苦悩の兄貴
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来期の去就に悩みを抱える男。
エスパルガロ兄弟の兄貴、アレイシ・エスパルガロ。
昨年復帰したスズキをここまで引き上げた功労者の一人で有る事に違い無く、本人も勿論スズキ残留は違い無いと思ってただろうが、ここでまさかの暗雲が。
ビニャーレスの抜けた所に誰が入るんだと思ってたら、まさか自分の抜けた後の話までされてるとは。
お兄ちゃん、ちょっとびっくりしたよ。
時既に遅し。
すでにヤマハもホンダもドゥカティも決定済み。
そもそもヤマハもホンダもドゥカティもエスパル兄ちゃんを取る気は無かったろうから、余り関係無いとは言えども。
ファクトリーで残るのはアプリリアだけ。
ラバトやミラーと争うポンコツバイクだけだ。
まさに状況は惨憺。
正直、スズキ残留以外に良い条件は無いので、ここはどうにか死守しなければ成らない。
どうにかこうにか。
もっかの問題は、アレックス・リンスが何処に入るかって事。
選択肢は3つ。
テック３かスズキかMoto2残留。
そのどれか。
これによってお兄ちゃんの人生は大きく揺れ動く。
アレックス・リンスがこの先、２年後のヤマハファクトリーを視野に入れるならテック3は最良の選択だろう。
でも初年度からファクトリーで戦いたいならスズキはとても良い条件。
現状、選択肢はどちらも魅力的だ。
Moto2のスター選手はどの選択を取るか。
そしてもう一人はヨハン・ザルコ。
昨年のMoto2王者。
ザルコだけに限らないが、みんな思いは同じ。
MotoGPで戦うならファクトリーで。
それはみんな同じ、ザルコも勿論同じ。
今期MotoGPクラスに上がらなかったのもそれが理由。
ドゥカティサテライトなら何処かから出れただろうけど、ファクトリーのシートは何処も空いてなかったのでもう一年Moto2を走る事を選択したのだ。
そんなザルコ。
仮にスズキがLCRからサテライトを出したとして、果たしてそれに乗るかと考えたら少々疑問が浮かぶ。
スズキファクトリーなら喜んで乗るだろうけど、正直ヤマハやホンダにはマシンでは敵わないスズキ、さらにそのサテライトと考えたら、ちょっとなぁって思ってしまうだろう。
じゃぁ、後さらに２年Moto2で走るかと言われたら、それはそれで悩ましい。
１９９０年生まれのザルコ。
ビニャーレスは勿論、マルケスやポルやレディングよりも年上。
夢は二年後のファクトリーです！
なんて暢気な事言ってられないお年頃なのだ。
夢はハロプロ！な２９歳地下アイドルくらい切羽詰った状況だ。
あ、それよりまだ随分マシか。
ともかく悩ましい、とても悩ましい話。
でもテック3なら、ほぼファクトリーと変わらないのでまだ選択肢としては悪く無いだろう。
体勢には差は有れども、マシン自体は抜群なのだから。
スズキとは今月中にテストする契約を結んだが、そのままスズキのシートに座るとは言えないので、まだまだ行方は解らない。
スズキファクトリー以外なら、テック3もやはり魅力的な選択肢。
さぁ、どうするか。
さて、どうしようか。
ザルコとリンスは如何なる選択を取るか。
彼らの選択如何で、エスパル兄ちゃんの人生は揺れ動く。
CRTなんてハナクソバイクで懸命に戦い抜いて、新参者の低スペックマシンと言えどやっとファクトリーマシンに乗れたのに。
成績だって悪く無い、リザルトだけではドゥカティより上なのにこの扱い。
不憫だ。
余りに不憫だ。
全身スズキマンなサイクルジャージまで作ったのに、余りに不憫だ。
で、カタルーニア予選。
渦中の人、エスパル兄ちゃんは昨年のポールから一転、まさかのFP1落ち。
しかも、尻の匂い嗅ぎながら走るのが得意なバラバラさんにFP1のトップタイムを奪われる始末。
ドヴィさんに続く３番手、予選１３位と言う惨憺たる成績。
この大事な局面でアピールは不発。
精神的な物だろうね。
やっぱ気持ちの問題なんだろうね。
テンション下がるわ。
しかもMoto2では、リンスとザルコはワンツー。
共にフロントローを取る好成績。
この大事な局面でアピールは万全。
テンション下がるわ。
ホント、どうしたもんだろうね。
エスパル兄ちゃんの苦悩は続く。
より良い道が花開く事を祈るばかりだ。