自転車で鳴門海峡を越えれる日はやって来るのか

南あわじに有る道の駅うずしおへ行くと、こんなのぼりが立っている。

 

大鳴門橋に自転車道を!!
大鳴門橋自転車道早期実現協議会

 

自転車で淡路島を一周する、と言ういわゆるアワイチブーム。
そして、同じく四国へと橋を繋げるしまなみ海道ブーム。
瀬戸内界隈の自転車界を賑わすこの2つの大きなウネリが、こんな話を生み出してしまった訳だ。
大鳴門橋を自転車で渡れたらイイんじゃ無いの?って、そんな大きなウネリが。

 

1.現状

現在、四国と淡路島とを自転車で渡る手段は一般的には一つ。
それがこれ。

自分の車、或いはチャーター、もしくはヒッチハイク。
それらを除いては、淡路交通のバスを利用した運搬サービスが唯一の手段と成る。
なんと輸送料は無料。
人の乗車運賃だけで大鳴門橋を越えれる素敵なサービスだ。

問題は2つ。
一つは1日に平日は7便、土日は6便しか無いって事。
バス会社のスケジュール通りの運行なので、タイミングによってはかなり待つ、或いは予約時間に間に合わなかったりなんて事も。

そしてもう一つは、一度にラックが3台、輪行袋で4台=合計7台しか積めないって事。
ソロライダーなら大した問題には成らないが、4人5人と集まると、予約状況によっては次のバスまで待てよ、なんて事にも成り得る。
8人グループなんて、その時点で定員オーバーだ。
はみ出した一人は、次の便を予約するか、やけっぱちの淡路島2周目に突入するか、サワラ丼でも食べて仲間の帰還を待つか、そのいずれかしか選択は無い。
ちなみにたこ煎餅は、現在諸般の事情により試食コーナーは休止中なのであしからず。

 

自転車で淡路島から四国へ渡るには、ヒッチハイクでもしない限りは現状はこの淡路交通のバスしか方法は無い。
用意してくれてるだけでも大変有難いのだけど、使い勝手を考えたらやっぱりちょっと、どうなんだろうなぁって感は正直な所は無きにしも。
最大の問題はスケジュールだね。
これが自動車ならば、高速道路使ったら岩屋から南あわじまで1時間も有れば、パンクでもしない限りは確実に着く。
時間を読むのは容易い。
だが自転車の場合は、その見積もりが中々に難しい。

何度と無く走り込んでるなら、最後の登りも含めてある程度正確に時間は読めるだろうけど、そうでは無いなら難しいもんだよ。
岩屋から最短で約65km、南部の海沿い山岳コースを通れば85kmくらいかな。
風の影響を受けながらその距離を人力で進むのだから、到達時間を正確に読むのは難しいもんだ。
洲本の辺りで残り1時間なら、スケジュールはかなり厳しい。
心臓バックバクするくらいにペダル回さなきゃ成らない。

その点、橋はやっぱりイイね。
行けば何時でも渡れる。
タコフェリーすら無くなった今や自動車ならそれが当たり前なんだけど、その当たり前はやっぱり良いもんだ。
橋はイイもんだ。

 

2.計画

 

https://web.pref.hyogo.lg.jp/ks08/documents/03_hyogo-cycle-plan-mainpart1.pdf

 

自転車道を作るのはこの部分。
橋の下層部分の空間。

https://response.jp/article/2013/10/09/208227.html

ここに書かれてるけれど、そもそもは新幹線を通すのがその目的。
だから大鳴門橋は瀬戸大橋のような二階建ての構造に成ってる。
この使ってない、そしてこれからも多分きっと使わないこのスペースに自転車道を作ろう、ってのがその計画だ。

なお、JRを含む関係各位の皆様は、大鳴門橋に鉄道を通す夢は今も諦めて無いらしい。
ただし、明石海峡大橋は鉄道が通せない構造なので、トンネルでも掘らない限り鉄道は淡路島が終点と成っちゃうんだけどね。
淡路島を経由して四国と神戸とを鉄道で結ぶ計画はちょっとスマンかったな、って事だ。

 

3.現在の進捗

昨年9月に、ここに自転車道を作っても大丈夫ですわ、との調査結果が出て、計画推進にゴーサインが出た。
それが昨年の9月。
この調査結果を踏まえて、件の自転車道が実現した際の経済効果はなんと○○億円!建設費はたった○億円!などと、足でソロバンを弾いたかの魅力的な数字が飛び交う会議が繰り広げられる。
着工は2021年か、或いはもうちょい後か。
完成と成ると.....何時だろうね。

 

ただこれ、先例と成ったしまなみ海道を有する愛媛県と広島県、特に愛媛県知事や今治市長、広島の尾道市長を初めとする県市町村の情熱と比べるまでも無いのが実情だったりする。
今治も尾道も凄い情熱持ってるものね。
一方....
兵庫県知事は、この話すら知らないんじゃ無いかな。
え?鳴門を自転車で渡るの?
何それ?って。

何においても一緒なんだけど、責任の無い立場の人間が関係無い所からあーだこーだ言っても話は全然進まないので、責任の有る立場の人間が頑張って進めて欲しいなと、そう願うばかりだ。

がんばれ、自転車王国。
全ては徳島のやる気次第だ。

 

Bicycle

Posted by tommy