二世ライダーは中々上手く行かない

バイクに乗るって、かなり異端な生き方だと思う。

十数万円出して教習所へ通って、250ccでも新車なら60万円ほど必要になり、さらには年齢によっては15万円以上ものバイク保険を入り、さらにはやたら高額な装備に身を包む。
大して燃費が良くない、場合によっては3000ccクラスの自動車と変わらない位にガソリンを食う。

概ね一人乗り。
タンデムデートは大体お断りされる。
夏は暑くて冬は寒く、梅雨時はグズグズに成る。
そして、転ぶと大変。
場合によってはそれっきり。

そんな乗り物。
金かかって、便利悪くて、暑くて寒くて、そして危ない。

そんな乗り物にわざわざ乗るって、どう考えても異端な生き方だとは思う。
バイクに乗らない人からしたら正気の沙汰じゃ無いぜってくらい。

ただ、それらの数え切れないデメリットを上書きするメリットが有るから乗ってる訳なんだけど、ハッキリ言って敷居は滅法高いのはどうにも致し方ない話なんだろうと思う。
シャープのガラケーからアップルのi phoneに乗り換えるみたいに簡単には話しは進まない。
ドリキャスからPS2へ乗り換えるように、公共交通機関からR25への乗り換えはそうそう簡単に話は進んじゃくれない。

通常、バイクに乗り始めるってのはかなりのパワーが必要に成って来る。
金銭面は勿論、免許を取りに行く時間的な問題、学校や職場での規則、そして何より親の反対。
仮に、何らかの漫画や映画に影響されたとしても、だからとポンっとバイクを買う訳には行かない。
バツ&テリーに影響されたとて、高校生がそうそう簡単にハーレーには乗れないのだから。

最も簡単なパターンは親が乗ってる事。
これが最も簡単なパターン。
所謂二世。
何の世界にしても取っ掛かりとしては最も簡単な道だ。
政治家から芸能人まで、何の世界にしても取っ掛かりとしては最も簡単な道。
その先については本人次第だけど、取っ掛かりだけに関してはそれが一番簡単だ。

レース界にも勿論二世ライダーは数多い。
親父が超一流で、息子も超一流、とは行かない場合も多いが、それでも少なく無い。

最も有名なのはケニー・ロバーツか。
親子揃って最高峰クラスの王者はケニーだけ。
かな。
どうだろう。

ブラドル、ガードナー、マモラ、ポンス、ハスラム、マッケンジー....
本人が凄く成りすぎたので250cc時代には既に言われなくなったロッシさんもそうだし、ニッキー・ヘイデンの父親もダート・トラックレーサー。
マルケスの親父は、兄弟と一緒に草レースやってたのかな。
ちょっとあやふやだけど。
あ、そうそう、先日BMWへ電撃移籍を発表した、マイケル・ファン・デル・マー君のお父さんもレーサー。
1984年のルマン24時間で優勝してる。

わざわざ羅列するまでも無く、現在のmotoGPはキッズの頃からスペイン選手権を走ってたりするので、大なり小なり親がバイクに関わってるんだろうけどね。
バイクのバの字も無縁な家庭では、わが子をスペイン選手権に放り込むのは中々難しいのだから。
ドヴィさんの親父が昨年シニアモトクロスのレースで事故したってニュースも有ったみたいに、きっと若かりし頃にはバイクに乗っただろうしね。

ビアッジみたいな例外は居るだろうけど、キッズから始めるのが当たり前な昨今、レースはやって無いにしても多くの場合、親はバイクに何かしら関わってるだろうと思う。
二世、場合によって三世だったりする。
皆がそうでは無いだろうけど。

レーサーの場合は、それで大成するかどうかは結局は本人次第なのだけど、それでも最初の一歩としては圧倒的に有利だ。
少なくとも、バイクと言えばナナハンとハーレーとラッタッターしか知らない両親の家庭に生まれるよりは遥かに有利だ。
その後は本人次第だとしても。

それは別にレースとは何も関係無い人とてそれは同じ。
その後、どんな方向へ進むのかは本人次第だけど、少なくとも親父がバイクに乗ってたら話は進め易い。
中には、自分がバイクに乗ってるからこそ息子には乗せたくない!なんてややこしい事を言う人も居るけれども。
気持ちは解らなくも無いけど勝手な話だ。
気持ちは解らなくも無いけどね。

友人の息子君が16歳に成った。
まだ子供の頃から親父のバイクの後ろに乗ってた少年。
幼少期よりポケバイが与えられたり、モトクロッサーが与えられたり、なんて事には成らない極普通の少年時代を過ごしてきたが、今は16歳。
もうバイクの免許が取れる年齢だ。

親父は尋ねた。

バイクの免許を取りに行くのか?
取りに行くなら教習所代は出してやるぞと。

息子は答えた。

....いや、いいわ。
と。

16歳からバイクに乗り、結婚しても子供が出来てもバイクバイクな人生を歩んでる親父。
そんな親父の密かな夢は、息子を二人でバイクに乗る事だった。

この先はどう成るかはまだ解らないけれど、今現在は儚く散ったその計画。
けんもほろろ、無残にも散った二世ライダー計画。
敗因は何処に有るのだろうかと、ちょっと省みる必要は有るのかも知れない。
高校生の子供が居る歳しながら、黄緑のデカいバイクに乗って毎週のように出掛けてる自分の生き方を省みる必要も有るのかも知れない。
ジャンボピーマンを乗り回す、自分の生き方を省みる必要は有るかも知れない。

二世ライダー計画は中々上手く行かないもんだ。
でも何時の日か、ジャンボピーマンが2台仲良く連れ立って走る日が来る事を願いたい。
もう片方のピーマンが、赤だろうと黄色だろうと構わないけれども。

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