遂に結末を迎えたO´Nealのヘルメットとツアークロスの話

CRASHでのツアークロスのテスト結果が低い話。

前回、ABSシェルに比べてFRPシェルはテストにはちょっと不利に成る事も有る。
シェル自体の衝撃吸収性はABSの方が高いから、低速域では少し有利に成る。
それは確かなんだけど、でも、フルフェイスのフラッグシップモデルはちゃんと良好な結果を残してるんだよ。
と言う話を書いた。

じゃぁツアークロス(オーストラリア名XD)のテスト結果が低いのは?
シールド付きオフロードヘルメット、と言うデザインが悪かったのか?
と、もしかしたらこの期に及んでまだそんな事を思うかも知れないが、ツアークロスと同デザインのシールド付きオフロードヘルメットでは、Shoei Hornet DSが71.10点、AGV AX-8 Dual Evoが同じく71.10点と高い得点を残す。
シェルはHornetがツアークロスと同じくガラス繊維強化樹脂=GFRP、AX-8 Dual EvoはSSLと呼ばれるグラス-アラミド-カーボンのコンポジット。
ツアークロスと同じデザインで、同じくカッチカチのシェルを持つこれらのヘルメットは、実はツアークロス(XD4)よりも随分と高い得点をマークしている。
それが現実だ。
認めたく無いが、下唇をグッと噛んで認めよう。
その無慈悲な現実を。

 

繰り返しに成るけれど、これはあくまでCRASH(Consumer Rating and Assessment of Safety Helmets)でのテスト結果。
この結果がそのまま実際の安全性を指し示している訳では無い。
上から鉄の球を落とすのと、実際に人間が飛んでいくのとでは、状況は余りに異なるのだから。
実際に車や壁に突っ込んだ時の安全性なんて、結局は実際に車や壁に突っ込んでみなきゃ解らない。
本当にガラス繊維強化樹脂シェルのアライより、ABSシェルの1万円のヘルメットの方が安全性が高いなんて信じがたい結果に成るのかどうかは解らない。
だが、SHARPやこのCRASHの他に客観的なデータは存在しないのもまた事実。
あーだのこーだの言った所で、客観的なデータは他に無いのもまた事実なのだから。

ここまでやるのは中々大変だ。

 

テストはあくまでテスト。
鉄の文鎮を落とすだけの非現実的なテスト結果なんて関係無いさ、だってアライは世界最高なのだからと、特に根拠は無くそう思うのも自由。
いやいや、テストは勿論重要っすよ、だってこれ以外に裏付けられるデータなんて無いんだからと考えるのもそりゃ自由だ。
これらの結果をどう踏まえるのか、それは全てアナタ次第だよ。

あ、一応書いておく。
O´NealのABS樹脂のヘルメットって意外とテストでは好結果だったよと書いてるけれど、その当のO´Nealの本気のモトクロス用ヘルメット=10シリーズはカーボンかガラス繊維強化樹脂だったりする。
結局、それが正義な事は揺ぎ無い事実でもある。
アライやショウエイが頑なにこだわるガラス繊維強化熱硬化樹脂が正義な事は揺るぎの無い事実。
だって、ABS(笑)なんてねぇ。

 

 

私がヘルメットに求めるのは、それを被ってて諦めれるか否かだろうと考えている。
普段はRX-7Xを被ってるのだけど、これでダメなら仕方無いと考えている。
考えられる限り、最も安全で最も信頼出来るだろうヘルメット被っててダメならそら仕方無いわと。

公道においては何を被っててもやっぱりダメな場合も十分にありえる。
と言うか、ヘルメットの安全性なんて常識的なスピードの範囲内なら、ぶっちゃけ、あんまり関係無い。
常識的なスピードの範囲内ならば、モーターサイクル用フルフェイスであご紐をしっかりと締めておけば、RX-7Xだろうとホームセンターで売ってるABS製の6800円のフルフェイスでも大した違いは無いだろう。
助かる時は助かるし、ダメな時はスマンかったな結果に大した違いは無い。

顔面~アゴのガードが無いのと、転んだ衝撃で脱げる被り方、或いは樹脂クリップで顎ひもをカッチンして留めるチャチな構造は論外として、結局ヘルメットの安全性なんてのは高速道路で単独転倒した時くらいしかあんまり関係無いと思う。
挟まれたり踏まれたりしたら何を被ってようと一緒だしね。
100km/hで単独転倒した際は、ヘルメットの性能差が生死を分ける決定的な差と成るかも知れないけれども。

 

そんな事は重々承知した上で6万円近くするヘルメットを被ってるのは、もしかしたら幾らかの確率でヘルメットの品質が明暗を分けるかも知れないから。
結局そんな事は無いのかも知れない。
でも、もし私が転倒して、命の灯が消えようとした事態に陥った場合、6800円のヘルメットを被ってたらきっと大いに後悔すると思う。
RX-7Xだったらもしかしたら助かったんじゃ無いかと、ホームセンターで買った6800円のヘルメットの中でそんな事を後悔すると思う。
結局は何を被ってようとダメだったとしても、気持ちの上では随分違うもんだよ。
結果は一緒だったとしてもね。

これがRX-7Xなら諦めも着くと思う。
RX-7Xで助からないなら、何被ってようが結果はきっと一緒だったよと、潔く三途の川を渡ってやるさ。
セローで。

 

結局は何を被ってようと結果に違いは無いのかも知れない。
でも気持ちの上では大いに違いは有るので、これからもアライのフラッグシップモデル(ただしカーボンは除く)を被り続けるだろうと思う。
カーボンは....ちと高いな。

でもツアークロスからオニールちゃんに換えるのは....
正直、どうしようかなぁ。
もうちょっと考えるわ。

と言う訳で、5回に渡ったこのうんざりする位に長い話は、やっぱもうちょい先延ばしにするわと言う絶望的な結末を迎えるのだった。
うん、もうちょい考える。

いやぁ、こんな話に着地、と言うか墜落してまことにスマンかった。

 

MOTOR CYCLE

Posted by tommy