錆びボルトを再生しよう
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錆びたボルトなんて交換したらイイじゃない。
それは至極ごもっともな正論なのだけど、それでもやっぱり再生したいぜって考える場合も有る訳だ。
例えば生産当時の仕様、ディティールを忠実に守ってレストアしたい場合。
ガスケットやラバー類はそう言う訳には行かないけれども、錆びたボルトから割れた外装まで、出来るだけ生産当時の部品を再生してレストアしたい、って考える場合。
テセウスのパラドックスのように、何でもかんでも新品に交換してたらそれはレストアとは言えなくなってしまうのだから。
そして、深い思い入れが有る場合。
部品一つ、ボルト1本ナット1個に思い入れが有るなら、出来ればそれを再生したいって考えるのが人情だ。
大好きだったお爺ちゃんがお別れの間際に締めてくれたボルト、初恋の彼女が買ってくれたナット、初任給で買ったブレーキパッドのピン。
そんな思い入れが有る人が居るのかどうかは知らないけれど、ボルト1本とてそのバイクや車の歴史の断片。
出来ればそれを再生したいって考えるのが人情だ。
そして極稀にコストを考える人も居るかもしれない。
セコイ話だけどね。
でも上に載せたボルトって、1本で300円とか400円とかするんだよ。
それが10本、20本と積もればまぁまぁな額に成っちゃう。
なんてセコい事を考える人も中には居るかも。
と言う訳で私は、セコい事を考えるつもりは一切微塵も毛頭無いが、取り合えず錆びたボルトを綺麗にしようと思った。
セ....セコい事なんて、全然考えて無いんだからね!
なお、流石に頭の潰れたボルトは廃棄するけれど、この程度の表面だけの錆びならほぼほぼ問題は無い。
ん、多分ね。
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で、間をズルっとスっ飛ばしてこちらが完成。
えらく渋い写りに成ってるけれど、実際にはもうちょい明るめの銀色。
やることは前に書いたモロゾフシステムと同じだ。
↑と同じく、サンポール(のような希塩酸洗剤)の原液で錆び落としして、同じくサンポール(のような希塩酸洗剤)を3~5倍程度に希釈して亜鉛メッキを施しただけ。
違いは、今回はモノがちょい大きいので3V。
前回は乾電池1本だけど、今回は贅沢に乾電池2本使用。
そう、メッキって思いの外小電源で出来るんだよ。
小学6年生の自由研究みたいなレベルのメッキならね。
ただ、自由研究とそうそうバカには出来ない亜鉛メッキ。
ピカール君でちょちょっと磨いたらこれくらいには綺麗に成る。
あんまり磨きすぎたらメッキ層が無くなってしまうので程ほどに。
そもそもボルトをピカらせる事は考えてない今回。
取り合えず錆びが落とせて、その後有る程度錆びの再発が防げたらそれでイイやってだけの今回。
亜鉛の層がむき出しでどの程度の耐久性が有るか、ってのは不透明だけど、有る程度錆びの再発が防げたらそれでイイやってだけの今回のメッキ。
ピカらせたいなら事前にボルト自体をピカピカに磨きこんでおくのが良いと思う。
下地がツルツルならきっと綺麗なメッキが出来る筈。
面倒だからしないけどね。
でもさらに耐久性と光沢性を持たせたいなら、下地も大事だけどメッキはやっぱりニッケルメッキが良いと思う。
ただ、純ニッケルはそうそうご家庭には無いと思うので、電池用の溶接タブを買うなり、或いは実験用のニッケル板を買うなり、ある程度のコストは必要だけどね。
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これを使えば、綺麗なニッケルメッキが出来る。
それでも中学2年生の文化祭の出し物くらいのレベルだけど、それでも電池の中身よりは綺麗なメッキは出来るだろう。
製品のレベルには程遠いとして。
ちゃんとやるなら塩化ニッケルとか必要だしね。
まぁそりゃそうだ。
製品レベルのがサンポールと乾電池で出来りゃ苦労しない。
そんな甘ちょろな事言ってたらメッキ工場長ブチ切れですわ。
メッキ工場長の自慢のハサミでお仕置きですわ。
生意気言う子は大事な所をメッキしちゃうぞ!
と言う訳で続く。