車線の話 前編

ここをご覧の方の中には釣りを嗜んでる方も居られるだろう。
そんな人たちの中には、こんな事を一度は思った事の有る人も居るかも知れない。
『窓から釣りが出来たら良いのに』
と。

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例えば京都北部の伊根。
舟屋と呼ばれる一階が船着き場に成ってる家が有名なのだけど、まさにあそこに住んだら部屋から釣りが出来てしまう。
何が釣れるかは別の話として。
アオリイカなら釣れるかな。
イカ特有のジェット噴射感は、魚の引きとはまたちょっと違ってあれはあれでスリリングだから、窓から釣れたら楽しいかもね。

そんな空想の一つくらい、釣りをする人なら一度はやってみた事が有るかも知れない。
現実的には、色んな物が錆びたり、湿ったり、ベタベタしたり、臭かったりと、ずっと住むのは中々に大変だろうけども、空想するだけなら何ら問題なんて無いさ。
空想の世界はいつも美しいのだから。

 

ここをご覧の方の中には釣りを嗜んでる方も居られるだろう。
そんな人たちの中には、こんな事を一度は思った事の有る人も居るかも知れない。
『窓から釣りが出来たら良いのに』
と。

例えば猫。
家の窓から魚肉ソーセージを着けて窓の外から道端にキャストしておけば、地域によってはかなり高確率で猫が釣れる。
しかも相手は四駆なので、トルク感はそこらの魚とは比べものに成らないエキサイティングなものだろう。

そんな空想するのは勝手だけど、他人にその空想を語ったりするとかなりヤバい人間だと間違いなく思われるので、そんな頭のイカれた空想を口に出す事はお勧めしない。
確実にあなたの周囲から人の数は減ると思うので、口に出すのは止めておくのをお勧めする。

 

では実際、家の窓から猫を釣ったらどうなるか?
倫理や道義、人としてそりゃどうなんだ?鬼畜外道なその所業は?って話以外にも、例えバーブレスフックを使ってキャッチ&リリースしたとしても、動物愛護管理法に抵触する。
この法律では猫ちゃんは所有者の有無に関わらず保護される対象と成っているので、野良猫をソーセージで釣って遊んでるサイコパスは確実に逮捕される。
対象となるのは
・全ての牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと、あひる
・人に飼育される哺乳類、鳥類、爬虫類に属する動物
これらが保護対象。
トカラ列島には野生の牛が生息するが、それも勝手に釣っちゃダメだ。
まぁ幾ら小型の牛とは言っても、牛に喧嘩売ったら踏みつぶされかねないのでお勧めしないけれど。

それ以外の動物なら良いのか?ってのは早計で、また別の法律が存在する。
鳥獣保護管理法と言うのも有って、こちらは全ての鳥類又は哺乳類に属する野生動物が対象。
ただしニホンアシカ・アザラシ5種・ジュゴン以外の海棲哺乳類、いえねずみ類3種については除外される。
海棲哺乳類については、色々と大人の事情が有るのかもね。
いえねずみは死ねと言ってる。

どの場合も、魚類や両生類は対象とされてないので、魚は釣っても問題は無い。
トンボやカエルを釣るのも問題は無い。
だが、種の保存法に抵触する恐れは有るので、何でもかんでも釣ったり食ったりして構わない訳でも無いのでその辺はご注意を。
動物愛護管理法にも鳥獣保護管理法にも抵触はしないが、ラッコを鍋にして食べたら問題は大いに有るのでそこのニシパは十分に注意しよう。

軟甲綱や頭足綱は動物愛護管理法や鳥獣保護管理法で規制されてないが、タコやイセエビを勝手に捕ってるとこれまた別の大きな問題が有るので十分な注意が必要だ。

なお狩猟は、わな、装薬銃、空気銃の4種類しか許可されていないので、サツマイモをエサにしてイノシシを釣るのも禁止される。
ハンターと言えば釣り竿を使いたい人も居るかも知れないが、残念ながら日本では釣り竿によるハンティングは許可されていない。
そんな考えする時点で随分とお疲れな感が有りそうなので、富樫先生を見習ってゆっくり休んで欲しいな。
ゆっくりお休みなさい。

 

分け隔てせず、多様性を認め合う社会を目指すのは、恐らく理性有る人間に取っては正しい道なのだろうとは思う。
逸脱するべきでない、正しい車線なのだろうと思う。
自然の摂理からすれば、白いカラスは群れの中で迫害され、群れの中の弱った個体は見殺しに、或いは場合によって仲間によって食われる事も有り得るのが自然の姿では有る。
だが我々は獣畜生ではないので、分け隔てせず多様性を認め合うのが正しい生き方で有ろう。
分け隔て無く、支え合い、認め合い、理解し合うのが正しい姿なのだろう。
ただ、これが中々に難しい。
有る生き物は中国に帰るだけでピーピーと大騒ぎされ、有る琵琶湖の魚は問答無用に生きたまま木箱に入れて処分される。
残念ながら至る所に線が引かれているのが無情な現実なのだ。

何においても誰かの都合によって何かしらの線が引かれて取捨選択されるので、この辺の線引きを自分の中で折り合いつけておかないと、社会の車線から逸脱してしまうので注意が必要だ。
鮒は釣って良いのに猫はなんで釣ったらあかんのや!と叫んだ所で社会は変わらない。
社会は変わらない代わりにアナタの評価は大いに変わるので、社会の車線とはちゃんと整合性をつけておこう。
昨今大きな騒動に成ってる、回転寿司屋で尻に太巻きを突っ込んだとかって事件を起こした人のように、はみ出し禁止の黄色いラインが引かれている社会の車線を逸脱しないように十分に気を付けたい。

 

と、まぁそんなこんなで実は車線の話を書く今回なのだが、サイコな話を書いててえらく長引いたのでまたしも本編は次回へ続く。

 

MOTOR CYCLE

Posted by tommy