ガソリンタンクの錆び落とししながら出羽守は長々とかく語りき-後編

タンクの錆び取りは簡単なんだけど、錆び取り後の洗浄はとても重要だよ。
って話の続き。

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タンククリーナーを使う場合、使用方法は裏面にちゃんと書かれてるのでそれを遵守していただけたら失敗は無い。
自己流で薄めたら効果は少ないのはそりゃ当たり前な話。

タンクは別に口を開けてても問題無いのだけど、クリーナーを入れてゆっさゆっさするなら、お風呂の栓でも突っ込んでおけば良いかと。
コーナンプロ等の、ちょいマニアックなホームセンターに行ったら山ほど売ってるのでどれかが適合する筈。

なお、タンククリーナーが触れた後、空気中に長時間晒されると錆びるので、タンクの口ギリギリまでタンククリーナーを満たしてやるのが基本。

 

タンククリーナーで適正に希釈して、適正時間放置してたら錆なんて綺麗に落ちる。
程度にもよるのだけど。

だが、最も重要なのはこれから。
錆の再発を如何に防ぐのかがとても重要なポイントだ。

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タンククリーナーを抜いたら直ぐにタンク内を洗い流す必要が有る。
ここでも使うのはサンエスK-1。
水洗いはせずにサンエスK-1を溶かした水溶液をタンクに入れて、ひたすらシェイクして洗浄する。
そりゃもうせっせせっせと振り回して。
かなりの重労働だけど頑張り所。
体中が筋肉痛でバッキバキに成るけれど、ココが大事な頑張り所だ。
特にダブルクレードルフレーム等のバイクの両サイドの下部がモッコリしたタンクは錆びの粉が抜け難いので、頑張って頑張ってシェイクしまくって綺麗に洗浄しよう。

何度も新しい液を入れながら、せっせとシェイクしまくって、廃液が綺麗に成るまで、そして錆びの粉が出なくなるまでひたすら続ける。
ツインスパーフレームのバイクみたいに底がツルペタなタンクなら簡単だけど、ネイキッドやトレールバイクなんかの下半身モッコリタンクは中々に大変。
だけどここが頑張り所だ。
錆再発の原因と成る錆粉をキッチリと洗い流そう。

 

なお、ホースを突っ込んで流水で洗い流してやれば体力使わなくても簡単に綺麗に成るのだけど、前にも書いたように真水は使わない方が良い。
りん酸で錆び取り処理したタンクはりん酸皮膜が形成されるとは言っても、メッキしてる訳でも樹脂でコーティングしてる訳でも無いので、ぶっちゃけただの気休めに過ぎない。
錆取り直後の金属表面はやっぱり錆びやすい状態と成っている。
そこに真水を入れると、場合によってはあっという間に錆びたりする。
タンクの錆び取りしたけど直ぐに錆びたぞ!って場合、コレが原因な事が多い。
ヘイ、そこのユー!もしかして真水で洗わなかったかい?

 

タンククリーナーの種類や作業時間、またタンクの状態によって差は有るのだろうけど、錆び取り直後は錆びやすいのは仕方ない事で。
だから、比較的その錆びの再発生を抑えられるリン酸系タンククリーナーで錆取りし、クリーニング後はアルカリ性の洗剤で洗おうって作戦。
中性洗剤では無くアルカリ性の洗剤で洗浄するのは、傾向的にアルカリ性は金属を錆びさせ難いのがその理由だ。

アルカリ性の洗剤ならマジックリンでも重曹でも何だって構わないと思うけれど、防錆剤配合とされているサンエスK-1を私は使ってるって訳。
まぁ...これでも錆びるんだけどね。
真水よりは錆び難いってだけで錆びるもんは錆びる。
昔、防錆剤配合だよって話を鵜呑みにして鉄製のパーツ洗浄台を粗大ゴミにした人が居るので、まぁ何事も鵜呑みにするのは程ほどが良さそうだと思う。

 

なお、希釈したりん酸がちょっとだけ残ったタンクに水酸化ナトリウムの水溶液を混ぜた所で毒ガスは発生しないので心配は無用だ。
締め切った室内でサンポールに硫黄系入浴剤を混ぜるのはなんとなく止めた方が良い気はするけれど、水で溶いたサンエスK-1なら心配は無用。
りん酸の試薬に水酸化ナトリウムを混ぜてもNa₃PO₄(リン酸三ナトリウム)と3H2Oしか生まれないので、特に心配する事は無い。
そもそもサンエスK-1が水酸化ナトリウムなのかどうなのかって根本的な所はあやふやなので適当な話なんだけど。
まぁ、私も生きてるから大丈夫だよ。
多分。

 

サンエスK-1水溶液をタンクに入れてシェイクして洗浄して排出。
それを何度か繰り返し、タンクからの廃液が綺麗に成ったら、最後もやっぱり真水で洗い流さないでウエスを突っ込んで水気を拭き取る。
サンエスK-1は水で洗い流さないで拭き取るのが重要。
真水で洗い流したらまた錆びるので要注意だ。

泡なんて気にしないでペーパーウエスを丸めてタンクに入れて、シェイクしてやれば有る程度水気は拭き取れる。
泡なんて気にしなくて大丈夫。
ヨーロッパでは食器を洗っても洗剤の泡を洗い流さない、なんて人も珍しくないのだから。
シャボンの風呂上りに、泡を洗い流さないでバスローブ着るセクシーシーンも昔のアメリカ映画ではお馴染みの光景なのだから。
ではではではではと煩いけれど、ガソリンタンクの泡くらいではどうって事は無いさ。

 

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水気が有る程度拭き取れれば、灯油か軽油を入れてシェイクしてしつこく残った水気を洗い流して、最後にガソリンをちょっと入れて漱いだ後、それでもしつこく残ってるかも知れない水分をエアで急速乾燥させたら直ぐにガソリン満タン。
水気が残ってると錆びるので、ここは確実に水分を除去しよう。

サンエスK-1での洗浄後~水分の除去~ガソリン満タンまでの流れは出来るだけ早く作業を終えるのがキモ。
ぐずぐずしてるとまた錆びるので出来るだけお早めに。
早くしろ!間に合わなくなっても知らんぞ!と言う事で。

これで錆びの再発は最小限に抑えられる筈。
多分。

 

要約すると

1.  サンエスK-1で脱脂洗浄をキッチリと行う

2. リン酸系タンククリーナーを説明書通りに使う

3. 錆び取り後は真水は使わないでサンエスK-1水溶液で行う

4. 真水ですすいだりせずに手早くさっさと乾かしてガソリン満タンしておく

と、大体4行で終わってしまう、簡単なお話だ。
ああ、とても簡単な話だね。

 

なお、直ぐに使わないタンクなら、灯油とエンジンオイルを適当に混ぜてシェイクして表面保護しておこう。
でも使用前には、ガソリンで内部のオイルを綺麗に洗浄するのをお忘れなく。
そうじゃないと、2ストみたいに白煙吹くので要注意だ。

 

ではでは、体中がバッキバキに謎の筋肉痛なので今回はこの辺りで。
早く全てのバイクのガソリンタンクが錆びないように成らないものかと切に願う。
流石にCBRやCRFみたいなチタンとは言わないけれど、せめてステンレスのインナータンク式に成らないっすかねと。
切に願う。

MOTOR CYCLE

Posted by tommy