けいかく上手な豊田さん

計画、ってのは誰しもが日々立てているだろう。
食って出して寝るだけのタニシ以下の活動量を魅せる私でも、それなりには計画を立てる事は有る。
まぁ精々は明日の晩御飯くらいなモノだとしても。

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企業、それも大企業とも成れば、多くの計画を立てる。
ただの計画だけで終わる場合も有れば、ショーモデルとしてモックアップを作る場合も有れば、或いは残念ながら市場投入目前で緊急ストップと成る場合も有る。
単なる計画だけで、文字通りに計画倒れに成った場合は被害はまだ少ないものの、三菱のジェット機のように、製品自体はほぼ完成の域に達した状態での撤退は非常に痛い、余りに痛い打撃となる。
もっとも、その国産航空機プロジェクトは総予算の1/3に当たる500億円だかの国費が投入されてるので、痛さも2/3で収まって、残り1/3は国民のみんなで分かち合う美しい姿なのだけども。

こんな事が起こってない事を祈るばかりだ。

 

航空機開発と共に、否、あるいはそれ以上にスケールが大きなプロジェクトとしては、宇宙開発が挙げられるだろう。
人類のロマンがパンパンに詰まった壮大な計画。
和歌山から打ち上げる民間宇宙輸送会社のスペースワンや、ついこの前のH3と、相次いで打ち上げが中止に成ってる昨今だけども、今後も日本の宇宙開発はガンガン進むことだろうと思う。
ただ、和歌山のはそろそろ一号機を打ち上げないとしんどいかも。
2018年の会社設立以来延々と赤字を生み続け、2021年度決算では未だに一発も打ち上げてないのに24億も損失出してるのだから、そろそろ、ね。
キヤノンの中の人たちが足を棒にして血反吐吐く思いで必死に成って稼いだ金を突っ込んでるのだから、頑張って欲しい。
東大法学部から経産省キャリアへ、キヤノンを経て日産自動車の社外取締役もしてる社長様は、そんな些末な事はあんまりお考えされてないかも知れないけれども。

 

日本を代表する大企業の一つがトヨタ自動車。
堅実かつ着実なイメージを持たれ勝ちなトヨタだが、宇宙開発にもこれが意外なほどに積極性を見せる。

結構本気で取り組んでて、来るべく月面探査ミッションに向けて、大型の月面探査車を開発している。
名前はルナ・クルーザー。
アメリカのアルテミス計画では2025年に月の南極へ人を送り込み、このトヨタのルナ・クルーザーは計画では2029年に月への投入が実現するらしい。
お盆過ぎたのに宿題を何もやってない小学生みたいに、結構切迫したスケジュールなんだけど大丈夫なのかな?

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実はトヨタの宇宙開発計画はこれに始まった訳では無い。
このルナ・クルーザーの少々前にも、トヨタは独自の宇宙開発計画を練っていた。

2009年に発表された、ローバーと人型ロボットを使った月面探査計画の具体像。

この計画では、こんなレニングラード・カウボーイズに居そうなツッパリ番長デザインのロボットが使われる。
リーゼント(ポンパドウル)がイカすデザインのこのロボットは、レゴリス(月面の堆積層)対策が施され、脚は飾りじゃ無いのよとばかりに跳躍力アップの為に高橋名人のようにバネが仕込まれ、小型太陽電池を搭載し、サイコガンダムみたいに体育座りしてお休みする。
この体育座りは何となく悲哀を感じさせる素敵なポーズだけど、ここは是非ともツッパリ番長らしくウンコ座りして欲しい所だ。

 

見た目はツッパリ番長だけど、流石はトヨタ生まれなだけ有って働き者。
バリオス2を買うべく引っ越し屋のバイトに勤しむツッパリ番長のように、懸命に働くその姿には思わず目頭に熱い物を感じさせてくれる。
こんなサービス、滅多にしてくれない。
オレの島大輔を聴けェ!

夜露死苦(ヨロシク)、愛羅武勇(アイラブユー)、邪苦鎖(ジャクサ)、極大波動崙虎雷堕(ラージハドロンコライダ)と、難解な漢字に精通するツッパリ番長は日本文化にも造詣が深い。
月面で枯山水、月見団子とお茶を嗜みながら達筆を披露する。
通りかかった宇宙人も、流石にこれにはデカルチャー。

https://www8.cao.go.jp/space/archive1/lunar/dai3/siryou3.pdf

 

と、そんな素敵なツッパリ番長型ロボットによる無人月探査の具体像だったが、今やもう無かったことに。
でもそれはきっと何かしらの形で後世へと繋がっていくのだろう。
きっと。
多分。
ともかく今後のトヨタさんの素敵な計画に期待しよう。
素敵な計画が僕たちを待ってる筈だ。
輝く未来に向けた計画を立てる事が、トヨタのたった一つの勲章なのだから。

 

CAR

Posted by tommy