バイク倦怠期脱出の鍵は絶望の淵の中に有る

[adsense]

バイク倦怠期。
これは程度の差は有れ誰しも経験有ると思う。
初バイクの納車の時のようなテンションを20年30年と維持するのは無理なのだから。

ただ私は残念ながら、この血が沸き立つようなハイテンションを味わった事が無い。
前にも書いたけど、最初の街乗りバイクのCBRはバラバラにされて段ボールに入ってたし。
初バイクのDT50は家に有ったし、その後のYZ80も125も周りで乗ってたのを譲ってもらったし。

バイク雑誌で何しようか選んで、バイク屋を巡って、そして商談して契約して、納車整備と登録に一週間待たされて、そして軽トラに運ばれてついに納車。
等と言う経験を味わったのは、バイクに乗り始めてから何年も経った後の事。
YZ80を数台乗って125に乗り始めたり、CBR250やらCRMに乗ったり、それから大型二輪免許取ってFZ750に乗ったり...
なんて事を散々経験した後、やっとまともにバイク屋で買ったのがR1が初めてだったように思う。
特に納車前の日は寝れなかったなんて事は無かったと思う。

こんな、割とローテンションなバイク人生を歩んでる私だけども、勿論昔はテンションは高かった。
小雨位なら、何の用事も無くてもバイク乗ってみたりとか。
今では有りえないけれども、そんな時期も有ったのだ。
きっと誰でも有るんじゃ無いかと思う。
そして、そんな時期も何時しか終わる事も、きっと誰でも有るんじゃ無いかと思う。

キッカケは、その原因は色々と有るだろう。
車に乗り始めたとか
就職や結婚と生活環境が変わったりとか
色々と原因はあろうかと思う。
物理的にバイクとは疎遠に成り、そして何時しかバイクへの情熱は冷めてしまう事が。

それら外的な要因では無く、本人の心の問題も大いに有る事だろう。
何かこ難しい専門用語も有るのだろうけど、良く解らないので簡単に言えば、要するに飽きたって事だ。

最初はハラハラしてドキドキしてたライディングも、暫く乗ってると特にどうとも思わなく成って来る。
発進の時にあれやこれや考えてたり、シフトアップやシフトダウンでどうこう考えてた時期も直ぐに終わる。

ニュートラルからクラッチ切ってローへ、半クラ使って発進したら特にタコメーターも見ずに適当にシフトアップ。
左折の為にウインカーを出したら、回転を合わせつつシフトダウン&ブレーキ。
交差点をそろりと曲がったら加速して、そして….

等と言う一連の動作は、公道を走り始めて直ぐの頃は右往左往しただろうけども、そんなのは直ぐに慣れて日常と成る。
慣れ、そして日常と成ると、飽きに繋がる。
仕事でもゲームでもベッドの上でゴニョゴニョするアレでも一緒。
同じ事ばっかやってると飽きてくるんだ。
最初は難しくて刺激的な事であろうとも。

この人もそんなクチ。
高校生の頃からバイクに乗り、大型二輪免許を取ってリッターバイクに乗り始めたけど、どうにも面白く無いと言うこの人もそんなクチ。
まだ私が関東に住んでた頃の話なので、随分と昔の出来事なのだけども。


高速道路を250km/hで走る事にさえ飽きた

そんな事を言うこの人。
大きな声では言わないほうがイイと思うな、と言う事を大きな声で言うこの人。

人は常に刺激を求めて日々と生きる。
ただ、イイ年した大人が道路交通法を大きく逸脱する行為を行う事はお勧めしかねるので、公道でスピードを出す以外の行為にシフトさせたい。
250km/h出るバイクから290km/h出るバイクに乗り換えても、大した違いは無いのだから。

その方向は絶望の淵へ

こんなナマイキな口を叩く人には、悦楽よりも絶望への道がお似合いだろう。
絶望の淵へと叩き落として、その奈落の底の深い闇の中から一筋の光明を見つけ、自力で這い上がるのが良いかと思う。
ナマイキな口を叩かれたからイラっと来たとか、そんな事は一切無いけど、それがイイんじゃ無いかと思う。

と言う訳でお勧めしたのがモトクロスだ。
バイク歴が何年で有ろうとも、大型二輪教習を一発でクリアした腕自慢だろうと、高速道路を250km/hオーバーで走れる自称ハイウエイ最速男でも、モトクロスってのは別の次元の乗り物。
未経験者に取っては、いとも簡単にその絶望感を味わえる事だろう。

高速道路ではあんなにスロットル開けれるのに、土の上ではアイドリングのチョイ上くらいしか開けれない自分に。
二連を飛ぶ人を横目に、ストール寸前にモーモー言わせながらジャンプを舐めるようにどうにか乗り越えてる自分に。
そして、小学生にいとも簡単にブチ抜かれる自分に。

深い絶望を味わうには、モトクロスを始めるのがお勧めだ。
特に、公道最速を自認するモトクロス未経験者に取っては、舗装道路の直線路でアクセル開けるしか能の無かった自分へ大きな絶望感を味わえる事と成るだろう。
バイク歴何十年の自信とプライドが打ち砕かれる事は必至だ。
倦怠感と共に打ち砕かれる事は必至だ。

昇る喜び。
人は、高みに昇る事で喜びを感じる生き物だ。
それはバイクでも同じ、いやバイクだからこそ感じるかも知れない。

でも公道において高みに昇る事は物理的障壁が有るのでお勧めしかねる。
免許の累積点数にも上限は有るし、そして下手したら文字通り昇天してしまうリスクを考えたら、やはり公道で高みに昇るのはお勧めしかねるのだ。
だからモトクロス。
仮にリッターバイクを高速道路でブリブリ走れる人で有っても、モトクロス未経験者が初めてコースに出たら底辺からのスタートと成るだろう。
発進やチェンジくらいは出来ても、ジャンプはおろかコーナーで倒す事すらおぼつかない事が多数で有ろうと思う。
ド底辺からの再スタートだ。

でも、底から始めれば始める程に昇る喜びは得られる物だ。
日々のちょっとした上達にも嬉しい物だろう。

高速道路での250km/hから高みに昇るのは難しいが、アイドリングのちょい上でフラフラ走ってたレベルから上昇するのは容易い。
だから、倦怠期を迎えた人は底辺に落ちてみる事をお勧めしたい。
新たな絶望感を味わってみる事をお勧めしたい。
そしてそこから昇って行く喜びをお勧めしたい。

仮に上手く乗れたとしても、30歳越えてからモトクロス始めた人が倦怠感を覚える程に圧倒的に速く成る事なんて絶対に有りえないので心配は無いだろう。
頂点へと登りつめて燃え尽きて飽きてしまうなんて事は有りえないから心配は無用だ。

でもだからと、この人のようにいきなりCR250に乗って鎖骨折るのは余りに絶望的過ぎるので、程ほどから始めた方がイイんじゃないかなぁ
とは思う。

もっとも

オレは逆車のリッターバイクに乗ってんだぜ?

と、訳の解らない理由で、周囲は止めたにも関わらず2st250に乗って吹っ飛んだんだから自業自得なんだけども。
根拠の源泉は解らないがとにかく凄い自信ぜよなこの人は。
モトクロス童貞のくせに。

バイク倦怠期にはさらなる刺激を与えるのが効果的だ。
一度絶望の淵へと、奈落の底へと叩き落されてみるのが効果的だ。

でもそれとて限度はあるので、奈落の底へ落ちるのは程ほどにするのが良さそうだとは思う。
奈落の底は制限無く底の底の底まで有るので、底に落ちるのはそこそこにしておいた方がイイと思うな。
下手したら這い上がれなく成る事もまま有ったりするのだから。

さよなら絶望先生(1) (週刊少年マガジンコミックス)

MOTOR CYCLE

Posted by tommy