった。
尻の準備も出来てなかった。

しかもアイドル状態での保温機能は無い、もしくはキャンセルな設定と成ってるみたい。
それはこのマシンの仕様なのか、それとも管理者のセットアップなのかは解らない。
そんなに便座に詳しくないからね。
便座博士なんて呼ばれた事も無いし。

だからその辺については定かでは無いのだけど、ともかくアレだ。
ボタン押したら冷水がえらい勢いで噴出したので思わず変な声が出そうだったけど、グっと我慢できて良かったなと、私も大人に成ったもんだなと、ただそれだけを思った。
そして、やっぱ温水洗浄便座は日本製がイイわ、と今更に思った次第だ。

 

と言う訳で、暫くの休み明けがえらい長文の便座の話ってのは非常に心苦しいのだけど、こんな具合にボチボチと再開するのでどうぞよろしくメカドック。

 

MOTOR CYCLE

Posted by tommy