KTMの純正部品は、MonotaROで買えます

海外製バイクを所有するに当たって、大きな懸念の一つは部品の供給。

その昔にRGVΓに関するウェブサイトを作ってた事が有る。
随分昔の話だけど。

RGVΓには大きくは3種類有って、私が主に関わってたのがVJ21Aと呼ばれる第一世代。
88年~89年型。
その後、1990年にモデルチェンジしたのがVJ22A。
ホイールは前後17インチに成り、右二本出しチャンバーや湾曲スイングアームに倒立フォークと、かなり豪華な仕様と生まれ変わった。
これで宿敵のNSRに勝てるように成った....かどうかの判断はお任せするけれど、ともかく凄く豪華に成った。

そんな豪華仕様のVJ22Aのエンジンを使ってイタリアで開発されたのがアプリリアのRS250。
エンジンは22A国内仕様からモデファイされ、足やボディもさらに豪華にバージョンアップされたこのバイクは、同年代の国内仕様GSX-R750に近い70PSオーバーを叩き出す。
ソアヴェを飲み過ぎた酔っ払いが作ったのかと思えるイカれバイクだ。

同じ人が筑波サーキットでVJ23Aと乗り比べたらどっちが速いかは何とも言えない所だけど、感覚的には圧倒的にアプリリアが速い。
速くてデカくて怖い。
やたらデカかったRGVΓも23Aはコンパクト化され、乗りやすさを重視された最終世代の国内2ストV2、とは比べるまでも無いくらいにデカ怖い。
996にしてもこのRS250にしてもつくづく思うわ。
イタ車には私は合わんわと。

 

だが、この強烈な個性のイタリアンにガッチリ合ってしまう人も少なくなく、同じ系統のエンジンを積んでる者同士イタリアンに魅せられたRS250のオーナーさんと懇意にしてたのだが、ある日そのRS250にとても困った事態が起こった。

起こったのは台風の日だったと思う。
バイク置き場にカバーして置いてたRS250が倒れて、ヘッドライトが割れたとか、なんかそんな重大な事態が。

通常、国産バイクではヘッドライトくらいならどうと言う事も無く簡単に直る。
パーツを注文したら大体は翌々日には届くし、場合によってはヤフオクでも安く手に入る事も。
だから国産車の場合はその程度はどうと言う事は無い、のだけど、アプリリアの場合はそうも行かないのが現実だ。
特にちょい前までは。

ハーレーやトライアンフ程では無いものの、現在はアプリリアもディーラーが日本にぼちぼちと整備されている。
だが、ほんの少し前まではパーツを入手するだけで結構大変だった。
街のバイク屋ではイタリア車のパーツは取り寄せは困難。
或いはレッドバロンのように、そこでバイクを買ってないなら相手してくれなかったりとか。
まぁ中々に大変。

幸いにして彼はそのRS250を販売した輸入バイクに強い店と懇意にしてたが為、パーツの取り寄せ自体は可能だった。
確かに可能だった。
問題は、たかがヘッドライト一つが半年後か一年後か、何時届くか解らない、って事以外は。

日本国内において、当時からアプリリアは外国車でもメジャーな存在なので、ある程度のパーツは日本国内でも確保して、それら以外の輸入が必要なパーツにしても供給網は確保してるのだけど、だからと全ての部品が右から左にポンポン出てくる訳では無い。
右カウルが1週間で届いたからと、左カウルは半年待っても届くとは限らないのが外国車。

パーツは出る。
出るが、時は指定していない。
その事を諸君は思い出して欲しい。
つまり、まぁそう言う事だ。

 

で、彼はヤフオクに貼りつき、懇意にしてるバイク屋に相談し、アプリリアを扱う日本各地のバイク屋に問い合わせをし、ネットでも呼びかけた。
オラにヘッドライトを売ってくれと。

だが、無情にも、たかだかヘッドライト一つが手に入らない。
これがクランクやピストンならスズキのパーツでどうにか成るのだが、外装パーツは残念ながらそうも行かない。
ロータスエスプリのテールライトのように、極まれに日本でお馴染みの車種のパーツが流用される事も有るのだけど、流石にアプリリアRS250のヘッドライトはそんな奇跡は起こらない。
つまり、RS250のヘッドライトを直したいなら、RS250のヘッドライトを買ってこい、って事だ。
当たり前っちゃ当たり前なんだけど。

 

で、彼の選択はイタリアに買いに行く事。
お前がコッチに来ないならオレがそっちに行ってやるぜ!と。
崖っぷち遠距離恋愛カップルのような荒業。

ebayで買うって手も有って、きっとそっちの方が選択としては正しいのだろうけど、イタリア旅行もかねていっそヘッドライトを買って帰ってやると、そんな大胆な手段に打って出たのだ。
まぁ旅行がメインなんだろうけど。

明石の商店街でZZRのカウルが売ってないように、イタリアに行ったからとヴェネツィアのスーパーでRS250のヘッドライトなんて売ってない。
だから事前にイタリアのバイク屋に連絡を取っておき、パーツの取り寄せを依頼しておく必要が有る。
その辺は、翻訳サイトを使えばどうにか成るさ。
で、注文していたパーツを無事に引き取り、手荷物と共に無事に帰国して、RS250は無事に復活するのだった。
ご苦労様です。
それにしてもアッパーカウルまで割れなくて良かったと思うな。
流石にアッパーカウルはイタリアから買って帰るのは困難だから。
邪魔に成って仕方ないわ。

今やアプリリアもディーラーが整備されてるので、きっとヘッドライトくらいならわざわざイタリアまで行かなくても手に入るのだろうけど、外国車ってのはやっぱり何かと大変な訳だ。
それは今でも。
ヤマハやホンダのように、今日注文して明後日に届く、なんてのはやっぱり難しいのが現実。
ちょい昔に比べたら、それでも圧倒的に便利には成ったのだけど。

 

 

ふと気づくと、MonotaROでKTMの純正部品が注文できるようになっていた。
何時からかは知らない。
ずっと前からなのかも。
まぁいいや。

現在MonotaROで購入できる純正部品は、国内4メーカーに加え、ハーレー、BMW、ドゥカティ、KTM、トライアンフ、MVアグスタ、ピアジオグループ。
アプリリアやモトグッチも、ピアジオグループなので有る程度のパーツは出る。
KTMの場合、取り扱い部品点数は67425点と、ここ最近の車種ならほぼ問題無くカバーされる圧倒的物量だ。
80年代のモトクロッサーのパーツと成ると難しいが、昨今のDUKEやアドベンチャー、スーパーモトなどなら問題は無い。

気に成るのは2点。
値段と納期。
幾らネットで簡単に注文できるからと、納品は2年後だとか、値段は20倍だとか、って言われたら困ってしまうからね。

 

これはイギリスのFowlersPartsでの注文画面。
2017年型DUKE250のシリンダー&ピストンキットの値段は£533.94。
英国ポンドに対しても円安傾向が続く昨今、概ね87,560円って所(2022年7月14日現在)
ヤマハのWR250のシリンダーとピストン一式を交換すると70,000円程なので、元々KTMはちょい高めかな、って所。
オーストリアやインドでの値段は調べてないので、そこらで買えばもしかしたらもうちょい安いかも。

この部品はMonotaROでも購入が可能。
DUKEのシリンダー&ピストンキットがMonotaRoで買えるんだから便利な世の中に成ったもんだね。
40年前にKTM500に乗ってた人からしたら信じられない程に便利な世の中に成ったもんだと思う事だろう。

だが、お値段は¥109,000と、ちょっと考えてしまうお値段。
ヨーロッパから運んでくるので仕方ないっちゃ仕方ないんだけど、部品点数が増えたらちょっと考えてしまう価格差かも。
事はシリンダー&ピストンキットだけじゃ済まないから、ガスケットから場合によって腰上までも手を入れると、総額ではちょっと考えてしまう値段差に成るかも。

 

もう一つの懸案、納期については、MonotaROの外国車の純正部品は32日以内の出荷と成っている。
流石にヤマハみたいに当日出荷には成らない。
32日以内なので、数日内に出荷されるかも知れないし、もしかすると本当に来月になるかも知れない。
出荷されるならそれでラッキーと考えるのが正しい考え方なのかもね。
ただでさえ、出荷できない事もぼちぼち起こるMonotaROなのだから。

 

 

二輪も四輪も外車は金がかかる。
ガソリンにせよ、補修部品にせよ。
補修の頻度に関しては、一概には言えない所では有るのだけど。

部品一個でも海外から運んでくるので仕方ないと言えば仕方ない話。
それでも日本に居て部品が買える、ってだけで喜ばしい事と考えるのが、外車との正しい付き合い方なんだろう
残念ながら、それが現実。

あ、ちなみに、上記したようにMonotaROはMVアグスタのパーツも買える。
買えるんだけど、F4のピストンキットだけで70,000円(1気筒分)もするので、やっぱそこらの民間人はMVアグスタは中々買えないよねって思うわ。

MOTOR CYCLE

Posted by tommy