ガンマに乗る事はガマンする事と同義で有ると誰かが言った

その昔にRGVΓのウェブサイトをやってた時期が有る。
無料ホームページから始まって、最終的にはXOOPSで作って....で、まぁ何だかんだの諸事情により消滅してしまったのだけど。

当時、既にNSRもTZRも、そしてVJ23Aと呼ばれる最終型のRGVも消滅してた時期。
そのご時勢にわざわざV型エンジン初期型のVJ21Aがメインだった訳で、そこに集まってくれていた人たちも中々に癖が強い人も少なくなかった。
人間性に癖が強い訳では無くて、バイクの趣味趣向に一定の癖が強かったって具合で。
別に額にSマークをタトゥするようなアクの強い人は居なかったよ。
子供に手腕津と名づける人も居なかった。
オサムは居るかも知れないけれど。

 

安い、速い、格好イイ。

この3つを兼ね揃えたVJ21A型RGVΓだったが、実際の所、ぶっちゃけた所、やっぱどう考えてもMC18に乗るべきだよなぁって事は言い切れると思う。
もっと言えば、ΓならVJ23A、そもそも2ストに乗るならMC28か3XVに乗るべきだろうと思う。
実際、当時私は3XVに乗ってたし。

それでもこのVJ21Aにこだわってたのは、値段が安い!って事以外にも、一種独特の癖に魅了された人が一定数居たって事なんだろうと思う。
私が乗ったらさっぱり曲がらないバイクだったけど、これに波長がぴったり合う人は、気持ち良い位にスルスルと曲がれるらしい。
カタナでもGSX-R1100でも同じく、多くの合わない人はさっぱり合わないけれど、極一部の合う人はすっごい合う。
もっとも、だからとサーキットで競争して腕自慢のNSRに勝てるかと言えば、それは何ともスマンかったな話なんだけども。
スロットルを開けたら恐ろしく速いけれど、だからサーキットでタイムが出るかと言えば、これは何とも....難しいお話だ。
そりゃ勿論遅くは無いんだけどね。
NSRが居なきゃね。

 

別にホンダが優等生で、ヤマハが格好ばっかりで、カワサキは直ぐに壊れて、スズキは変わってる、なんて事は言う気はあんまり無いんだけど、やっぱりこれは言えると思うな。
私自身も結構長い間乗ったり分解したりしてて、何人ものこのバイクに乗ってる人たちと顔を合わせた経験上、やっぱこれは言えると思うな。
ん、やっぱ変ってるよね、って。
それは。

 

そんな、21世紀にも成ってわざわざVJ21Aに乗る人は、その次ぎのステップも一風変った所へと飛んでしまう場合が有る。
ビッグネイキッド全盛時代にGSX-R750に乗ってみたり、或いは同じくスズキのさらに変わったバイクのGooseに乗ってみたり。
CB1300SFとかゼファーやXJRなんてのを選ぶ世間の空気なんて知ったこっちゃ無ぇよとばかりに。

その究極は、やっぱりRG500Γ。
通称ゴガン。

世間一般のバイク乗りからすれば、ガンマ500なんてのはただの古いバイクなんだろうけど、マイノリティなガンマ乗りからしたらそれは一つの究極の到達点とも言える。
人によっては人生の目標、と言えるかも知れない。
そんな偉大なバイクな訳だ。
それがガンマ500。
ガンマ界の頂点に君臨するゴガン。
バイク界の頂点に君臨するゴガン様。
世間に理解されるかされないか、なんて何も関係無い。

 

頂点とは孤高で有る。

物理的にエベレストの頂上に立つのはほんの限られた人数にしか立てないのと同じく、多くの場合は頂点に立つ者は孤高となる。
バレンティーノ・ロッシ等の一部例外を除いて。

それはゴガンも同じ。
ガンマ界の頂点に立つバイクは、他に競合は居ない孤高の存在。
RZV500はガンマ500の対抗には成りえないと、ゴガンに乗る人は口にする孤高の存在。
それがゴガン。
後にも先にも肩を並べるバイクなんて存在しない。

そんな孤高のガンマは、昔から乗る者に我慢を強要する。

煙?
我慢しろよ、ガンマなんだから。

燃費悪い?
我慢しろよ、ガンマなんだから。

セローとあんまり変らない細っいリアタイヤが怖い?
我慢しろよ、ガンマなんだから。

ANDFは慣れなきゃ乗りにくい、ANDFに慣れたら普通のバイクが乗りにくい?
我慢しろよ....以下略

と、孤高の存在のバイクに乗るには、それ相応の我慢は必要と成る。
幾ら疲れたからとマッターホルン山頂でお昼寝出来ないのと同じ。
孤高の存在のバイクに乗るには、それ相応の我慢は必要と成るのだ。
もっとも、乗れるなら、まだ全然話はマシなんだけどね。

 

煙たいとか乗りにくいとか、そんなの問題には成らない。
煙も出なきゃ1mmも動かない、それが大きな問題だ。
随分と前にゴガンを入手した、元21A乗りの彼のゴガンもそんな一台。

VJ21Aから、一時はゼファー1100と言う世間の空気に迎合した人気バイクに手を出しつつも、彼が持つ一風変った遺伝子がそうさせたのか、手を出したのはRG500Γ。
そう、ゴガン。
何かの拍子に一応は動くゴガンを手に入れたのは、もうかれこれ10年程前の事。

走る。
一応は走る。
私が見た時には、4つ有るサイレンサーの2つから盛大な煙を吐きながら一応は走ってた。
スロットルを開けてもモーモー言って、カムチェーンの無い2ストなのにやらたとザーザーとメカノイズを上げながら、一応は走ってた。
イオン無く絶好調とは程遠い状態だけども。

ここで彼に一つの選択が求められた。
このまま我慢して調子の悪いガンマに乗るか?
それとも、ガンマに乗るのを我慢して修理するか?
選択肢は2つ。
どっちにしても取りえる選択は我慢だけど気にするな。

彼が選んだのが、乗るのを我慢して直すこと。
幸いにして自宅には作業スペースは有るので、エンジンを開ける事もやぶさかでは無い。
動かないガラクラのVJ21Aを、ちゃんと動くガラクタ21Aに直した実績と経験と相応の道具は有る。
だから出来るさ、僕にも出来るさ。
彼はそう判断し、彼はその道を選んだのだ。
乗るのを我慢してガンマを直す、その棘の道を。

MotoGPチームのLCRホンダのスポンサーでもお馴染みのCMSなら、今もRG500のパーツはオーダーできる。
日本のスズキはパーツリストを公開してないけれど、ココを初めとする幾つかの海外サイトではちゃんと公開されている。
このままオーダー出来るのでとても簡単だ。
日本でも出来ないものかなぁって思う。
MonotaRoで大体は注文出来る今は便利に成ったもんだとは思うけれど。

 

古いバイクのレストアと言えば、やはりネックはパーツの入手。
パーツと言えば真っ先にシリンダーやピストンやクランクなんかを挙げられるのだけど、意外とそれらの大物パーツはどうにか成ったりする。
シリンダーやクランクは有る程度なら再生も可能だし、ピストンは海外製ならかなりマニアックな車種でも手に入る。
と言うかそもそも500ガンマの純正ピストンは今も入手が可能だ。

それよりも問題に成るのが、キャブのフロートだったり、ラジエーターホースだったり、キャブとエアクリーナーボックスを繋ぐパイプだったり。
そんな細々した所が問題に成ってくる。
フロートはまだ出るのかな。
でもかなり特殊なキャブなので、欠品したら大変そうだ。

ラジエーターホースなんてただの糸入りのゴムホースなんだけど、バイクによっては勿論、年式によっても微妙にカーブや長さが違ったりするので、ちょっとした違いが大きな問題と成ってくる訳で。
たかだか1cm足りないだけで、たかだかちょっと曲がりが浅いかキツいだけで困った事に成ってしまう。

とは言えど、これまた社外品も意外と有ったりするし、最悪の場合はステンレスパイプを突っ込んで継ぎ足したり出来なくなくも無いのだけど、他に替わりの効かない部品が欠品したら大変。
ロータリーバルブ周りなんかが欠品するとちょっと大変だ。
もっと言えば、キャブのパッキンが欠品しただけで大変な事に。

幸いにして500ガンマのキャブのパッキンはペーパーガスケットみたいなのでどうにか成るんだけど、ウネウネと成型されたゴムパッキンのキャブは、そのゴム一本が欠品したらかなり困った事態になってしまう。
輪ゴム一本でキリキリ舞いさ。
それは4ストでも同じで、ヘッドカバーガスケットやカムチェーンスライダーが欠品すると大変だから、別にガンマ500に限った話じゃ無いんだけどね。
たかだか数百円~数千円程度のしょうもないパーツ一個が無いが為にどうにも成らなく成っちゃうのは一緒なんだけど。

 

石の上にも三年と言うけれど、バイクレストアは我慢してじっと待ってても何も解決しないので、そろそろパンパラ言わせて街を走る日が来る事を期待したい。
もう我慢しなくてイイんだよ。
来年こそはとそう願うばかりだ。
来年の今頃も、同じ事を思ってそうな気はしないでも無いけれど。