追いつけないんじゃない、あえて追いつかないだけだ

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バイク、要するにモーターサイクルにお乗りの方は公道ではお勧めしないが、ロードバイク、要するにロードスポーツ自転車に乗ってる人なら結構有るんじゃないかと思う。

前行くアイツに着いてってやるぜ!

って事、割と普通に有るんじゃ無いかと。

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ただ、尻の匂いが嗅げる程にあからさまに近づくのは宜しくない。
きっと怒られる。

だから、風除けには成らない程度に車間を開けるのが鉄則。
知ってる人でも勿論なのに、知らない人のテールにピッタリ着けるのは非常に危険なので厳禁だ。
そして多分、怒られる。

 

全く知らない人を相手に勝手に勝負を仕掛けた時、その勝負に勝ったかどうかは非常に解りにくいが、その勝負に負けた時はとても簡単に解る。

これは公道ではお勧めしかねるが、レース以外でのサーキットやモトクロスコースでは良くある事だろう。
前を行くあいつに着いてってやるぜ!って事は。

だがレースと違って、相手は本気で走ってるかどうかは解らないので、相手に勝ったぜ!なんて事は言えやしない。
頑張って頑張って気合入れまくって相手を抜いたとしても、当のお相手の方は晩御飯の事を考えながらテレテレ流してた、だけなんて事も大いにありえるのだから。
そんなのは勝負とは言えないので、仮にそんな人にサーキットやモトクロスコースで着いて行けた、あるいは抜き去ったからと言って勝ったとは言い切れない。

これは自転車でも勿論同じ。
仮に前を走る超高級ロードの人を抜いたとして、その人に勝ったかと言えばそれは何とも言えない。
超高級ロードに乗って耳なし芳一みたいに字が一杯書かれたジャージを着てる、そんな明らかに速そうな人を抜いた所で、その人に勝ったかと言えばそれは何とも言えない。

単にのんびり流してただけかも知れない。
すでに180kmも走った後なので消耗しきってるのかも知れない。
この後180kmも走る予定なので変な人に構ってられないのかも知れない。
バイクのテスト、或いは本人のリハビリかも知れない。
或いは、本当にもしかしたら速そうなだけでそれが精一杯だった、のかも知れない。

それが解らないので、その人に勝ったかと言えばそれは何とも言えない。
でもじこまんに有るように、自転車なんて自己満足が全てなので、勝ったと思いたければそれで自己満足してても何ら問題無いとは思う。
自分一人で心の中でほくそ笑む限りは。

オレの方が速かっただろ?

と、以前全然知らない人にバイクセブン(当時)の駐車場でド金髪の兄ちゃんに面と向かって言われた人も直ぐ近くに居るのだが、そう言う痛々しい公言はしない限りは自己満足してればそれで結構だと思う。

ちなみに上記の金髪兄ちゃんは、当時我が旦那さんがZX10Rで国道171号線を走ってる時にホーネットだったか何かでブチ抜いてった人らしい。
一体どれだけ有機溶剤を吸引したらそんな思考に成るのかは知らないけれど、ともかくZX10Rをブチ抜いた事が誇らしかったのでビシ!っと負け犬に対して言い放ったらしい。

オレの方が速かっただろ?

と。
もうね、言われた方は口ポカーンですよ。
PO・KARN

公言したら非常に気味悪がられるので、それは自分の心の奥底に仕舞い込んで、寝る前にニヤニヤしながら自己満足に浸って欲しいなと思う。
その勝利が誤解であろうとも、そんな事は自己の心の中だけで昇華させる限りはどうでも良いのだから。
実際の所はどうで有ろうとも。

 

そんな具合に、全く知らない相手に勝った所で、実際の所はそれが本当に勝ったのかどうなのか?なんて事は解らない。
でも逆は言い切れる。
明らかに血圧上げながら必死に漕いでるのに千切られた日にはハッキリと解る。
心臓が爆発しそうに成りながら必死に漕いでもぶっ千切られた日にはハッキリ解る。
無常で無慈悲な現実は目の前に叩きつけられる。

でもそんな時は思って欲しい。

自転車って、他人との競争が全てじゃないよね。
そんな事に終始するなんて不毛だよね。

と。

 

自転車は他人との競争する為、だけの道具では無い。
本来は便利で、そして何より本人が楽しい乗り物だ。
他人と比べてあーだのこーだの、なんてつまらない事にこだわるのもバカらしい話だよね。
ああ、そんなの本当につまらない。
自分が楽しめれば、それで構わないじゃ無いか。

と、何が有ったか知らないけれど、口尖がらせてそんな発言してるやさぐれた人を、頭を撫で撫でしながら優しく慰める私なのだった。
そんなに僻まなくたって。
何が有ったか、どんな兄ちゃんにコテンパンにしてやられたのか知らないけれど。

 

 

そんな、何処かの誰かの自転車に追いつけなくて、ちょっとやさぐれた人を尻目に、私はやっと追いついたのでホッとしてるのだ。
ジロ・デ・イタリアの放送にやっと追いついたよと。

DAZNでやってるジロの放送。
1本当り4時間以上も有るので、見るのが本当に大変。
別に4分のダイジェスト版を見てても特に問題無いかもね、なんて事も確かに思ってしまうのだけど。

まぁともかく、見ないまま二週間分も溜まらなくて良かったなと。
前半の山場、エトナ山頂フィニッシュを前に追いつけて良かったなと。

1ヶ月程は何度も見返せるのでちょっと位溜めてても問題ないけど、多分嫌になるだろうと思う。
夏休みの宿題を全くやってない8月末の小学生のような気分に成るだろうと思う。
嗚呼、もうイイや!って。

 

Bicycle

Posted by tommy