二輪噺

奥様ライダーズ小話ブログ

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勝利のVは我が手の中に

   

 

0810bat

Alvaro Bautista

 

 

バウティスタのMotoGPデビューは、あまり覚えてないかも知れないけれど冬眠前のスズキ。
ルーキーながらファクトリーのリズラスズキに抜擢されたのだ。
時は2010年の事。

もう既に多くの人は忘れてるだろうけど、当時スズキは何を思ったのかあんまり作った事の無いV4エンジンでGPに参戦してたのだ。
マシンの名はGSVR。
GSRでは無い。
場当たり的に名前着けるから、スズキのバイクは相変わらず名前がややこしい。

ちなみにスズキが今まで作った事の有る4ストV4ってこれ↓

gv1400

GV1400カバルケード!

コンセプトや試作では有るかも知れないが、スズキが形にした4ストV4はこの2つだけ。
GSVRとカバルケードだけ。
もっとも、GSVRを開発するに当たってカバルケードはネジ一本足りとも参考にはして無いと思うけれど。

 

RGVΓ500のシャーシを生かす為V4エンジン作ったとか、なんかそんな無茶な理由が解説されてたけれど、ともかく殆ど実績の無いV4エンジンでスズキのMotoGP参戦が始まったのだ。
止せばイイのに新開発V4エンジンで。
市販車にフィードバックされる事も無いのに新開発V4エンジンで。

誰もが思った事だろう。
ヤマハやカワサキと同様に、素直に慣れ親しんだ直4で行こうよと。
未知へのチャレンジはホンダにお任せしておこうよと。

 

だが時は2010年。
2002年から始まったMotoGPクラスも、バウティスタが入った2010年に成ろうって頃には各メーカー完全に形が完成した頃合。
スズキも既にV型エンジン童貞なんて完全に卒業した程に熟成が進んだ時代。
な筈だったが、ホンダとヤマハとストーナーは話に成らない程に先に行っちゃった非情の現実を前に、スズキのバウティスタは苦戦に次ぐ苦戦を強いられる。
2年目の2011年は、カピロッ氏も居なくなりひとりぼっちと。
チーム一人じゃどうにも成らない。

 

いまいちパっとしないままスズキは『やっぱV型エンジンはアカンかったわ』と言い残し冬眠に入る。
失意のバウティスタはホンダサテライトのグレシーニへ移籍。
サテライトチームながら最強のV4マシンのRC213Vを駆り、ロレンソを物理的に撃墜したりしながら何度か表彰台を登る活躍を魅せる。
初年度はランキング5位、翌年度はランキング6位と好成績。

だが、人と違うブレーキと人と違うショックアブソーバーに苦戦したからか、次第に後ろの方でこっそり走ってひっそりレースを終えるのが常となる。
イタリアGPの1周目1コーナーでロッシを物理的に撃墜した時を除いて大して注目される事も無くなり、グレシーニのチームごとアプリリアへ移籍する。

 

2015年、またしても新たなアプリリアのⅤ4マシンを得たバウティスタ。
チームはグレシーニながらも実質ファクトリーライダーと成り扱いは格段にアップする。

チーム共々、ホンダサテライト時代の冷遇なんて過去の話だ。
トラウマフォークもトラウマブレーキももう過去のもの。
僕、オーリンズ使ってイイんだね、ブレンボ使ってイイんだね。

だが開発途上のマシンでの成績はお世辞にもグッドリザルトとは言いがたい現実。
ブレーキやフォークに悩んでた頃なんてとても幸せだったんだと懐かしんでも時は既にお寿司。
正直、超スマンかったってくらいに話に成らない。

バウティスタのキャリアを磨り減らした甲斐も有り、エスパルお兄ちゃんの頑張りと共に今やアプリリアもそこそこ速くなったが、正直、当時のアプリリアは本当に遅かった。
あの頃のアプリリアは本当に遅かった。
うすら遅かった。

当時、特に初年度の前半戦にバウティスタの乗ってたマシンは、SBKに毛が生えた程度のレベル。
MotoGPレベルには達してない、本当にスマンかったなレベル。
派手なカラーリングのバイクに乗りながら地味な成績に沈み、そしてエスパルお兄ちゃんの加入と入れ替わってグレシーニ・アプリリアから放出。
250cc時代以来と成る古巣アスパーへと舞い戻る。

 

その出戻りアスパーで、またしても新たなるV4マシンを手に入れる。
スズキ、ホンダ、アプリリアに次ぐ4機目のV4マシンを手に入れる。
今度は信頼と実績のドゥカティサテライトマシン。
と言っても2年落ちと言う中古の中古。
カーセンサーで言えば1桁万円台の中古車だが、それでもみんなと同じマシンで有る安心感を得たバウティスタは、伸び伸びとその才能を花開かせるのだった。

やっぱ多数派はイイもんだ。
本当にマイノリティだったスズキ時代、そして足回りがマイノリティだったホンダ時代、存在自体がマイノリティだったアプリリア時代を経て、やっとマジョリティの仲間入りを果たす。
やっぱ多数派はイイもんだ。

パっとしない一人ぼっちのスズキから、一人ぼっちでセッティングデータの無いパーツ使わされたホンダから、似たような境遇のブラドルと傷を舐めあいながら右も左も解らない開発中のアプリリアを経て、やっとこさトップ4の後ろ位で確実に戦えるマシンを、みんなと同じようなレベルのマシンを得たのだ。
もう随分遅かった気がしないでも無いのだけれども。

 

残念ながら最後のV4マシン=KTMのRC16には乗る事は出来ず悲願のV型エンジングランドスラムは達成できなかったが、来期からは新天地のSBKがバウティスタの戦いの場と成る。
マシンは勿論V4エンジン。
頑ななまでにV4エンジン。
直4に乗ったら死ぬんじゃ無いかってレベルで今回もV4エンジン。
装いも新たにしたニューマシン、パニガーレV4で戦う。

 

現実的に今期のmotoGPで勝利を手にするのは難しい。
だが、右も左も不透明なニューマシン初年度とは言えど、来期のバウティスタは勝利を手にするのは決して不可能では無い。
今を遡る10年前、VツインエンジンでGP250を走ってた頃以来の勝利を手にする事も。
エンジンのVに加え、VictoryのVをも手にする事も決して不可能では無い。

 

勝利のVはバウティスタの手の中に。
その節にはAlvaro Vautistaと改名してあげたい、そんな気分だ。

 

 



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