高速道の作法
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この世のあらゆる事柄には正しいお作法が有る。
茶道には茶道の作法が。
華道には華道の作法が。
書道にも書道の作法が有る。
料理だって同じ。
タマネギを切る時にも魚の煮付けを作る時にも正しいお作法は存在する。
別に作法なんて関係無いぜとばかりに適当にやっちゃっても結構なのだけども、やはり最低限文化的な食事をと考えたら、正しい手順とお作法を踏まえたい。
釣ってきた魚を特に何も処理せずにそのまま鍋で茹でてやっても、タマネギを石で叩き潰してもそりゃ結構なのだけど、原始人じゃ無いのだから有る程度の作法は踏まえたい。
アラスカの山男でも石は使わないのだから。
ちなみに私、それらの様式美とも言える作法が好きだ。
安心感を求めたいタイプなので、実は意外と好きだったりする。
アンダーテイカーの体に優しいパイルドライバーとか、
パイプ椅子のクッションの付いてる方で殴る悪役レスラーとか、
場外にダイブする時は必ず受け止めてくれる対戦相手とか、
さらに危険度の増すダイブなら複数人で受け止めてくれる対戦相手とか、
そんな正しい作法に則ったプロレスが好きだ。
骨折上等、やるかやられるか！
なんて格闘技が好きな人も居るだろうけど、1度アメリカでUFCを見て以来、2度目はちょっと遠慮させて頂こうと思った。
アレを見た後でステーキ食べれる程に胃は丈夫ではないのさ。
この前の週末、高速道路に乗ってちょいと出かけてた。
何処行ってたかは、まぁ大した所じゃ無いので割愛しておく。
で、その帰り道。
そこそこ渋滞してた某高速道路。
左車線を動いたり止まったりを繰り返しながら、催眠術のように眠りを誘う前の車のブレーキランプに耐えてたのだ。
やたらと混んでる夕方の高速道路を。
と、その時、背後からバイクの音が聞こえて来た。
渋滞中に聞こえて来た、って事は勿論すり抜けしてきたって事だ。
高速道の作法。
路肩は走っては成らない。
走りたくても走っちゃダメ。
これが守るべき鉄の掟。
守るべきお作法の一つ。
NEXCOのホームページにもちゃんと書かれてる。
路肩を走ってはいけないのはなぜ？
路肩は、車道ではありません。
路肩は車が故障したときの一時停止や警察車両や救急車といった緊急自動車に限り、やむを得ず走行できる空間です。
一般の車両が路肩を走行することは道路交通法違反となるだけでなく、緊急時の救急活動等の妨げになるおそれがありますので、絶対に路肩を走行しないでください。
http://www.bikebros.co.jp/vb/sports/stame/scolumn01/scolumn01-20110822/
ただ、こちらに書かれてる事もごもっともな話で、特に真夏にリッターバイク乗ってて何十キロの渋滞を走行車線で大人しく待ってたら、本当に命に関わる恐れも有る。
ふと斜め左を見ると空いてるスペースが有るのに、そこを走るなと言うのは酷な話だ。
だからと、路肩を走らせろと、別に声高に言う気はない。
逆に、違法だから走るなとも特に言う気も無い。
自己の責任でバイク乗ってるのだから自分で判断して貰えば結構かと思う。
免許持ってるくらいに右も左も解ってる16歳以上のしっかりした人なのだから。
好きなようにすりゃイイんじゃ無いかと。
あなたのお母さんじゃないんだから、別に何をどうとも何も言わないよ。
そう、私個人としては好きなように走れば結構だと思う。
他の人の行動をとやかく言う権利は持ち合わせて無いので好きなように走れば結構だと思う。
走りたくないなら走らなければ、走りたいならまぁ好きなようにして頂けたら。
ただ、警察官はそう言う訳には行かない。
気持ちは解るから好きなようにしろとは尻が裂けても言わないので、残念ながら青切符を頂く事と成る訳だ。
警察官は、アナタの行動をとやかく言う権利を持ってるのだから。
お母さんと警察官は、アナタの行動をとやかく言う権利を持ってるのだから。
通行区分違反 2点 7000円
点数と反則金は↑の通り。
路肩を走ったツケとしては少々キツいお灸と成る。
上のバイクブロスの記事に書かれてるけど、車と車の間は限りなくグレーなので意外と捕まらなかったりする、場合も多い。
実際この日も結構な数のバイクが私の右側をすり抜けて行った。
多くの男達が、アタシの右側を駆け抜けて行った．．．．わ。
路肩走行で捕まりたくないならここを走るのが正解なのかも知れないが、車と車の間を走るのはお世辞にも安全とは言えない。
ってか、凄くびっくりするので車乗ってる側からしたら勘弁して欲しいと思う。
路肩走れよ、路肩を！
って言いたくなる気持ちも解る。
でも、捕まるんだよなぁ。
路肩走ってたら。
舞鶴道しか走らない人には縁のない話かも知れ無いけれども、渋滞の多い名神なんかでは結構取り締まりも盛んに行われてるので、高速道をバイクで走る時の作法は守りたい。
幸いにしてこの日は取り締まりは行われてなかったのだけど、ゴールデンウィークの頃にはまたヘリコプターで路肩走行を取り締まるよって話が出てくるかも知れないのだから。
まぁヘリの取り締まりなんて、只のデモンストレーションで有り、ただの啓発活動なのだけども。
要するに、路肩走るなよって威嚇。
日常的にヘリで取り締まったら金掛かって仕方ないわ。
この日は幸いに取り締まりは行われて無かったっぽい。
良かった良かった。
ツーリング帰りに切符のお土産はちょっとテンション下がってしまう所だから。
この日の路肩すり抜けライダーは運が良かったと思うな。
だが私は後頭部付近に何やらドス黒いオーラを感じたのだった。
後部座席に座る人から発せられたドス黒いオーラを。
ちっ….捕まればイイのに
とでも言わんばかりの、ドス黒いオーラを感じ取ったのだった。
この前赤切符を頂き、当面バイクには乗れないこのやさぐれた人から、暗黒のオーラを感じ取ったのだった。
．．．．やさぐれるのは一人でやっててくれ。
底なし沼は一人で勝手に落ちててくれないか。
私は後頭部から、そんな念を発した。
尻から甘い匂いを発しながら、後頭部からはそんな念を発した。
桜の花の咲く頃にはまた乗れるんだから、やさぐれるのは一人でやっててくれよと。
やたらと混んでる高速道路の上。
私は、荒んだ心のおじさんの発するオーラと、催眠術のように眠りを誘う前の車のブレーキランプに耐えてたのだった。
やたらと混んでる高速道路の上、前後からの攻撃にただただ耐えるばかりなのだった。
この渋滞でもバイクは路肩走るなってのは、やっぱ酷な話だと思うわ。
凄い混んでる最中、大人しく渋滞の列に並んどけってのはやっぱ酷な話だろうと、無理な話だろうと。
そして、免停食らったおじさんもそうやさぐれるなよと、言った所でちょっと無理っぽい。
嗚呼、とても残念。