motoGP ルーキータイトル争い ~ドイツGP

バイクによって、コースとコンディションによる向き不向きは存在する。
何処そこのコースはヤマハ向きと言われたり、ドゥカティ向きだと言われたり、或いはホンダ向きだとかどうとか。

フレディ・スペンサーが王者として君臨し、ローソン、ガードナー、レイニー、ドゥーハンが続いた時代にはすでに陳腐化してたこのフレーズ。
ヤマハはハンドリングに優れるがパワーが無い。
ホンダはパワーは有るが扱いにくい。
と、そんな聞き飽きたフレーズ。

その伝統は今も頑なに受け注がれ、ホンダは相変わらずすっごい乗りにくいと言われ、ヤマハは発展途上のアプリリアや時に同じ直4のスズキにも最高速で負ける程に遅い。
ヤマハって、なんでもうちょい速く成らないんだろうと思うのだけど、それでも8戦を終えた時点で、優勝4回、3位3回、ポールが5回にファステストが3回と、圧倒的な強さを魅せて居るので、方向性としては正解なんだろう。
ストレートでホイホイ抜かれるバイクに乗ってる方はメンタルがかなりキツそうでは有るけれども。

 

パワーと最高速に優れるドゥカティは加速と最高速がモノを言うコースに強く、ハンドリングに優れるヤマハはテクニカルなコースやレインコンディションに強い。
なんて勝手にそんな適当なイメージを抱いてしまいそうだけど、これがそんな単純な話でも無くて、パワーがモノを言うムジェロや最高速360km/h越えのロサイルでヤマハが強かったり、一方でテクニカルなコースやレインコンディションでドゥカティが強かったりと、話は意外に単純では無い。

今回のザクセンリンクは、MotoGPで走るにはちょい狭いと言われるコンパクトなコース。
アッセンやリカルド・トルモよりもさらに短い3.7km。
スポーツランドSUGOくらい。
最高速はムジェロやロサイルよりも60km/hほど低い300km/h前後のコース。
タイトな切り替えしの続く前半~流れるような後半へと続く、それ程に歴史が有る訳では無い割にあまり今風では無いコースだ。
ギャってブレーキ掛けてグリっと曲がってオリャって加速して、またギャってブレーキ掛けてグリっと曲がってオリャって加速して....って、そんなエンジンと右手が悲鳴を上げる今時のコースとは違う。

だから見るからにヤマハに向いてそうななんだけども、これが意外な程にヤマハには不向きとされる。
ユーズドタイヤでのフィーリングは悪く無いから決勝は勝負出来そうだよ、と言ってたビニャーレスは、完走19台中でまさかの最後尾。
同じくモルビデリはその一つ前の18位と大沈没祭り。
目も当てれない惨状だ。
FP3でトップ、Q2では0.011秒差で2位、決勝では3位に入ったクアルタラロが別枠な訳で、やっぱりココは今年のヤマハにはあんまり向いてないと言えそうだ。
2019年はそう悪くも無かったんだけどなぁ。

決勝は、マルク・マルケスが遂に勝利。
王者の帰還と成るか、それともたまたまか。
それは次回のアッセンで証明される、かも。

いまいち過小評価されてる感の強いオリベイラが2位に入り、クアルタラロはヤマハ夏の大沈没祭りを尻目に3位を死守する。
毎度いきなり覚醒するいきなりビンダーは、初日からずっと眠りに着いてたが決勝が始まるといきなり覚醒して4位に。
Q1でもうちょい頑張って、もう1列前からスタートしてたら結果は違ったかも知れない。
もうちょっとだけ目覚めが早ければ結果は違ってたかも。
かもね。

プラクティスまでは今年はちょっと違う感を魅せつけてるアプリリアのエスパルお兄ちゃんは、今回はフロントローからスタートと予選でも今年はちょっと違う感を魅せてくれた。
ただ、ロッシさんのドゥカティ時代だった10年ほど前は、ロレンソ、ペドロサ、ストーナーに加えてテック3のドヴィチオーゾくらいしかコンスタントに表彰台を獲得するライダーが居なかったのでワンチャンは十分に有ったのだが、10人くらいは常に表彰台を狙えるライダーが群雄割拠する今の時代にトップ3に入るのはかなりキツい。
ドゥカティだけで表彰台が独占出来るものね。
さらにヤマハにスズキにKTMに、ここに来てマルク・マルケスも復活した現在。
彼らを押しのけて決勝でトップ3に入るのは大変だ。
そらもう大変ですわ。

さて、そんな熾烈な戦いの中でひっそりと繰り広げられるルーキータイトル争い。

 

MotoGP 2021ルーキータイトル

順位 ライダー QAT DOH POR SPA FRA ITA CAT GER 総合
16 Enea Bastianini 6 (10) 5 (11) 7 (9) 2 (14) 6 (10) (16) 26pt(15)
17 Jorge Martín 1 (15) 16 (3) 2 (14) 4 (12) 23pt(17)
22 Luca Marini (16) (18) 4 (12) 1 (15) 4 (12) (17) 4 (12) 1 (15) 14pt(20)
24 Lorenzo Savadori (19) (20) 2 (14) (19) 1 (15) 1 (15) 4pt(23)

( )内は順位

 

復活のマルティンがポイントをちょい積みしてバスティアニーニに肉薄。
総合トップ10圏内も狙えるかも。

バスティアニーニは仕切り直し。

ルカ・マリーニは来期のお兄ちゃん構想に向けてもうちょい存在感を示したい。

鯖は雨が恋しいか。

 

まぁ、マルティンかな。
プラマックだもんね。
食ってるモノはどうだか知らないけど乗ってるモノはちょっと違うので、やっぱマルティンか。

そんなルーキータイトル争いは、まだまだひっそりと続く。
静かに。

 

ではまた。