パパを返せ!-後編

で、家の前で空気を入れてたって話に戻る。
そう、前回のとても長い話は実はまだ話の途中での本筋とは関係無いただの余談だったのだよ。
驚いた?
自分でも驚いたわ。

 

自転車のタイヤに空気を入れてた時に通りかかったご近所さん。
その10分後くらい、またもやこのご近所さんと出合ったのだ。
買い物行ってたのか、散歩行ってたのか、公園行ってたのか、それ以外かは知らないけれど。
ともかくまたもや出合ったのだ。
このご近所さんと。
このトピークのエアポンプで空気を入れてたらまたもや。

一体どれ程空気入れてんだ?
って思うかも知れないが、実は同じ空気入れでセローのタイヤに空気入れてたのだ。

ご存知な方は物心着いた頃からとっくにご存知だろうが、ご存知で無い方は意外とご存知で無いかも知れない。
スポーツサイクル用のエアポンプなら、モーターサイクルのタイヤにだって空気が入れれるって事を。
モーターサイクル専用のエアポンプはロードバイク(自転車)には空気圧の問題で使えない場合が多いが、スポーツサイクル用エアポンプなら概ね使える。
正確には、米式のヘッドを持つポンプならモーターサイクルのタイヤに空気を入れる事は可能って事だ。
ママチャリ用のエアポンプでも、米式のヘッドに交換してやれば空気は入れる事は可能だ。
空っぽ状態からフロアポンプで入れるのは大変だけど、ちょい足す程度ならフロアポンプで十分に役に立つ。

 

おや?
って顔するご近所さん。
どうやら、自転車用空気入れでセローのタイヤに空気入れてる光景に、ちょっとおや?って思ったみたい。

『その空気入れでバイクに空気入れられるんですか?』
と、尋ねて来た。

私は答えた。
『米式と言うバルブに対応したポンプならオートバイにも使えますよ』
と。

『あ、そうなんですか、いや、実はウチの車も空気がかなり減ってたので助かりましたよ』
ご近所さんは、そう言い残して去って行ったのだった。

.....車のタイヤに空気入れるの?
自転車用のエアポンプで??
米式対応のポンプ持ってりゃ入るとは思うけど、マジで入れるんすか?
車のタイヤに手動で。

そんなハテナマークの点灯した私を置いてけぼりにして、そのご近所さんは子供と共に去って行ったのだった。
マジで車に入れるんすか?
な、私を置いてけぼりにして。

 

ちなみにその人の車、実はランドクルーザーだったりする。
曲がり角のキツい所で二度程渋滞作ってるのを見た事有る。

あの巨大なタイヤに手動で空気入れるの??
何処を走るか知らないけどやたらめったらゴツいあのタイヤに手動で空気を入れるのか?
否...確かに、物理的には入るとは思うけど。
タイヤは大きくてもバルブはMTB用の米式と一緒だし。
だから、入る、確かにそのうち入るとは思う。
余りお勧めしないけれども入れる事は不可能では無いと思う。
凄く頑張ったらそのうちに入る、とは思う。
物凄く、物凄く頑張ったら。

 

あれから何年たっただろうか?
私は、未だに現役で愛用しているジョーブロースポーツで自転車のタイヤに空気を入れる際、時折その事をふと思い出すのだ。
壊れたら新しいのに買い換えようと思いながら、ちょっとも壊れないのでもしかしたら一生買い換えないかもねと思ってるョーブロースポーツで自転車のタイヤに空気を入れる際、時折その事をふと思い出すのだ。
あの日出会った、そう言えばあれっきり会って無かった気がする、当時のご近所さんの事をふと思い出すのだ。
何年も前の、あの日の事をふと思い出すのだ。

そして思う。
あれから何年も経ってるんだから、流石にもう空気は入っただろうか?
スペア合わせて5本もの巨大なランクルのタイヤ相手に天文学的な回数のポンピングを行った甲斐有って、流石にもう空気は入っただろうか?
昼夜を問わず、家族も仕事も顧みず、寝食忘れてエアポンプをシュッコシュッコし続けて、流石にそろそろ空気も入った頃だろうか?
と。

未だ全てを投げ打ってシュコシュコやってたら余計な事言ってごめんなさいと謝ろうかと思うけど、パパを返せ!って子供に責められたらどうしようかとちょっとドキドキしてる。
お前のせいでパパは空気入れに囚われてしまったんだぞ!!
お前のせいで仕事も辞めてずっと空気入れてるんだぞ!
ベイダー卿と陰口叩かれながらシュッコシュッコしてるんだぞ!
ボクのパパを返せ!!
って純真な瞳で責められたらどうしようかと、ちょっとドキドキしてる。
無事に空気を入れ終えてる事を祈って止まない。
そんな気持ちで一杯。

 

あ、まぁランクルのタイヤなら1時間ほどシュッコシュッコしてたら入ると思うな。
あーだこーだ書いてるけど、実際にランクルのタイヤなら1時間も有れば5本とも入るさ。

このタイヤとて、手動ポンプでも多分そのうち入る。
再来月の今頃には多分入る。

継続は力だよ。

と言う訳で、このブログももうちっとだけ継続しようと思う。
大昔に書いた記事を引っ張り出して誤魔化しながらもうちっとだけ継続しようと思う。

 

Bicycle

Posted by tommy