丸太は持ったか?

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『まぁちょっと見ろよ』

ちょろっとガレージに寄ったら、そんなちょっとキモい事を言いながらニヤリと笑う男が一人。
何か見せびらかしたいみたい。
変な物は放り出すなよ、と願いつつ、一体何だと尋ねてみたら、放り出してきたのはこんな奴。
こんな立派なシロモノ。
す....凄く、大きいです。
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PB SWISS TOOLS:無反動コンビネーションハンマー レッド 304-5RED

車の足回りに使うらしく、最大サイズの#5。
車整備にはこれくらいのハンマーも欲しいらしい。

PBのハンマーには大きくは二種類が存在する。
無反動ハンマーの300と、無反動では無い普通のハンマーの297。
大体の人が買うのは、無反動ハンマーの300だろうと思う。
297には297の良さは有るのだろうけど、最初の1本目に買うなら素直に300が良いと思う。
2本目3本目の選択としてはアリだが、最初の1本目は素直に無反動ハンマーの300が良いかと思う。
ちょっと高いけどその価値は有る。
多分。

無反動ハンマーの説明は、ちょっと検索したら一杯出てくるのだが、一応さらっと書いておけば....

例えば錆びたシャフトをハンマーで叩き抜く場合。
シャフトに限らず、全ての物には抵抗が存在する為襲撃が完全に伝わり切らない。
つまり無駄な衝撃が出来てしまう訳だ。
ではどうするか?
一撃目の衝撃がシャフトに加わった瞬間、内部のワッシャーによって第二撃を入れる。
すると第二撃目の衝撃は抵抗を受ける事無く完全に伝わり、シャフトを粉砕する事が出来るのだ。
開発者:Angie O’ Shaw

上手い事考えたもんだ。
でも他のメーカーを色々見ていけば、すでに特許は切れてるのか、それとも参考にさせて頂きました商品なのか、PB以外に類似品は一杯有る。
類似品と言うか、Shockless hammerの特許自体はHerbert L Ivinsって人が1958年に既に出願してるので、ショックレスハンマー自体は別にPBが開発した訳では成さそう。
このHerbert L Ivinsって人が思いついたのかさえも不明。
工具関連特許って山ほど有るから良く解らない。

鉛玉の入ってる前田さんのコンポータンハンマーは1986年出願。
こちらは比較的新しいタイプみたい。
どれが良いかは、ハンマー評論家では無いので言及は避けておく。
知らんわ。
あと、上記の無反動ハンマーについての説明は間違ってる可能性も有るので、詳細はhttp://www.worldimporttools.com/products/detail.php?product_id=26833等をどうぞ。

で、PBの無反動ハンマー。
従来のナイロンヘッドタイプに加えて、最近になって片方がスチールヘッドの304ってのが発売されている。
ナイロンじゃパワーが物足りない場合、持ち替える事無くスチールヘッドも使える便利なハンマー。
2つもハンマーを持ってなくて済むので工具箱の省スペース化にも役立つ。
ただ、何も考えずに使うと不必要にスチール側で叩いてしまう場合も有るので、一概にどっちが良いとは中々言い難い。
確認すりゃイイだけの話し、なのだけど。

・シャフトを抜く時
・小さいベアリングを打ち込む時
・キャリパーが固着した腐れバイクを動かす時
・バルブコッターの確認
・セローのロッカーアームシャフトの打ち込み

プラハンって、今思い浮かべた限りではこの程度の使用頻度。
優しくコンコンって叩く程度。
シャフトも頻繁に抜いてグリスアップしてるマメな人間なので、固着なんて有り得ない。
則巻千兵衛博士みたいに、やたらめったらハンマーでシバき倒したりはしない。
だから一体何時買ったか解らないこのハンマーも、未だに現役だったりする。
買い換える目処もその必要性も一向に。

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ちなみに私は旧来どおりの300。
サイズは2。
と、とても普通の選択。

何時買ったかさえ覚えて無いけど、長田に移転する前のWAKTOで買ったので、かれこれ.....
何時だろう??
なお、この旧モデルのハンマーは、現行モデルのようにヘッドをピンで固定されて無いので、力一杯振り回したら頭が抜けて飛んでいく恐れも有るらしい。
飛んだことも、飛んだ人に出合った事も無いのだけど、やたらめったら振り回す人は、ピンで固定されてる新しいタイプのを御使用頂きたい。
もっとも、このタイプの旧型は今時何処を探しても売ってないので心配無用なのだけど。
私の使用状況においては、上記した通り優しくコンコンっとしか叩かないので、飛んでいく心配は多分無いと思う。

なお、頑固に固着したビスは、小型トーチで熱してラスペネ吹いてエアインパクト+ビットで緩めるので、貫通ドライバー+プラハンは殆ど使わない。
この前のような頑固に固着したシャフトは、さつま芋くらいの大きさの鉄ハンマー使うのでプラハンを力一杯叩く事は無い。
ガスケットがへばりついてダウエルピンも固着したエンジンカバー類は、意外と100円ショップのラバーハンマーが使い易くてそれを使ってる。
と言う具合に思えば殆どプラハンの出番は無かったりする。
バイクしか触らない私の場合は。
プラハンが無ければ作業が進まない人も沢山居るのだろうけど、私の場合は実は意外と使わなかったりする工具の一つだったりする。

うん、いいね、赤いのは中々格好イイ。

そんな事を言いながら、トンカチ買ったと嬉しそうに語るおじさんのトンカチを褒め称える私。
余り世間では見られない光景だろうと思う。
でも素直に言いたい気分だ。
赤い頭のハンマーは中々格好イイじゃ無いかと。
去年の春頃にアストロで売ってたピンクのハンマーも、それはそれでちょっと欲しかったんだけど。
使わないくせに。

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http://www.astro-p.co.jp/shop/2016/03/21/手のしびれ、そんなあなたにこの一本!/

ハンマー女子お勧めアイテム!
ピンクのトンカチ。

今年の春に再び売り出したら、ちょっと買ってみようかと割と本気で思ってる。
いや今回こそは割と本気で。

今回、この赤いヘッドのハンマーを買った人。
非常にマメな人で、何時も工具はピカピカのコンディションを維持している。
工具を地面に放り投げる行儀悪い人は周りには居ないのだけど、この人は群を抜いてお行儀の良い人。
どれもこれも工具は何時もピッカピカ。
道具を大事にするその姿勢は素晴らしい。

私も結構マメな方だけど、工具を使う度に必ず灯油で綺麗に洗って、そしてシリコンオイルで拭き上げる彼にはちょっと及ばない。
腐ったジムニーを分解整備した後でも、錆びは勿論、梨地の工具でも一点の汚れさえ無い素晴らしいコンディションを維持している。
どんなに汚れ仕事しても、レンチは使う度に綺麗に磨きこまれる。
なんとも素晴らしい人。
ハンマーにワックス掛ける人なんてこの人以外に見た事無いわ。
床用ワックスでハンマーの柄を磨き上げる人なんてこの人以外に見た事無い。
この人なら、漆塗りのネプロスだって使いこなせそうな気がする。

でも、そんなピカピカのハンマーをガビガビに成った車の足回りに使うのは気が引ける、と語る彼は、それはそれでどうなんだろうとは思う。
工具を大切に使う事は、それ自体はとても素晴らしい考えだけど、足回り用の大きなハンマーを大事に使うのは限界有る。
汚れるのは仕方無いし、木製ハンドルのプラハンは汚れが綺麗には落ち難いのも仕方無い。

気持ちは解らないでも無いけど、それはちょっと無理な相談だ。
ポンコツジムニーの足回りをブン殴る工具を綺麗に使うのは無理な相談だろう。
ハンマーが汚れるのが嫌なら丸太でも使ってなさい。
日本には、丸太と言うあらゆる用途に使える万能工具が有るのだから。

だから、今度ポンコツジムニーの整備をする機会に遭遇したら言ってみようと思う。
みんな、丸太は持ったか?
と。

別に、そんなガラクタは丸太で叩き潰して粗大ゴミで捨ててしまえ!
と言いたい訳では無いのだけども。
言いたいのはやまやまなのだけど、それはぐっと我慢しておこうかと思う。

CAR

Posted by tommy