大きなお裁縫
今や5万円程度~で手に入る二足歩行ロボット。
10万円も出せばそこそこハイレベルなロボットが買える時代。
ホビーサイズの50cmくらいのから、人間サイズまで有る二足歩行ロボット。
二足歩行ロボット=アシモだったのは今や昔だ。
今や世界中で作られている。
ホビーから国家事業まで、世界中に数え切れない程数多く作られてる二足歩行ロボット。
じゃぁガンダムサイズ=身長18mのロボットも作れるのかと言えば、そうは話は簡単ではない。
最大のネックが重量。
いわゆる2乗3乗の法則って奴で、大きさが2倍したら面積は2乗で体積は3乗されるってアレ。
寸法を2倍したら、単純には体積は8倍に成ってしまう。
体積が増えたら当然ながら重量も増えるので、例えば身長130cmで体重48kgのアシモを、18mまで拡大したら自重で恐らく動けなく成ってしまう、と言うか歩いたら足が折れる。
アシモをバルキリーのサイズ、約13mまで10倍巨大化させたら体重は何kgに成るか計算してみよう。
巨大化に伴って大幅な軽量化も成されたら、バルキリーみたいなハイヒールっぽい足でも立てるのかも知れないけれどね。
とは言え、巨大化させるには相当の苦労と割り切りが必要と成る。
ノミが自身の100倍もジャンプ出来るからと言って、1mに巨大化させたからと単純に100mもジャンプ出来る訳では無いのだから。
何にしても同じ事で、85ccのモトクロッサーで走れるからと450ccに同じ感覚で乗れる訳では無いし、普通に車乗ってて免許の条件も問題無いからと4tスーパーロングも同じ様に乗れるかってのもまた別。
何だって一緒。
有る程度までの大きさならどうにか成る事でも、それを大きく逸脱すると手に負えなく成ってしまう。
やってる事は同じでも、ただ単に大きく成るだけでもう大変だ。
随分前だけど、ちょっとお裁縫をしてた。
ミシンでお裁縫。
縫ったのはサイクルハウス。
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こんな奴。
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昨今流行のこのタイプも良いのだけど、作るのが余りに大変なので却下。
ってか無理。
そう、これがもう本当に大変なのだ。
縫い方なんて本当に単純なんだけど、巨大なサイズに成るだけでもう大変。
ミシンでこんなに筋肉痛に成った事無いって位に大変。
そもそもこんなの作った理由は、既存のサイクルハウスのサイズを変えたかったから。
市販のサイクルハウスのサイズは大きいのから小さいのまで色々と有れども、どこも大体は大きさは決まってる。
メーカー、販売ブランドは違っても、大きさは大体どこだって同じようなサイズ。
今回欲しかったのは幅がドカンと広くて奥行きの短いサイズ。
今まで使ってたのは、奥行きは良いけれど幅が足りない。
1サイズ大きなものなら、幅は良いけれど奥行きまで伸びてしまうので大きすぎて置けない。
困ったもんだ。
アマゾン楽天にアイリスオーヤマまで、探しまくって探しまくって、色んなタイプのサイクルハウスを探しまくって、コストコで売ってる樹脂製の小屋まで検討したりして。
それでもコレ!ってのが無かったので、今まで使ってたサイクルハウスを改造して、希望する大きのわがままボディに作り変えようって事に。
ちなみに我が家に置く訳では無い。
テントの生地はコストコで売ってるブルーシート。
1.8m x 1.8m。
6フィートなのか2ヤードなのか。
ともかく、それが2枚入って700円程。
それを裁断して横方向に5枚縫い合わせる。
これで奥行きが1.6m、横向きには7.5mの巨大なブルーシートが出来る。
このブルーシートはHeavy-Dutyと書かれてるけれど、ハサミを入れた感覚では大してヘビーデュティーでは無いかも。
触った感じは重くてバリバリしてゴワゴワして強そうだけど、引き裂きには少々心もとないかもね。
え?
裂けたら返品しろって?
そんな無茶な。
なお、ブルーシートを縫うのは大してミシンのパワーは要らないけれど、送りの歯が下にしか着いてない一般的な下送りでは、生地の送りがちょっとしんどい。
通常、こんなのを縫うミシンは総合送りと言って、下の送り歯で送りながら押さえ金でも送りつつ、さらに針でも送ると言う、知らない人に文章だけで説明するのは非常に難しい、そして扱いもかなり癖の有るミシンを使う。
何のこっちゃか解らないだろうけど、機会が有ったらまた適当に書いてみるわ。
サイズ拡大に伴う継ぎ足し分のフレームはmonotaRoで買ったスチールパイプ。
幅を80cm程度広げたかったので、40cmずつパイプカッターでカットして元のサイクルハウスのフレームの各部に継ぎ足し。
継ぎ足す部分は溶接なんてしないで、10cmにカットした1サイズ太いパイプに突っ込んで延長するお手軽仕様に。
抜けるのが心配ならこれまたコストコで売ってるダクトテープで留めておけばイイんじゃ無いかと思う。
マクガイバーが本気出したらきっと宇宙にだって行けてしまう優れたテープ。
鉄パイプが抜けないように留めるくらいどうって事は無いさ。
別にテープでテントを支える訳でも無いのだから。
見てくれが気に成るなら穴空けてビスとナットで留めるか、いっそリベットで留めるのも。
まぁその辺は適当に。
ってか、溶接した方が早かったかもね。
奥行きは短くするので、各部のフレームをカットして短くしておいた。
これで仕上がりサイズは決定。
ファスナーはアマゾンで買った正体不明のゴツいファスナー。
YKKのビスロンでは10VFに相当するのかな。
ともかくゴツいプラスチックファスナー。
それを太っとい針と太っとい糸を使って縫い付ける。
何もかもが、凄く大きいです。
糸はポリエステル#20ボンド糸。
表面を樹脂でコーティングしてる、やたらとパリパリした糸。
通常のポリエステル(テトロン)より耐久性は高いらしい。
別のミシンを使えばもう一段階太めの#8まで使えるのだけど、糸が切れる前に生地が裂けるだろうから#20を使っておいた。
#8って高いしね。
ハトメは元からプラスチックのハトメが打たれてるのでそのまま使っておく。
足りない部分はアルミの大型ハトメを打ってやれば良いかと。
後はこれに紐通してフレームに縛ったり、場合によってタイラップで留めたりするだけの簡単仕事だ。
お疲れ様。
欲を言えば生地はターポリンが良いと思う。
ターポリンとは、ポリエステルの布をPVC=ポリ塩化ビニルでコーティングした生地で、テントタイプの倉庫やトラックの幌や横断幕やらに使われたりする。
ブランドごとに耐候性には色々と有るけれども、どれもブルーシートよりは随分と持つので、サイクルハウスならまぁどれを選んでも良いかと。
カラーも豊富に有るので、青や黒やシルバーは勿論、緑のカワサキ仕様からオレンジのKTMバージョンまで色々と作れる。
2類(厚さ0.33mm)のお値段は、楽天やらで買えば1mで2500円くらい。
テント専門の販売業者なら1mで1000円くらいかな。
ユザワヤや大塚屋では売ってないので、通常ルートで購入するならこの2つ。
ネット注文のお手軽ショッピングだ。
大阪にお住まいの方なら、東大阪の安井商店(コロナウイルス感染拡大防止の為、店頭営業を自粛中)に行けば1m数百円で手に入る可能性は有るかもね。
東京は知らない。
http://www.bag-craft.com/
ターポリンは一般的には188cm幅なので、楽天で買ったとしても鞄を作るなら意外とリーズナブルな生地だ。
137cm幅はちょい割高なので、生地幅はちゃんと確認しよう。
意外とリーズナブルだけど、今回は15mほど必要なので、流石にそれだけ買えばまぁまぁなコストに成っちゃう。
A4トートバッグなら30cmもあれば事足りるんだけどね。
でも、今回はコストコブルーシートだけど、破れたらやっぱり次はターポリンかな。
ポリン星からやって来た頼れるターポリンかな、とか思ってる。
ただ、ブルーシートよりさらに重いのがネック。
ミシン自体は全然平気なんだけど、あの重量物を扱うのに私の腕力と背筋力が持つかどうかが心配だ。
ファスナーは、これまた欲を言えばYKKを選びたい所。
ビスロンの10VF/15VFなら、1.5mなら1本で1500円程度。
送料やらを合わせて、2本買えば3000円~4000円くらいか。
これまたまぁまぁ高い。
見積もり必要だけどYKKならココで買える。
ユザワヤでは手に入らないサイズや手に入らない長さのファスナーだって買える。
でも今回は、YKKでもどうせその内にブっ壊れるのでアマゾンの正体不明パクリビスロンで勘弁しといたるわって事で。
安いし。
別に大して難しいテクニックが必要な訳では無い。
シャツの袖口の剣先や、肩口のイセ込みなんかと違って、単に直線を縫うだけの簡単仕事。
サイクルハウスは、カステラみたいな四角い形では無くロールケーキみたいな形なので、出入り口はフレームの形状にフィットするようにそれなりに形作ってやる必要は有るけれど、まぁ大した事は無いさ。
ぞうきん縫えたらテントだって縫える。
でも、もう大変。
こんな巨大なの縫うのって本当に大変。
ミシン使って背中が筋肉痛なんて初めて成ったわ。
そう考えたら、市販のサイクルハウスって安いよなぁって改めて思う。
サイズが無かったから仕方なかったんだけどさ。
まぁまぁ苦労して作ったけれど、残念ながらその内に破れてしまうと思う。
何年後かは解らないけれど、所詮はブルーシートだから。
だからいずれは再び作る機会も有るかも知れないので、次やる機会までちょい筋トレしておこうかと思う。