高校球児のように
雨の日の訓練がイザって時にモノを言う。
雨だからと中止してくれない事はこの世には沢山有る。
例えば冠婚葬祭。
雨だから葬式は来週に延期しますわ、って訳には行かないので、雨だろうと雪だろうと決行される。
足元のお悪い中決行される。
結婚式にしてもまた然り。
葬式ほどでは無いけれど、通常は天気悪いからと延期はされない。
隕石が落ちてきたとかって、火急の事情が有るならともかく、天気悪いから来週に順延と、運動会みたいに延期はしてくれない。
これまた足元のお悪い中のジューンブライドは日本では中々に迷惑な話だ。
ロードバイク用のシューズを履いた時にはそれに合った歩き方が有る様に、着物を着た時にはまたそれに合った歩き方が有る。
さらには、雨天でも裾を汚し難い歩き方や装備も有る。
着物を着慣れて居ないとイザって時に困るので、雨だからと無条件に着物をキャンセルするのでは無く、雨でも着物を着る選択も時には取っておきたい。
人生には、雨だから短パンとクロックスでイイじゃん、って場面ばかりでは無いのだから。
高校野球もサッカーもラグビーも、そしてレースもまた然り。
マラソンも自転車もモーターサイクルも、余程で無い限りは雨でも開催される。
雨の程度にもよるけれど、ちょっとくらいの雨ならゲームは開催される。
流石に4月のアッセン(SBK)のように雪が降ったら中止とされるけれど、それでも確実に中止とは言い切れない。
マラソンや駅伝は平気で開催されるし、サイクルロードレースのジロ・デ・イタリアも別に珍しく無いものね。
雪はともかく、雨だから嫌だとは言ってられないのが勝負の世界。
雨なら雨で、雨に合った戦い方、走り方をしてキッチリ結果を残すのがプロの世界。
ただ、それも雨天の練習をしておかないと、話には成らない訳だ。
雨だからと練習をキャンセルしてると、いざ本番の際に雨に降られたらまともに戦えなく成ってしまう。
高校野球もサッカーも。
バイクはかなり怖いだろうね。
マラソンならまだしも、1000ccのスーパーバイクでは初めてのレイン走行や、自転車で大雨の峠の下りは凄く怖いと思う。
でも、嫌だ嫌だと言ってられない、誰も聞いちゃくれやしないので、こんな事も有ろうかと事前にトレーニングしておく必要が有るのだ。
イザって時にヘッピリ腰に成らないように。
雨だね。
どえらい雨。
ジスイズツユ!って感じでなんかずっと雨。
裸足で床を歩いたら、ネッチネッチと音が出そうな程に。
もうベタベタですわ。
湿気でベタベタ。
そんな、家にいても不愉快極まりないこの最中、わざわざ泥まみれに成りにモトクロスに行く人が居る。
ってか居た。
もっと言えば見送った。
この前にもちょろっと書いた気がするけれど、実は数年ぶりにモトクロスコースを走ってみようかと考えてたのだ。
借り物125でちょろっと。
でも流石にこの天気。
特にレンジャーやグリーンベレーみたいに雨中の泥まみれ訓練を実施せねば成らない用事もないので、普通に遠慮しておいた。
数年ぶりに走るのにマディはちょっと勘弁させて貰おうかと。
まぁ神戸や生駒~奈良界隈のマディは関東ローム層のマディに比べればまだマシと言えばマシなんだけど。
横浜に住んでた頃に行った、関東のとあるコースで埴輪に成ったあの日に比べればまだマシなんだけどね。
関西のマディなら田植えくらいで済むレベルだから。
モトクロスも勿論雨天でも開催される。
モトクロスレーサーは、雨天の練習は決して避けては通れない。
ドロドロの、一周周ったらカワサキだかスズキだか分からなく成るような泥人形状態のコースコンディションでもそれなりに走れるようトレーニング積んでおく事が必要だ。
だから雨だからとキャンセルする訳には....いや寧ろ、雨だから好機だよと積極的に走りに行く必要が有る。
コースから出走許可が出れば、の話だけど。
ちなみに、そんな用事の有るモトクロスレーサーなんて私の周りには一人も居ないので、雨だからと家で餃子作ってても一切構わない人ばかりなんだけど、雨だからとテンション上げ上げでコースへ出かける人は、きっと長靴を買って貰った少年のような気持ちなんだろうと思う。
河童のように、雨降ってテンション上げまくってるのだろうと思う。
高校球児のように、気持ちが熱く滾ってるのだろうと思う。
何時までも高校球児のような熱い気持ちを持ち続けるのは素敵な事だ。
でも、高校球児のように土を持って帰って貰ったら迷惑なので、武庫川で泳いでくるなりして土を落としてから帰って来て欲しいと思う。