ストルバイトとの戦い-1

尿路結石概要

猫の尿路結石には2つの種類が有る。

一つはシュウ酸カルシウム。
尿が酸性に傾くと出来る結石。
年を取るとこの結石が出来やすく成ると言われている。

そしてもう一つはストルバイト。
マグネシウム、アンモニア、リン酸の結晶で、尿がアルカリ性に傾くとこちらが形成されやすく成る。

どっちが良いとかって話しではないけれど、pH6.4より酸性に傾くとストルバイトは溶解する分まだマシと言えなくも無い。
シュウ酸カルシウム結石は溶解しない為、治療は外科手術が必要と成るので大変だ。

 

結石の問題は、尿路が細く曲がってる雄猫は特に詰まり易い点。
それが大きな問題。
命に関わる大きな問題だ。
そして鋭利で硬い結晶によって膀胱や尿路を傷つけ、出血を伴うのも問題の一つ。
尿路結石によって膀胱炎が起こるのはそれが原因だ。

今回、ブラックキャット先輩が血尿を起こしたのはまさにそれが理由。
ストルバイト結晶が膀胱や尿路を傷つけ出血させたって事だね。

尿路結石の検査方法

ウロキャッチャー

ウロキャッチャー

↑を使って尿を採取し動物病院で検査するのがまず第一歩。
ただ、一般家庭ではこんなの持ち合わせて無いだろうから、血尿を起こしたらまずは動物病院に行くのが先決だ。
そこで早急に尿を採取して持ってくるように指示される筈。
その際にウロキャッチャー、もしくは類似の検尿キットを渡されるのでわざわざ何処かで買っておく必要はない。

 

血尿=膀胱炎を併発してる際は抗生物質が投与される。
食事に混ぜて上手い事食べさせよう。

抗生物質の投与が終わってから検尿する場合と、お構いなしに早く検尿しろって指示される場合の2通り考えられる。
まぁ素直に指示に従うのが良いかと。

 

検尿に際する注意点

これも獣医師から指示される点だが、一つは食前の尿を採取する事。
食後の消化をしてる最中は尿のpHがアルカリに傾きやすく成るので、正確に計れなくなる。
その為、可能な限り空腹時の尿を採取する必要が有る。

もう一点は、尿を採取したら直ぐに病院に持って行く事。
新鮮であれば有る程に正しい検査結果が得られるので、検尿に成功したら早く持って行くのが大切。
採取後時間が経てば比重も変われば細菌の混入も有りえるしね。

 

本来は寝起きの朝食前の一発目で検尿するのがベストなのだが、そんな時間に動物病院は開いてないので、これが中々に困った話しな訳だったりする。
昼食から時間を置いた夕方の診療前に検尿出来れば言う事無いのだが、普通に仕事してたらそれも中々に難しい。
個人それぞれの事情が有るだろうからコレがベストだよと言い切るのは難しい。

でも、無理だ無理だと難しい難しいよと言ってても仕方ないので、出来る限り最善を尽くす必要がある。
どうにかこうにか最善の道を選ぶ必要が。

どうしても無理なら自分の生活スタイルに有った動物病院を探す方が早いかも知れない。
探せば日曜日の夜もやってる病院も有るのだから、きっと見つかる筈。
どう頑張っても無理だよって人は、そもそも猫飼うのが難しいかもね。

なお検尿の為に有給取れる人なら、それはそれで素晴らしいので是非ともベストオブ検尿を目指して欲しい。

 

検査結果

検尿を渡すとこのような内容の結果が出てくる。

この検査ではpH7.5とかなりアルカリに傾いている。
その結果ストルバイトが形成され、そのストルバイトによって潜血が見られ、細菌の感染も確認される、と言う教科書に載ってそうな状態。

目視では問題無い色でも潜血は起こりえるので、血が混じったからと赤くなるとは限らない。
赤くないから血が混じってないとは限らない訳だ。

 

続く