覚悟せよ、来期のWRCを覚悟せよ
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その昔、同僚にアメリカ人が居た事が有る。
名前は何だったかか?
まぁボブとでもしておこうかと思う。
一緒に仕事してたのはほんの少しの間では有るのだけど、比較的長期に渡って交流は続けてた人。
そのボブが、ネットの個人売買でHONDAを買ったと連絡してきた事が有る。
HONDAの小型セダンを買ったとか。
数百ドルで。
....えらい安いな。
ただ、買ったは良いけど、自分の乗ってるHONDAは何か余り良く分かって無いらしい。
オレは一体何の車買ったんだ?って。
スポーツバイクに乗ってる人は、自分のバイクが何か知らない人は居ないだろうと思う。
スズキのスポーツバイクに乗ってるけど、何てバイクか知らない人なんてのは。
何てバイクか知らずにコブラ乗ってる人は早々居ないんじゃ無いかと。
それはちょっとどうかしてるゼと強く思うな。
否、コブラを買った事では無くて、そっちの意味では無くて。
ただ、スクーターに乗ってるおばちゃんは、自分のスクーターは何て名前か知らない人もきっと居るとは思う。
流石にこのご時勢に、自分のバイクをラッタッターって呼ぶ人は居ないとは思うけれども、自分のバイクの名前を知らない人もきっと多いんじゃ無いかと思う。
中にはメーカーすらも知らないなんて場合も。
それと同様、車に特に興味も無い、ただの足としか考えて無いこのボブに取っては、自分の乗ってるHONDAは何者か良く分かって無いらしい。
車種さえも良く解らんと。
書類に書いてないのかと思うけど、アメリカの自動車の書類はどんなもんか知らないので何とも言えない。
日本の車検証でも車名の欄にはニッサンなりホンダなりヤマハやカワサキとしか書いてないので、似たような物なのだろうけど。
形式は明記されてるけれど、車の名前すら解らない人に取ってはただの暗号にしか過ぎない。
『オッケー、んじゃ写真送って来なさいよ、教えてあげるから』
と、メールを送ると、ブログのURLが送られて来た。
これを見ろって言うのか。
開けてみると、そこには特に興味も無いボブの笑顔が映し出されたブログが開いた。
小太りのアメリカ人のおっさんの写真なんて特に見たく無いわ。
と思いつつ、進んでみると、そこに掲載されてたのだ。
HONDAを買ったぜ!
と、お肉が躍動する生き生きしたコメントと共に、ボブの笑顔と白い小型セダンがその姿を露にした。
フロントグリルの『H』のマークが、『H』に成った白い小型セダンがその姿を露にしたのだ。
『H』マークが斜めってる白い小型セダンがその姿を露にしたのだ。
OH MY GOD
アイムソーリー ボブ、 それはホンダじゃ無いぜ。
私はその残酷な宣告を、屈託の無い笑顔で無邪気に笑うボブ(45歳)に突きつけるのだった。
アイムソーリー..ボブ....
ソノCarハ、HONDAデハ ナイデース
と。
フォルクスワーゲンがWRC撤退を決定したと、そんなニュースが飛び込んで来たのは昨日の事。
ずっと言われてたけど遂に正式発表に。
ワーゲンが撤退した程度、どうって事ないじゃないかって思うのは、ここ最近のWRCをご存知で無い方の大いなる誤解だ。
プジョーが居て、スバルが居て、三菱が居たWRCは今や昔なのだから。
現在のWRCのチームスタンディングはこんな感じ
1位 フォルクスワーゲン・モータースポーツ
2位 ヒュンダイ・モータースポーツ
3位 Mスポーツ・ワールドラリーチーム(フォード)
4位 フォルクスワーゲン・モータースポーツII
5位 ヒュンダイ・モータースポーツN 6
6位 DMACKワールドラリーチーム(フォード)
ERCやWORLD RX、アジア・パシフィックラリー等には色々とメーカーは参戦してるけど、今期のWRCのフル参戦チームはこんな具合だ。
来期は、この惨憺たるラインナップからフォルクスワーゲンが消える事と成る。
その代わり、新レギュレーションに合わせてテストを重ねるシトロエンがファクトリーで復活し、そして可変式リストラクターと言う革新技術で世界を震撼させて世間を苦笑いさせたトヨタも本格的に復活するみたい。
ヴィッツで。
ただ、伝統と格式のシトロエンが出たからと、そして世界のトヨタ様が革新技術を今度はバレないように開発したとしても、そう簡単にホイホイ勝てる程に世界は甘く無い。
と言う訳で、フォルクスワーゲンが居なく成った来期は、自動的にその位置へと登る可能性が高いだろう。
『H』が斜めってるマシンがその位置に。
それはそれで結構な事で、WRCに本腰入れて戦う姿は賞賛以外の何者でも無いのは確かな事だ。
チームが本気でWRCを戦うその姿は素晴らしいのは確かな事だ。
今や三菱には出来ない芸当なのだから。
ただこれで、世界ラリー強国とか、WRC宗主国とか、敗退した相手をラリー後進国とかと罵るその姿が見られなければそれは素晴らしいのだけど、川の水が高い所から低いところに流れるのと同じく、それが自然の摂理なので無理言っちゃダメなのよって事なんだろう。
負ければ相手とルールとジャッジを罵り、勝てばこれでもかと嘲るのは自然の摂理。
野球からサッカーからオリンピックからと、今までゲロ吐く程に散々見てきた光景だ。
何も変わらんよ、何も。
と言う訳で、プジョーとスバルの復活を切に希望したい。
シトロエンとトヨタが出てる以上、やっぱ無理かもなぁって気がしないでもないけども。
ますます暗黒の様相を見せるWRC。
来期はモリゾーの笑顔が見られるのか?
それとも『お前の車はHONDAじゃ無いぜ!』と言う現実を叩きつけられて三日三晩涙で枕を濡らしたボブに笑顔が戻るのか?
それは来年のお楽しみだ。
どんな結果が待ち受けてるか、今から覚悟しておこう。
あんたら、覚悟しぃや。
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コメント一覧
罰金付きで泣きながら撤退した現代がWRCのトップチームとは。
三星がIoTを牛耳る日も近いに違いない。
レースも家電もプロレス団体も、結局の所生き残った者の勝ちと言う事なのでしょう。
トヨタは何年本気でやり、そして生き残れるのでしょうか。、