数や量は大事だが多ければ多いほど良い訳でも無い

バイク整備で使う工具は、もっとも重要なのは数であると私は考える。
ドズルも兄貴に言ったように、やっぱ数が大事やでと。

工具には精度は大事、耐久性も大事、眺めてるだけで満たされる美しさも重要かも知れない。
でも、少なくとも一定の物量に達するまでは、何より頭数を増やすのがより正しい道だろうと。

 

例えばネプロスのソケットレンチセット。

ラチェットレンチとスピンナハンドル、スタンダードソケットとディープソケットのセット。
お値段はこんな所。

京都機械工具(KTC) ソケットレンチセット ネプロス NTB3X26AZ 差込角:9.5mm ケース付 26点 1セット

新品価格
¥74,437から
(2021/1/2 00:19時点)

概ね7万円くらい。
安い所で6万円くらいかな。
まぁ何にしろ、結構高い。
結構、と言うかすっごい高い。

勿論、高いとは言っても7万円。
パテックフィリップの高級腕時計や、フェラーリSF90ストラダーレやB2ステルス爆撃機を買う事を考えたら容易い金額。
国が定める最低賃金をクリアして普通に税金を払ってる人なら普通に買える額では有るのだけど、収入における捻出可能な消費支出については大いに個人差が生じる部分では有る。
税金や社会保険料を除く収入の全てを工具に注ぎ込める人ならば、それこそ社会人1年目の若者でも毎月ネプロスのラチェットレンチセットを買っても全然平気なのだが、所帯を持ち家族を養う立場と成ればそうも行かないのが現実だ。
毎月買っても仕方無いんだけど。

家のローンに、自動車に、子供2人の私立大学への進学に、会社での付き合いのゴルフに....
と、金は節操無くどんどん出て行く一方なので、働けど働けど工具は中々充実しないのが悲しいかな現実って奴だ。
それでも唯一無二の趣味が工具集めならどうにか成るのだろうけど、通常は用事も無いのに工具を集めたりはあんまりしないので、その工具を使う対象、つまりは車やバイクを所有している筈。
そっちに金を掛けるのが本筋なので、予算に限りが有るんだらそう簡単にネプロスに手は出し難い。
バイクが壊れてるのに、パーツ買わないで5本目の高級ラチェットレンチを買うのは正しい行いとは言えない。
それは、金の使いどころが間違ってると思うな。

さらに継続的に金の掛かる趣味、例えばサーキットでのリッターSSでのスポーツ走行だったり、ウォータークラフト(水上バイク)だったり、或いは磯釣りだったりの趣味も持ってたらもう大変。
お小遣いなんて幾ら有っても足りやしない。
毎週走りに行く訳では無いにしても、それでも趣味はサーキット走行だと言える位に走ってるなら、少なくとも2ヶ月に1回はタイヤ交換すると思う。
場合によってはそれ以上有るかも。
サーキットを気持良く走るタイヤなら、前後で大体7万円くらい。
さらに、ガソリンにオイルにブレーキパッドに....
サーキットの走行費用は勿論、そのバイクを運搬する自動車のコストも掛かって来る。
もう大変だ。

そんな、2ヶ月で最低10万円くらいをサーキット走行に注ぎ込んでる人が、さらに住宅ローンを抱えながら、私立大学入学を控えた子供が2人居て、月に一度はゴルフに付き合って、ついでに数千円も掛けて磯に渡ってさらに数千円分の撒き餌を撒く磯釣りの趣味も持ってたら、ハッキリ言って普通の所得ではネプロス様を買い揃えるのはちょっとしんどい。
お賽銭を海に撒くような行為やってんだからもう大変ですわ。

だから、金の使いどころがネプロスにしか無いのならまだしも、毎月の出費がゴルフ用のお洒落ポロシャツから大量のオキアミから1つ1万円のブレーキパッドや前後7万円のタイヤや一眼レフ用の高級レンズまでの多岐に渡る人なら、その上さらにネプロス様を揃えるのはちょっとしんどい話だ。
それ以前に、自分の生活を省みるのが先決かも知れない。

したがって、とりあえず必要な工具を一通り揃うまでは、普及価格の工具、或いはもっと言えばダイソーの100円レンチでも別に構わないと思う。
100円のコンビレンチなんて....って思うかも知れないけれど、これが意外とバカに出来ない。
リングレンチ側はともかく、オープンエンド側に関しては一般的なブランド工具と使用に関しては大差は無い。

トルクを掛けるリングレンチ側はともかく、通常は供回りを防ぐ為、左手で添えるだけの使い方をするオープンエンド=要するにスパナなんて何だって構わないと思う。
だからと100円工具をお勧めする訳じゃ無いけども、意外とバカには出来ないもんだよ。
リングレンチやドライバーは激しく後悔するかも知れないけれども。

 

工具界の花形と言えばやっぱりソケットレンチ。
ちょっと手持ち工具が増えてきたら口を尖がらせてTレンチの有用性を語ったりしがちだけど、何だのかんだの言って世間様でのハンドツールの花形はソケットレンチだ。

そんな華やかなソケットレンチの世界。
安心価格で痒い所に手が届く僕らのストレートは、ソケットがやたら充実してる事でも良く知られる。
現在のラインナップは、超ショート、スタンダード、セミディープ、ディープ、エクストラディープの5種類。

違いはソケット部分の深さ。
奥まった狭い所にボルトが刺さってるエンジンのカバー類や、或いはやたら長いボルトが飛び出してるナットを相手にする場合、ディープソケットを使う。
スタンダードなソケットが使えない場面でも、ディープソケットさえ有れば乗り越えられる場合が多い。
じゃぁディープソケットだけでイイんじゃ無いの?って思うかも知れないが、特に小さいナットやボルトは斜めにズレやすいので、出来るだけ浅いソケットの方が使い易い。
だから、一見ディープソケットが必要かな?って場面でも、一応はスタンダードソケットを合わせてみるのがお勧めだ。
スタンダードソケットの方が断然力は入れやすいし、使い易い。
プラス(フィリップス)ビスはサイズに迷ったら大きいドライバーから試すのと同様、ソケットもスタンダードから試すのが基本。
スタンダードで届かないなら、セミディープ、またはディープへと持ち換えるのが、トラブルを未然に防ぐ正しい道だろう。

ただ、これらの工具を揃え出したら、ツールチェストの中があっという間にパンパンに成ってしまう。
チェストがパンパンに成った人は、置き場さえ有れば程なくツールキャビネットを導入してしまうのだが、1年もしたらそれも一杯に成ってしまう。
困ったもんだ。

 

ちなみに、日本製バイクでは非常に使う機会の多い10mm/12mm/14mmのソケットは、私の場合はこんなラインナップを一軍ツールとして使ってる。

・3/8Dr.のスタンダードが3~4つ
・3/8Dr.セミディープ
・3/8Dr.ディープ
・1/2Dr.スタンダード
・3/8Dr.スタンダードインパクト
・1/2Dr.スタンダードインパクト
・1/2Dr.ディープインパクト

買って以来一度も使ってないソケットも、昨今ほぼ出番の無くなった1/4Dr.も合わせたらまだちらほらあるけれど、主に使うソケットでも7種類、10個くらいの数が有る。
勿論、阿修羅マンじゃ無いのでこんなに全部一度に使う訳では無いけれど、最も使用頻度の高い12mmのスタンダードソケットは3~4個とも一度に使う場合が多い。
なんでこんなに要るのかと思うけれど、結局やっぱり要るんだよねとも思ってしまう。

スタンダードが一杯有るのは、スタビーラチェット、スピンナハンドル、スタンダードラチェット、エクステンションの4つに使うから。
通常は、スタビーラチェット用とスピンナハンドル用、そしてエクステンションを差した状態の3つを手元のワゴンに用意して居る。
ラチェットとスピンナ(ブレーカーバー)は頻繁に持ち換えるので、複数の同サイズソケットを持ってたら差し替える手間は要らないので便利だ。
エクステンションは、予め良く使う10mm、12mm、14mmの3つのソケットに差しっぱなしの状態で用意しておけば、必要な際に直ぐにエクステンション付きのソケットが使えるので便利。
これを用意してないと、プッシュリリースの無いエクステションからのソケットの着脱と言う、オイリー環境ではちょっとやりにくい一手間が必要と成る。
エクステンションを差しっぱなしなら、プッシュリリースで直ぐ交換できるから便利なんだよ。
難点は、工具が一杯居るって事。
それがちょっとした難点。
スタビレーのプッシュリリース付きエクステンションが有れば解決するんだけどね。
ちょい高いけど。

そんな訳でソケット一つとってもやたらめったらと数が必要なのだけど、1/2Dr.ディープインパクトに関しては、ゼファー1100のシリンダーヘッドを外した時しか使った事は無かったりする。
後にも先にもそれっきり。
まぁ工具では良く有るこった。

 

工具は沢山必要だ。
リングレンチ一つとっても、オフセットのちょっとした違いが場合によって使いやすくも使いにくくも成ってしまう。
だから工具は沢山有るに越した事は無い。
それに、特にハーレーを扱うならインチ工具も避けて通れない問題。
1/2インチは13mmで大体はどうにか成るんだけど、やっぱり1/2インチの場所には1/2インチを使いたいのが筋って奴。
気分だよ気分。
同じくインチ工具が必要な旧ミニは、A型エンジンの腰下の何処かにBSインチが残ってるって話だけど、私の乗ってたローバー時代の1.3キャブクーパーでは、少なくとも私が手を入れた範囲、吸排気~ヘッド周りにはBSインチは無かったと思う。
普通に手に入るインチ工具で事は足りたと思うな。
もはや記憶なんて抜け去ってるので曖昧なんだけど。
ただ、中古車は色々混じってるので中々に大変なんだよね。
私のミニも中古車だったので、インチもミリも、フィリップスビスもポジドライブも色々混じってた。
ボルトを抜こうと思ってもどうにも合わないレンチを手に、先っちょがどうにもこうにも合わないドライバーを手に、私はその時に思ったもんだ。
統一規格は大事なんだと。
せめて、一台の車の中では統一してくれないもんかねと。

以前、ビューエルなんて面倒臭そうなバイクを唐突に買っちゃった人が居た。
何が面倒だって、そりゃ工具をまたせっせと揃えなきゃ成らないって事。
ミリサイズの工具でもどうにか成る場合も有るのだけど、やっぱりビューエルにはインチサイズの工具を揃えてやりたい。
これまたミリサイズも時々出て来るので面倒なんだけど。

ただ、お世辞にも整理整頓が出来る人では無かったので、頻繁にしっちゃかめっちゃかに成ってた。
インチはインチだけでそこに統一しておけばいいじゃんかと、余ってた安いチェストを一個あげたのだけど、気付いたら1/2Dr.のミリサイズと3/8Dr.のインチサイズのソケットが一つの所に混在する有様。
使う度に、紅茶の美味しい喫茶店のように2つのチェストの間をインチサイズのソケットが行ったり来たりするので、そのうちに何が何だか解らなくなってしまうのだ。
困ったもんだ。

 

工具は沢山必要だ。
あれやこれやと沢山有るに越した事は無い。
だが、これもやっぱり限度は有って、余りにも増えすぎるとこれまた困った事に成っちゃう。
ハーレーと、その他のバイクとを複数持ってたら仕方無いのだけど、まぁ要するにちゃんと整理整頓しようってこった。
ディスカバリーチャンネルでお馴染みの、ヒグマみたいなハーレーカスタム屋の親父も何時も言ってたように。

 

と言う、長い長い前振りを経て、本日のお話で私が本当に言いたかったのはコレ。

昨シーズンは雪が無くてスキーに行けなかったんだけど、今年はちょっと多すぎないかい?って事。
普段雪なんてサッパリ知らない身。
4WDでスタッドレスは履いてるものの、それでも雪なんてサッパリと不慣れな事に違いは無い。
生まれ育った京都は、チラっと雪は降るけれど、それでも積雪ってレベルでは無いからね。
ご近所界隈の人間関係はツンドラ状態に冷え切ってたけど、それでも雪なんて殆ど積もらない。
今住んでる兵庫県南部なんて尚更の事だ。
積雪やアイスバーンを走るのは滅茶苦茶怖い。
生まれたてのバンビか、死にたてのゾンビか、ってくらいに足元はおっかなびっくりですわ。

 

今年は凄いね。
琵琶湖の北側でさえももう真っ白け。
雪が無いのは非常に困った事だけど、有りすぎるのもそれはそれでなぁ。
余りに多すぎるのも、また困ったもんだよね。
と言うだけのお話。
こんなに積もったら運転なんて出来ないっすよって。

まぁ、工具もスキー場の雪も無いよりはマシなんだけどね。
そらそうよ。

 

MOTOR CYCLE

Posted by TOMMY