額面通りで会いましょう

例えばこんな文章

不採用通知のテンプレート・Word

 

無料のビジネス書類テンプレートに掲載される、一部の人に取っては身の毛もよだつ手紙。
ある種の恐怖新聞みたいな恐怖レター。
まぁ、でもこんなお手紙、生きてりゃ一回や二回は貰うもんさ。
私だって、浜松に有る某発動機様よりこのようなお手紙を貰った苦い経験も有るのだから。
いやぁ、苦かった。
まだ社会経験の無いガキだったあの頃の私にはその現実を飲み込むには余りに苦かった。
こんな苦いの、ゴックンなんて出来ないよ、アタシ。
と、そんなイモ臭い小芝居したく成る程、苦かった。

 

ともかく、いわゆるお祈りメール、お祈りレターって奴を貰った人は沢山居るとは思うのだけど、この例文のように明確に不採用だと直接的な表現が成されない場合が多い。
赤い大きなスタンプで『不採用』と捺されてたら解りやすいんだけど、曖昧な表現を好む日本の風土には余りに解りやすい表現は好まれない。
解りやすく、一切の誤解を生じる隙も無い、明確で非常に短い端的な一文だが、こんなの貰ったらショックが余りに大きいな。
少ない文字数で正確に伝わる事こそが最も重要視されるビジネス文書と言えど、この一行で済ますのはちょっと根性が居るだろう。
『不採用\(^o^)/』
文字だけではトゲトゲしいので、ちょっと表現をソフトにしようかと顔文字なんか入れたところで逆効果だ。
下手したら刺されかねない。
やっぱり若干回りくどいけれど当たり障り無い文章を送るのが無難なのだろうと思う。

ただ、不採用で有る事を伝える表現として『ご希望に沿いかねる』とか『ご要望にお答えできない』なんて書くと、中にはこの類の文章を一字一句額面通りに受け取って、希望を変えたらワンチャン有るのか?とか、ちょっと要望変えたら一発採用もアリなんじゃ無いの?とポジティブに考える人が確実に存在する。
だから、採用担当者はこのメールを送った後もまだ仕事は残ってるのだ。
ちゃんと意味を理解してくれない人を如何に穏便にご納得頂くかと言う事を。

以前勤めてた会社で割と仲良かった人に、その時期に成ると胃の痛い毎日を過ごしてる人が居た。
採用ってのは、される側に取っては人生を大きく左右する重大な事だけど、それを判断する側に取っても中々神経をすり減らす大変な作業なのだ。
人の人生を大きく左右しかねない作業だから。
真っ当な人で有れば大体は消耗してしまうのは必定って奴。
一部の歪んだメンタルの人に取っては、ハナクソほじりながら他人の人生を左右出来るのが楽しくて仕方無いのかも知れないけれど。
歪んでるわ。
もうウネウネですわ。

 

文末。
この手紙やメールをお祈りメールと言われる所以は、その文末に有る。
大体の場合において、採用担当者は不採用通知を送る相手には、文末にて今後の活躍をお祈りする。
具体的にどのようにお祈りしてるのかは知らないけれど、頭のハチマキにロウソク挿しながらか、尻に下仁田ネギを突っ込みながらなのかは知らないけど、ともかく全員にお祈りする。
言葉の意味は良く解らんが、とにかく今後の活躍をお祈りしまくっちゃう。

ある種の様式美って奴で、最後はお祈りしてシメるのが一つの形。
アンダーテイカーがフォールを決める時に白目を剥くのと同じ。
別に大した意味は無い。
只の様式美だ。

アンダーテイカーがどさくさに紛れてスモールパッケージで固めるのはやっぱりピンと来ないからね。
3カウントを取るならば、ツームストーンかラストライドで沈めて、ゆっくりと相手の両手を折りたたんで、正面を向いてクワァ!っと白目を剥くのがやはり正しいスタイルだ。
それと同様。
不採用で有る事が正確に伝えれたら別に他に何も書く必要は無いのだが、やっぱり何も書かないのは心もとない。
かと言って『まぁスッポンでも食って元気出せよ』なんて事も書けないので、お祈りしておくのが一番無難なのだろう。
どうお祈りしてくれてるのかは知らないけれど。

ただ、自身が不採用で有る事は理解しているが、文末のお祈りに高反応を示す人が珍しくないそうで。
だから『心配頂いて有難う御座います!これからも就職活動頑張ります!』と、不採用通知を送った採用担当者の心をエグるようなメールを送りつけてくる。
否、別に何もお祈りしてないですよ、なんて事は言えないので、大体はスルーされるのだろうけど。
返答に困ってしまうものね。
そんな事言われても。

スルーされてすんなりと終わればまだ良いのだけど、時にはその後も近況報告を送ってくる人が何年かに一人くらいは居るそうで。
何処そこの面接を受けに行くとか、面接受けたけどダメだったとか、そんなご報告を。
否、別にちょっともお祈りしてないですよ、なんて事は今更言えないので、大体は非常に困ってしまう。
そんな事を報告されても困ってしまうし、なんかちょっと怖いんですけど、って。

 

世の中には発言の全て、書かれてる事の全てをそのまんま受け取ってしまう人が居る。
そのまんま受け取るだけならまだしも、自分に都合良く受け取ってしまう人が居る。
だから安易に人の人生に取ってのご多幸とご活躍をお祈りするべきでは無いのかも知れないのだけど、だからと『スマンかったな』の一言で済ます訳にも行かないので、人にモノを伝える、それも伝え難い事を伝えるってのは難しいもんだと、そう思う訳だ。
どちらも皆様ご苦労様。

 

私のメールアドレス宛には、毎日多くのスパムメールが届く。
今年に成ってちょっと減ったかな、って気もするけれど、新年の休みが明けたらまた増えるのかな。
どうだろう。

大体毎日届くのは、URLがあやふやなカード会社からのご連絡。
不正利用が有ったとか、或いは不正利用を防止する為だとか、って。
そんな、カード不正利用の注意喚起しながら自身が不正利用する気満々なメール。

或いはアマゾン。
AMAZONの差出人名で届く、カード情報に不備が有るからこのままならアカウントがロックされるよってメール。

実際の所、別にプライム会員が更新出来なくてロックされても、プライムビデオが見れなく成るだけでどうって事は無い話な訳で。
見たきゃ、また直ぐに入り直せば良いだけの事だしね。
ふだからぶっちゃけ、そんな大騒ぎしなくたって話だったりする。
それでもそのメールが気に成るならメールのヘッダーを見るか、或いはアマゾンのアカウントサービス > メッセージセンターを見れば良いので、気に成る人はその辺をご確認を。

私の言う事も含めて何を信じるのも何を信じないのも結局は自由なのだけど、これに関してはあんまり額面通りに受け取らない方がイイんじゃないかな、とは思う。

 

AMAZONとやらのメールを額面通りに受け取るとどうなるのかは、実際に試した事は無いので定かでは無いのだけど、これの場合も、もし額面通りに受け取ったらどうなるんだろうと思う。

BUY 2 GET 1 FREE NEW ORIGINAL 2020 Yamaha-s YZF-R1M

BUY 2 GET 1 FREEとは、2つ買ったら1つはタダって事。
つまり、63,043円で、2020年型R1Mが2台も買えるって事だ。
凄いね。
下の方を見たら、250cc Max. Speed: 80km/h等と不穏当な事が書かれてるけれども。
もう何が何やら。

 

残念ながらこの口車に乗ってみる根性は持ち合わせて無いのだけど、興味のある人は....
ああ、やっぱ止めといた方が良さそうだね。
お互いに、額面通りでお会いするのは止めた方が良さそうだ。

 

MOTOR CYCLE

Posted by tommy