ころっけ日記

『かめれおん日記』と言う本をご存知だろうか?

著者は中島敦。
横浜の探偵社に勤める白い虎に変身するお兄さんでもお馴染みの中島敦。
世間的には山月記がお馴染みだろうと思う。
虎に変身してどうのこうのってアレ。

 

で、『かめれおん日記

https://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/24443_15509.html

青空文庫にも成ってるので気が向いた人は読んで頂ければと思う。

この本を読んで何を感じ取るのかは皆様にお任せするけれど、ショーペンハウアーのパレルガ・ウント・パラリポメナ=余録と補遺に乗るカメレオンの情景に、私はとても気の利いた物語性を感じた。

 

ちなみに内容は、特にカメレオンの飼育日記を書いてる訳では無い。
とは言え勿論、本題はカメレオンだ。
物語冒頭は学校を舞台に始まる。
その学校の生徒が主人公の先生の下へとカメレオンを持ってきた所から物語は始まる。

のだけど、次第にカメレオンの話は程ほどに、ってか最後の方は極めてアッサリと『動物園へ行つて了(しま)つた』とさらっと締める始末。
だんだん弱っていくだけで、特に飼育に当たってので特記事項や、ましてやカメレオンとの心の交流なんてのも無い。
まぁカメレオンだしね。
心の交流ってのはちょっと難しいか。

今もそうだけど、当事はさらに珍しかったカメレオン。
その珍しいカメレオンの話かと思った当時の人達はきっと驚いただろう。
カメレオンの話と違うんか!って。
勿論私も思ったさ。
カメレオンを飼いたい、でもあれは難しそうなのでちょっと無理だと思う、でもやっぱ飼いたいな、あの鍋つかみみたいな手を眺めていたいなと、かれこれ高校生の頃からそんな事を考えてた私も、まだ乙女だった頃に学校だったかどこかだったかの図書館で読んだ私も勿論思ったものさ。
カメレオンの話と違うんか!って。

 

喘息により33歳で世を去った作者の苦悩と....
まぁいいや。
短いのでぜひ読んで欲しいなと。

上の方に書いたショーペンハウアーに関しては『読書について』 の辺りが読み易くて良いのでは無いかと思う。
他に何冊か読んだけど結構苦しいので、読書について辺りから攻めるのが悪くないかと思うな。
それとて、久米田康治が良くおちょくってた『恋人が病気で死んじゃってかわいそーな話』程に平易では無いけれども。
どっちにしても、中々に苦しい。

 

生きていれば苦しいことばかり。
なんて荒廃した人生は送ってないので、まぁ色々と有るけれどまぁまぁ健やかな毎日を過ごしてる。
そりゃまぁ色々と有るけれどね。
サンマを焦がした事も有るし、間違って泉ピン子のドラマを間違って予約録画をした事も有る。
しまったぁ!!と後悔しながらピン子を見ると意外と面白くて、敗北感を味わった事さえも有る。
おのれピン子め....

 

困った事、嫌な事もそりゃ幾つも有るけれども、私にとって人生の楽しみも勿論有る。
その一つは、それは勿論バイクに乗る事。
別にそれが全てな訳では無いけれども、今の私に取ってはバイクに乗ると言う事は大きな人生の楽しみの一つ。
他にも楽しい事は一杯有るんだろうけど、幾ら楽しくても敷居が高いのはちょっとしんどいからね。
ウイングスーツでグランドキャニオンを飛ぶのは楽しいよ、なんて言われても敷居が高すぎて困ってしまうわ。

他の人に取ってはどうか知らないけれど、今の私にはバイクに乗る事が非常に敷居は低くて、それでいてとても楽しい事なのだ。
モトクロスだとかサーキットだとかテントを積んでロングツーリングだとかって、そんな大袈裟な話では無くとも。

この日、ちょろっとだけ出かけたのは六甲の向こう側。
乗っていたのはZZR1400と言う猛獣。

これは友人の一人が現在乗ってるバイク。
だが、近々スーパーチャージャ-付いた物騒なバイクに乗り換えるとの事で、どうやら我が家へと引き取られて行く事に成りそうな雰囲気だったりするのだ。
ヤフオクで売るか、或いは.....って感じで。
まだ解らないけどね。
でも問題は....

のれんのか!

と言う訳で、本当にあんな怪物に乗れるのか?
所有すると成ると押したり引いたりしながら我が家の狭いスペースに押し込めなきゃ成らないんだけど、そんな事が出来るのか?
ってテストの為に、暫くの間我が家へとホームステイしてるのだ。

と言っても、以前乗ってたハヤブサの代わりって立ち位置なので、乗れない事も無いしスペースも無い訳では無いんだけどね。
スペックも大して変わらないので、どっちも乗れると言えば乗れるし、どっちもえらく大変だって言えば大変。
大した違いは無いと言えなくも無い。
アイドリングのちょい上しか回さないのも同じだし、バイク置き場から出し入れする度に毎度のように下敷きに成りそうに成るにもきっと同じ。
でも脳みそからなんか変な汁がドバドバ出るにもきっと同じ。

 

基本的に前に乗ってたハヤブサとは大きな違いは無いけれど、私の人生において初めてのトップケースの付いたバイクだったりする。
このバイクのこのケースは常々便利だよなぁって思ってた。
実際、このバイクには一緒に出かけた際には良くお世話に成ったもんだ。
バイクを降りた時用のスニーカーを積んで貰ったり、農産物直売所へ行った際には白菜やキャベツを積んで貰ったり、クリーニングに出しに行って貰ったり...等など。
この大きな箱には大変世話に成った。

次のバイクでは箱もまた新たに買い換えるとの事で、箱付きで入手する予定。
残念ながらサイドケース(パニア)は、付けてると我が家の狭いバイク置き場には入らないので、R1かセローを処分するか、場所を食ってる車を小さくするか、隣の敷地をバレないように侵食するか、等の何かしらのアクションが無い限りはちょっと難しそう。
バイクを広いところまで引っ張り出してからパニアを付けるって手も無い訳でも無いけど、とても面倒くさいのできっとやらない。

 

そんなこんなでZZR1400に乗って、六甲山の向こう側まで特に用事も無く出かけてきた。
お土産に揚げたてホヤホヤのコロッケなんて買ったりして。

いやぁ、やっぱボックスって便利なもんだね。
コロッケなんて幾らでも積めるものね。
これがR1ならリュックが無きゃどうにも成らなかった所だったよ。
便利なもんだ。

そうだ、ついでにスニーカーを買って帰ろう。
何のついでかってのはさておき。

そう思い立った私はコロッケを積んだままアウトレットモールへ。
お目当てはニューバランスの何時ものスニーカー。
スニーカーと言えばコレばっかり。

コロッケとゴツゴツしたジャケットを入れてもなお余裕の有るトップケース。
フルフェイスだって入ってしまう。
いやぁ、本当に便利だ。
やっぱセローにも付けようかな、とか思ってしまう。

お目当てのスニーカーを買い、特に用事は無いけどブラブラしてたらもう夕暮れ。
寒くなる前に帰ろうと、私はZZRの元へと戻り、ちょっとだけ抵抗は有るけどまぁ気にしないでおこうと、コロッケの横にスニーカーを置いてトップケースの蓋を閉めた。
コロッケとスニーカーを同梱させる事にちょっとだけ抵抗は有ったけれどね。
まぁちょっとだけよ。

ゴツゴツしたジャケットを着こんでエンジンを始動。
とても静かに、とても滑らかに回るエンジン。
イオン無く絶好調だ。
いやぁ、やっぱイイもんだ。
新しいバイクに乗るのは楽しい。
それも素晴らしいZZR1400とも成るとなお更。
人生最大とは言わないけれど、やっぱりバイクに乗るってのはイイもんだ。
一つの問題を除いて。

それはコロッケ。
揚げたてホヤホヤ、では無かったものの、まだ温かったコロッケと一緒にヘルメットを密封した事。
小さな問題だけど、ヘルメットがとてもコロッケ臭いと言う問題。
問題はほんの些細な事だけど、さりとてとても気に成るもんだ。
このコロッケ臭いヘルメットは。
嗚呼、コロッケ臭い。

 

現状、まだZZR1400を我が家が引き取るかどうかは解らない。
だがもしこのバイクが我が家へとやって来るのなら、このバイクを乗る度にきっと思い出すんだろうと思う。
コロッケの事をきっと。

そう思いながら、とても便利なトップケースから買ったばかりのスニーカーを取り出した。
ほんのりコロッケ臭いニューバランスを。

 

え?コロッケの話と違うんか!って。
HAHAHA。

MOTOR CYCLE

Posted by tommy