静音オイルフリーコンプレッサーのススメ-2
オイルフリーコンプレッサーって何?
レシプロピストンタイプのコンプレッサーには給油式とオイルフリー式の2種類が有る。
オイルフリーコンプレッサーとは、潤滑用オイルが入っていないコンプレッサーの事。
ピストンリング等に自己潤滑性が有るので、潤滑用オイルは必要としない。
一方の給油式コンプレッサーはその名の通りに潤滑用オイルが入っている。
バイクメンテ等に使う1馬力~クラスのコンプレッサーはオイルフリーが主流だ。
オイルフリーのメリット
・オイルが不要
・エアにオイルが混入しない
・ドレンにもオイルが混じらない
オイルフリーのデメリット
・耐久性が劣る
・圧縮漏れが起こりやすい傾向が有る
・オイルフリーの最大のメリットはオイルに油分が混入しない事。
特に塗装に使う場合はオイルは天敵と成るので、クリーンなエアが得られるメリットは非常に大きい。
・耐久性に関しては、産業用コンプレッサーでもオイルフリーコンプレッサーは普通に使われているので、別にオイルフリーだからと直ぐに壊れる訳では無い。
比較するとオイル入りには劣るものの、お茶の間メカニックなら特に問題に成るレベルでは無いかと。
・オイルフリーコンプレッサーはオイルによる気密性が得られないので、若干の圧力損失は起こり易い。
同じモーターで両方を作っている日立のベビコンの場合、2.2Kw給油式の265L/minに対して、同じ2.2kwオイルフリーは若干落ちる240L/minと成っている。
このように、少しだけスペックは落ちる傾向は有るものの、通常はオイルフリーを選んでおけば間違いは無いかと。
そもそも静音コンプレッサーで給油式は無いので、特に考える必要も無いのだけど。
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100V静音オイルフリーコンプレッサーの音量は?
吐出量:50Hz 80L/min 60Hz 96L/minクラスのコンプレッサーでおよそ65~70db。
従来タイプの同クラスの100V-1馬力コンプレッサーは90dBクラスなので、比べると遥かに静か。
きっと1度静音タイプを使うと、もう従来型は使えないと思う。
はっきり言って90dBのコンプレッサーなんて近所迷惑極まりないので、余程のこだわりが無い限りは静音タイプをお勧めしたい。
タンク容量は?
高儀EARTH MANエアーコンプレッサーの場合、バイク整備に使えるサイズは25Lモデルと39Lの2種類。
他社の同クラスでも、所謂1馬力コンプレッサーと呼ばれるものは概ね同じような30L程度のタンクサイズ。
確かにタンクは有る程度大きい方が使い易いのだが、連続使用する際にコンプレッサーの駆動サイクルが少し減る程度で、実際にはそれ程は影響無い。
タンク容量よりもコンプレッサーの吐出量が問題に成るので、作業に対する吐出量が足りていれば多少のタンク容量の差はあまり作業性に関係は無い。
逆に、吐出量が足りていない場合にタンクを増設しても解決しないので、コンプレッサーのスペックを上げるか、三相200V化を視野に入れる必要が有る。
非力なコンプレッサーにタンクを増設してもタンクの充填されるまでの時間が掛かってしまう為、逆に作業性が落ちる事も有る。
通常、コンプレッサーの性能のバランスを考えたタンクが装着されているので、
したがって、タンク増設は余り意味は無いので素直に買い換えるのが賢明だ。
コンプレッサーを使う上での注意点は?
1.ドレンの排出
ドレンとは、エアタンクに溜まった水分の事。
産業用の場合は産業廃棄物として処理する必要が有るが、個人においては適当に排出してもまぁ特に問題には成らない。
これを溜めたまま放置しておくとタンクが錆びて穴が空くので、使い終わったらドレンスクリューを緩めてタンクに溜まったエアと一緒にドレンを排出する。
これを習慣着けてないと、きっとそのうち後悔するので注意しよう。
2.コンセントと延長コードの容量
高儀EARTH MANエアーコンプレッサーの場合、吐出量:50Hz 80L/min 60Hz 96L/minモデルの消費電力は570w/590w。
吐出量:50Hz 120L/min 60Hz 137/minモデルなら、消費電力は620w/720wに成る。
通常、家庭のコンセントの定格は1500wなので、電気ストーブ等と同時に使用するとオーバーする事も有るので注意しよう。
延長コードも、通常は1500wまで使えるので問題は無いだろうけど、余りに古くて細い電線ではコンプレッサーに使うにはパワー不足な場合も有る。
出来るだけ太くて新しいコードを使うのがお勧め。
繋ぐコンセントを間違えたらブレーカーが落ちてお母さんに怒られる事も有るので、出来る限り独立して空いているコンセントに繋ごう。
タコ足配線は止めた方が良いと思うな。
コンプレッサー以外に必要なモノは?
・ウォーターセパレータ
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是非とも使いたいのがこのタイプのエアレギュレーターとセットに成ったウォーターセパレータ。
これはコンプレッサー内で結露した水分を除去するフィルター。
この程度の簡易なフィルターでもかなり湿気が取れるので、最低限挟んでおきたい。
エアツールや塗装やサンドブラストは勿論、タイヤに空気を入れる際にも湿気は大敵なのだ。
コンプレッサーに最初から付いてくるレギュレーターと、このフィルター付きレギュレータとを交換するのが一般的。
塗装やサンドブラストに使うなら、更にガンの直前にもう一つフィルターを挟んでおくと尚GOOD。
・ルブリケータ(オイラー)
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これはエアツールにオイルを供給するパーツ。
一般的には、エアツールに直接取り付けて使う。
インパクトレンチなら使う度に直接エアツールオイルを挿してやれば済むのだが、連続回転するエアリューターやグラインダー等には出来れば使いたい。
なお、オイルはエアツール専用オイルを使おう。
エンジンオイルや潤滑スプレーはNGなのでご注意を。
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接続継ぎ手の規格
一般的に、エアの配管には管用テーパねじ継ぎ手が使われる。
これは、ネジ部分の先が細く、根元に行くほどに太くなるネジ。
目視しても良く分からないけれど、先端付近と根元とではネジの太さは違っている。
通常はテーパねじが使われるのだが、コンプレッサーからのエアの取り出し部分などには平行ネジが使われる事も有るので注意しよう。
日立のベビコンは仕様によって平行ねじのG3/8とテーパねじのRc3/4が使われてるので間違えないように注意が必要だ。
ISO規格 | 旧JIS | JIS規格番号 | |
テーパおねじ | R | PT | JIS B0203 |
テーパめねじ | Rc | PT | |
平行おねじ | G [A,B] | PF | JIS B0202 |
平行めねじ | G | PF |
現在はISOで表記されて売られている筈だが、未だにPT/RFの表記が生き残ってる事も有る。
モノ自体は一緒なので、まぁ気にしなくて大丈夫。
平行おねじの場合、等級によってAとBとに分かれる。
エアコンプレッサの場合は大体はBじゃ無いかと。
アメリカ管用テーパねじ(NPT)及びアメリカ管用平行ねじ(NPS)は規格が異なるので混用は不可。
通常NPT/NPSを使う機会も無いだろうけど、ヤフオク等で正体不明のエア機器を買ったら時に手に入れてしまう事も有るので注意が必要だ。
なお、平行おねじには平行めねじ、テーパおねじにはテーパめねじを組み合わせる必要が有るので、部分的に平行ネジが使われてる場合は↑のような変換継手を使用してねじ径とねじのテーパーを合わせる必要が有る。
無理矢理ネジ込んだら壊れるのでご注意を。
エアレギュレーター~エアツールのネジ径は概ね1/4か3/8。
インパクトレンチ等のエアツールは一般的にテーパーねじが使われるが、一方でエアダスターには平行ねじが使われる場合も多かったりもする。
中々ややこしくてちょっと分かり難いけれど念のため要確認だ。
無理矢理ネジ込んで壊さないようにご注意を。
まだもうちっとだけ続くんじゃ