二輪噺

奥様ライダーズ小話ブログ

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溶けそうな、ある熱い日の阪神高速湾岸線でのひとこま

   

 

熱い。
暑いって言うよりも熱い。

まだ5月の半ばだと言うのに、何だってこんな熱いんだ?
もう余りの熱さに身も心もユルユル。

それは、このカンカン照りで暑いのに革ジャンを着て尻からエキパイがコンニチワしてるR1に乗ってるからだよ。

なんて声が聞こえて来そうな気もしつつ、特にどうしても!って用事が有る訳でも無いのだけど、なんとなくこの日、阪神高速湾岸線に乗ってたのだ。
泉佐野方面へと向かって。
身も心もゆるゆるしながら。

 

 

何台かで連なり、何時も空いてる阪神高速湾岸線をひたすら南下。

着すぎたのか?
暑さにまだ体が慣れてないからか?
R1だからか?

ともかく、溶けそうな程に暑い、と言うか熱い中、私はただボケーっと左側車線をテレテレと走ってた。
同行したSRXの人はとても涼しそうだなぁって思いながら。
思うだけ、だけどね。
電気按摩号で高速乗るのはちょっと遠慮しておく。

 

ふと見ると前に大型観光バス。
速度はともかく、前が見えないのは気分的にちょっといまいちな感じ。

まぁサクっと抜いておくか。

流石はR1。
特にシフトダウンなんてする必要も無く、巡航速度から前の観光バスを抜き去るなんて、スロットルをちょい開けてやるだけで事足りる。
これがセローならうなり声を上げてる所かも知れないけど、R1なら何て事無い。
SRXにしても電気按摩を16ビートで刻んでる所だろうけど、R1なら何の苦も無い。

嫌だー
速く走るの嫌だーーー!

セローやSRXならそう聞こえてきそうなうなり声を上げるところ、かも知れないが、型落ちとは言えR1ならそんなの無縁。
何の苦も無い。
まさにオートマ感覚。
180馬力もあるものね。

 

それにしても、まだ5月の半ばだと言うのに、何だってこんな熱いんだ?

あまりの暑さに身も心も緩みまくった私は、ミラーで右車線を確認し、そしてウインカーを出し車線変更しつつスロットルをちょい開けした。
ちょい開けで十分だ。
観光バス程度抜くのはチョイ開けで十分。
そしてチョイ開けしてやるだけで、その観光バスのすぐ前を走る、白黒で赤いランプが乗っかってる大阪府警のセダンを抜く事なんて容易い。

.....うぉ!!

背中ピーンと成るわ。
突然そんな車が現れたら、背中ピコーンって成ってしまうわ。
ああびっくりした。

 

幸いにして、誰も切符を頂く事は無かったものの、心臓がパッコパッコしながら私はちょっと反省した。
暑いからと、バイクが熱いからと緩んでちゃいかんよねと。
緩んで弛んでちゃいかん。
命も免許も無くなってしまうわと。

 

緩みきった身と心をキュッキュと引き締めながら、パトカーの前に入ってしまった事を後悔しつつ、法廷速度で走り続けた。
背後のパトカーからの視線を尻に感じながら。
緩んだ尻がキュキュっと硬直するのを感じながら。

そんな、この日の昼下がり。
溶けそうな、ある熱い日の阪神硬直湾岸線でのひとこま。
もう身も心もカッチコチ。

 



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