鈴鹿8耐出場枠とトライアウトについてもう少し詳しく
この前にちょろっと書いた8耐と出場枠についての話をもう少し詳しく。
鈴鹿8耐の出場枠
出場枠は以下の通り。
(1)シード権取得チーム
(2)トライアウトで勝ち上がったチーム
WEC(世界耐久選手権)フル参戦チームを除いて、鈴鹿8耐にだけ出るチームはこの2つの出場枠を争う。
(1)シード権
以前は前年大会のトップ10トライアル出場チームだったが、現在のルールはちょっと変わっている。
この枠は合計6チーム。
プレミアムチーム枠が1チームと、チャレンジャーチーム枠が5チーム。
何じゃそりゃって方は、まずライダーカテゴライゼーションから覚えておこう。
ライダーカテゴライゼーション
これは、出場するライダーのランク分け。
分け方は以下の通りに分けられる。
カテゴリー1(5pt) | カテゴリー2(3pt) | |
MotoGP | 参戦経験がある | |
Moto2 | ランキング10位以内 | 年間参戦 |
WSBK | ランキング15位以内 | 年間参戦 |
BSB | ランキング10位以内 | |
JSB | ランキング10位以内 | 年間参戦しランキング11~20位 |
ASB1000 / SS600 | ランキング5位以内 | 年間参戦しランキング6~15位 |
*ランキングは2019年7月8日現在
*MotoGPクラスは2018年1月1日以降が対象
*ASB1000 / SS600= Asia Road Racing Championship
やこしいけれど、例えばMoto2ライダーの場合はこんな具合。
2019年7月7日のザクセンリンクが終わった時点で、ランキング1位のアレックス・マルケスは文句無くカテゴリー1。
最終的にランキング14位に成るが、ザクセンリンク終わった時点でランキング10位だった長島哲太もカテゴリー1。
だがザクセンリンク後にランキング11位だったレミー・ガードナーはカテゴリー2と成る。
同じくSBKでランキング15位だったレアンドロ・メルカードはカテゴリー1、ランキング17位のレオン・キャミアはカテゴリー2に成る。
カテゴリー1(5ポイント)、カテゴリー2(3ポイント)がライダーごとに割り振られ、チーム内のライダーが合計8ポイントを上回るとプレミアムチーム、7ポイント以下ならチャレンジャーチームと成る。
どれにも該当しないライダーは0ポイント。
シード権
シード権は昨年8耐の決勝結果で、プレミアチームは総合最上位1チーム、チャレンジャーチームは、チャレンジャーチーム内で上位5番手までがシード権を得る。
そのシード権を持つチームがこちら。
プレミアチーム | チャレンジャーチーム |
Kawasaki Racing Team Suzuka 8H | Honda Dream RT SAKURAI HONDA |
TONE RT SYNCEDGE 4413 | |
TEAM FRONTIER | |
Zaif NCXX RACING & ZENKOUKAI | |
Honda Suzuka Racing Team |
この5チーム以外はトライアウト対象レースを出走して結果を残す必要がある。
ヨシムラもヤマハファクトリーもHRCも名も無きバイクショップのチームも同様。
特別扱いしてくれない。
(2)トライアウト
トライアウトとは参戦資格を得る為のレース。
試験と言っても差し支えないかと。
このレースで規定の成績を修めたチームは鈴鹿8耐に参戦が許可される。
それがトライアウト。
12月14日 | セパン8時間耐久レース | セパン | 上位20チームから選出 |
4月5日 | 全日本ロードレース選手権シリーズ 第1戦 鈴鹿2&4 | 鈴鹿サーキット | 上位10チーム |
5月17日 | 鈴鹿サンデーロードレース | 鈴鹿サーキット |
鈴鹿2&4中止による代替開催
4月26日 | 全日本ロードレース選手権シリーズ 第2戦 | ツインリンクもてぎ | 上位10チーム |
セパン8時間耐久レースは、昨年モルビデリが走ったあのレース。
20位以内に入ると鈴鹿8耐への参戦権が得られるので、日本からも多くのチームが頑張って参戦した。
頑張ってセパンに参戦して鈴鹿への参戦権を獲得したチームはこの12チーム
Honda Asia-Dream Racing withSHOWA |
Yamaha Sepang Racing |
BMW Sepang Racing |
TEAM PLUSONE |
TONE RT SYNCEDGE4413 BMW |
Team Kodama |
KRP SANYOKOUGYOU & will raise RS-ITOH |
TEAM HANSHIN RIDING SCHOOL |
T.MOTOKIDS icu Takada I.W NAC SANYO |
TransMapRacing with ACE CAFÉ |
Yamashina Kawasaki KEN Racing & Auto Race UBE |
TEAM SUGAI RACING JAPAN |
8耐でお馴染みの名前がずらりと。
頑張った甲斐が有り早々と参戦権を獲得出来たので、余裕を持った準備が可能な筈だった。
筈だったのに。
だがその後、世界は混乱の渦中へと。
2&4、その代替イベントのもてぎ、そして鈴鹿サンデーロードレースは中止。
もはやトライアウトなんてしてられない状況。
「この未曾有の危機の中、本年度の鈴鹿8耐出場チームにつきましては、過去の実績等々を鑑みまして....」
って感じに、主催者が選ぶ事に成るんだろうと思う。
トライアウトやってたら順当に上がってくるだろうってチームを。
ヤマハファクトリーとかHRCとかヨシムラやモリワキや....って。
ただ、現在参戦権を持つチームにしてもこれから選ばれるチームにしても、本当に8耐に出れるのかは不透明。
世の中、はっきり言ってそれ所じゃ無いからね。
はっきり言ってレースやってるような状況では無い。
安全面でも、そしてさらに現実的な経済面にしても。
テレビで見てる側からしたらやってくれた嬉しいけれども、この世界経済の状況では参戦出来るのか、レースなんてのが成り立つのかどうかは不透明。
スニーカーと短パン有ったら事足りるような競技じゃないのだから。
250万円のバイクに数百万円のパーツ組んで、4万円~のタイヤとガソリンを浪費しながら用事も無いのに同じところを8時間もグルグル走るイベントが開催できるのかどうかは甚だ不透明なお話だ。
明日をも知れない小さなチームにしても、恐らくは創業以来最低最悪の危機を迎えるだろう巨大企業にしても同じ。
リーマンショックどころじゃ無いこの状況で、レースなんてしてられるのかって話だ。
FIMが500万円くらい援助してくれたら小さなチームは大いに助かるのだろうけど、まぁ絶対無い。
国や三重県の援助なんてさらに無い。
有る訳無い。
そりゃそうだ。
と言う訳で.....
どうだろうねぇ。
どうだろうなぁ。
テレビで見てるだけの私としては是非ともやって欲しいけれど、どう考えても.....