嫌な予感がオーバーフロー

除隊間際の陸軍兵士=マイクに最後の指令が命じられる。
それは1ブロック隣の雑貨店にペプシを買いに行くような簡単な仕事。
百戦錬磨のマイクにはレモネードを作るよりも容易い仕事だ。

負傷により作戦に帯同出来ない親友のロバートは、ゆっくりと準備するマイクと会話を交わす。
『最後の仕事がこんな簡単な仕事で良かったよ』
マイクは笑みを浮かべながら言った。

『オレ、この作戦が終わったら故郷の牧場を継ぐんだ。
幼馴染のキャサリンも待ってるしな』

ロバートは、昨夜交わしたマイクとの会話を思い出しながら、マイクの乗ったヘリを見送った。
鉛色の雲の中に消えていくCH-47を。

『ちょっと!そんなにスピード出したら危ないって』
助手席の彼女は、ハンドルを握る彼に強い口調で言った。

週末夜の表六甲を猛スピードで走る86。
悲壮な顔の彼女とは裏腹に、ハンドルを握る彼は涼しい顔で言ってのける。

『大丈夫だって、オレ、昔はEP71やS13なんかでここを走ってたんだから。
最新のハチロクならこれくらい全然大丈夫』

事実、最新のパッケージに身を包んだ86は、タイヤを軋ませる事も無く夜の六甲を駆け抜けていく。
同じFRのS13では考えられないパフォーマンスを魅せながら夜の六甲を駆け抜けていく。
自信に満ちた彼と、その隣に乗った事を後悔した彼女を乗せ。

『大丈夫だって、この程度、全然.....』

”この先、取締り区間です”

カーナビから発せられる幹線道路の取締り情報。
だが実際に現在の取り締まり情報をリアルタイムに反映してる訳では無く、あくまでその傾向が有るエリアだって旨を伝えてるに過ぎない。
固定式取締り機なら有用だが、白バイやパトカーでの取り締まりまでもをその範疇としてる為、幹線道路では正直大した役には立たない。
何故なら、取締り区間では無い幹線道路など、少なくとも都市部には存在しないのだから。

”この先、取締り区間です”

ルート営業のバンの中。
何時ものように何時もの声で発せられるアラート。
ハンドルを握る先輩は、そんな声に一切意に介さずアクセルを踏み込んだ。
カーナビからの声など一切気にも留めず。

(大丈夫なのか?そんなに飛ばして??)

助手席の後輩のその不安気な思いを察したのか、先輩は語る。

『大丈夫だって、この会社入ってから毎日ココ走ってるけど捕まった事無いからな』

ルート営業暦5年の先輩は、そう言いながら幹線道路を快調に飛ばした。
俺たち営業野郎にチンタラしてる時間なんて無ぇよと言わんばかりにアクセルを踏み込むのだった。

セキュリティ対策:月額200円

この日、新たなスマートフォンを契約しに来た新社会人の彼女は、細々と書かれたオプションメニューの中の、その項目が目が留まった。
その視線に気付いた携帯電話会社のベテランスタッフは、スラリスラリとその旨を説明し始めた。
ウイルス対策の事、ブロッキングの事、危険なフリーWi-Fiの事、そしてスパムメールの事。

『いや、なんか良く解らないので要りません。今までもなんかセキュリティは着けてたけど役に立った事無いから結構です』
そうですか、では....

淡々と手続きを済ませ、程なく最新のスマートフォンが彼女の手に渡った。
クリスマスのプレゼントを買って貰ったあの頃のようにテンション上げつつも、一つの事が脳裏にふと過ぎった。
それは支払い。
最新のスマートフォンの端末代と新たな契約の代金。
新社会人の彼女に取っては決して少なく無い金額だ。

カードの引き落とし指定口座の残高は大丈夫なんだろうかと、唐突に思い立った彼女は、道端の屋台で買ったタピオカミルクティをチュッチュしながら、引き落とし口座にしているネットバンキングへとアクセスするのだった。
何時の間にか自動的に接続していた野良Wifiでアクセスするのだった。
セキュリティ対策の話を上の空で聞いてた30分前の出来事を思い返す事も無く。

大丈夫、オレ、今まで事故なんて起こした事無いからな。
保険なんて要らんわ。

そう言ってるのか言ってないのかは知らないけれど、私の活動範囲内に、ナンバープレートに何のシールも貼ってない250ccのスクーターが停まっている。
有るべきはずの保険のシールが貼られてない、250ccのスクーターが。
持ち主は何度か見た事有るけれど、50代くらいのおじさん。

ナンバープレートに保険のシール(保険標章)を貼り付けなきゃ成らないのは以下の法律が根拠。

自動車損害賠償保障法 第九条の三 
検査対象外軽自動車、原動機付自転車及び締約国登録自動車は、国土交通省令で定めるところにより、保険標章を表示しなければ、運行の用に供してはならない。

電子政府の総合窓口(e-Gov)。法令(憲法・法律・政令・勅令・府令・省令・規則)の内容を検索して提供します。

検査対象外軽自動車とは、一般的には250ccまでのバイクと思ってて違いは無い。
他にはトレーラーとスノーモービルか。

罰則は以下の通り

第八十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第八条又は第九条の三第一項若しくは第二項(第九条の五第三項及び第十条の二第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

大丈夫、オレ、今まで事故なんて起こした事無いからな。
保険なんて要らんわ。

と、そんな凄く嫌な予感が溢れ返ってるような事を考えてようと考えてなかろうと、自賠責保険は誰しもが入らなければ成らず、そして保険のシールは誰しもが貼らねば成らないので、何処の誰だか存じないけどちゃんとやって欲しいなと思う。
流石に自賠責には入ってる....とは思うんだけど。
いや、流石に。
どうだろう?

ブログランキング・にほんブログ村へ  
blogrank

本日の小噺をお気に召して頂けましたらならば、↑の2つの小さなボタンをクリックして頂くと明日への希望に成ります。
本日の小噺がお気に召されないならば、叱咤激励の意味を込めて↑の2つの小さなボタンをクリックして頂くと明日への励みに成ります。
結局の所、要するにクリックしてってくれたらそれだけでとても幸せなのです。
どうか宜しゅうに。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする