コンペティションモデルこそ電動たれ

ハミルトンがチームオーナーに! エクストリームEに新規チームを立ち上げ参戦

https://jp.motorsport.com/ExtremeESeries/news/hamilton-launches-own-team-to-contest-extreme-e/4870762/

 

エクストリームEとは、2021年から始まる予定の電動自動車のオフロードレース。
取り仕切るのは、フォーミュラEのCEOでもあるアレハンドロ・アガグ。

開催スケジュール(2021年)

日程 開催地 ステージ
1月22~24日 セネガル Ocean(海洋)
3月4~6日 サウジアラビア Desert(砂漠)
5月6~8日 ネパール Glacier(氷河)
8月27~29日 グリーンランド Arctic(北極圏)
10月29~31日 ブラジル RainForest(熱帯雨林)

 

大自然の中でレースするので、大規模な工事はせずにこのセントヘレナ号を移動手段&洋上パドックとして使うのだとか。

レースは、2021年は電動自動車、2022年からはヨーロッパでは絶賛推しまくり中の水素燃料電池車の参戦も有るとか。

 

望むと望まざると、そのうちに電動自動車か燃料電池車に成るのが避けれようも無い未来。
充電時間や航続距離、リチウムの安全性等の問題は抱えてるけれど、それもそのうちに解決するんだろうと思う。
結局の所、一般的な用途ではどう考えても電気自動車の方が良いだろうしね。
電気自動車のダメな所を頑張って探して、必死に成ってその存在を否定した所で、やっぱり一般的な使用では電気自動車が勝る。
現状では決して完璧とは言い切れないレベルだったとしても。

 

昨今、Well to Wheelって言葉をちょこちょこ聞くように成った、なんて人もちらほら居るんじゃ無いかと思う。
これは、井戸からホイール=つまりは資源を採取する段階から実際に自動車で走る時までの環境負荷、と言う考え方。
Tank to Wheel=自動車のタンクからホイール=要するに自動車の運転中だけでは無く、素材やエネルギーの素材採取段階からの環境負荷、と言う考え方だ。

鉄やアルミの採掘から自動車製造に必要なエネルギー。
レシプロエンジンなら、原油を掘り出してから輸送と精製のエネルギー。
電気自動車なら発電時のエネルギー。
そしてそれらの自動車を実際に使用した時のエネルギー。
それらを全部考慮しなきゃダメだよって考え方。

電気自動車は、自動車の運転時だけを見れば確かにエコロジーだが、発電時に加えてリチウムの採掘やバッテリー製造時の環境負荷が大きい。
したがって、環境負荷の小さな素材を用いたバッテリー開発と共に、バッテリーの小型化が今後は進むとされている。
航続距離を伸ばすためにバッテリーの大型化が進んでたものの、一転して今度は小型化への流れ、な兆し。

だからと小さなバッテリーではやはり不便なので、水素燃料電池が次世代の本命と言われている。
程よい大きさのバッテリーと燃料電池の組み合わせ。
水素燃料電池こそが正義、あとはクソだ!と言わんばかり、てか言ってる。
多くの特許と複雑なシステムを持つ水素燃料電池自動車が、環境保護の為の最適解で有ると。

電気自動車なんて主流に成ったら、既存の自動車メーカーが倒産しちゃうから、なんて理由では無い。
決して。
多分。
どうだろう?

 

現状、電動バイクは余りに未熟な存在。
あんまり聞いた事の無いメーカーを中心に多くの電動バイクがリリースされ、レースがMotoGPに併催された、幾つかの警察車両でも使われるようになった。
と言う物の、だからとこの先10年でガソリンエンジンから電気モーターへ切り替わるかと言えば、それはやっぱり無いと言い切れそう。

日本の4メーカーと、欧米の大手バイクメーカーが本気を出したら直ぐにひっくり返りそうだけど、既存のバイクメーカーとしてはレシプロエンジンを死守したいので、メーカーの抵抗が外力に負ける日が来るまでは難しいかも。
ハーレーもライブワイヤーを発売して、凄いよ凄いよとハーレーは熱く滾ってるけれど、だからと全部を電動化する気なんてさらさら無い。
Vツインなんて止めて全部電動化しますわ、なんて事には成りえない。

何処のメーカにしても、折角頑張ってエンジン開発に心血注いで来たのに、中国製電気モーターがメインに成ったら全部パーだから。
もう終わりですわ。
ヤマハ発動機なんて社名を変えなきゃ成らないレベル。

 

電動=通勤や配達等に使う実用バイク

レシプロエンジン=スポーツバイク

電動バイクとして、そんな図式がハマりそうな気もするのだけど、その一方でコンペティションバイクとしては電動は非常に優れてると私は思う。
コンペティションバイク=要するに、モトクロッサーやロードレーサー。
トランポに載せてサーキットやモトクロスコースに運んで、そこでグリグリ回って遊ぶバイク。
それら用途には電動は非常に優れてると私は思う。

 

一つがメンテナンスフリーな点。
駆動系と足周りを除いて、エンジンに相当する部分のメンテナンスが要らないってのは非常に有りがたい。

場所や道具や知識や技術などの制約によって、モトクロッサーを維持するのは少々の敷居は高い。
昔のTZやRS、現在のNSF250の場合、完璧な状態にメンテナンスするのはさらに敷居は高い。
家庭を持って週に5日働いてる人はそうそうバイク整備に充てられる時間も無いので、一ヶ月に一回しか乗らないバイクの維持管理は少々の負担に成る。

バイクってのは乗らなくても冷却水やオイルは交換しなきゃ成らないし、FI化した今でも季節によってある程度のセッティングは必要だ。
混合ガス作ってた時代に比べると、4スト+FIな現在はまだ幾らかマシなんだろうけど、大変な事に違いは無い。
数ヶ月放置してたらキャブが腐ってた時代に比べたらまだマシとは言えども。

だが電動化すると、オイルと水の交換は要らない。
ガソリンが変質する事も無いし、半年放置しててウォータージャケットが詰る事も無い。
5年間放置してても、足回りの整備を除いて、バッテリーさえ無事なら前日に充電したらすぐに乗れる手軽さは有りがたい。
季節ごとのセッティングなんてもう要らない。

 

もう一つが利便性。

これは人に、もっと言えば環境によると思う。
トランポ専用の軽トラにモトクロッサー積んでいく人と、普段ファミリーカーとして乗ってるセレナのシートを外してモトクロッサー積んでいく人の環境の違い。

前者なら何ら気にする必要は無い。
北海道の牧場を走って牛糞の山に突っ込んだモトクロッサーをそのまま荷台に積んでも何ら不具合は無い。
車ごと高圧洗浄してやれば済む話なのだから。

ただ、普段幼稚園のお迎えから休日にイオンへのお買い物にも使ってるセレナの場合は話は別。
牛糞は勿論の事、土や泥、オイルやガソリンの汚れは絶対に避けたい。
ほんのちょっとの汚れが、査定にも家庭環境にも響く恐れが有るので、可能な限りそれは避けたい。

でも.....
何年もトランポを使ってると、一回くらいはやっちゃうんだよ。
車の中でオイルを垂らしたり、場合によってはガソリンをばら撒いたり、なんて事が。

携行缶のキャップがちゃんと締まってなかったり、携行缶をひっくり返したり、またはバイクを倒してガソリンを漏らしたり、キャッチタンクに溜まったオイルをこぼしたり。
私もやった事は有るし、前に乗ってたハイエースでも何度かやたらガソリン臭い時が有った。
髪の毛がガソリン臭く成るくらいに、なんか火達磨に成りそうでちょっとドキドキするくらいにガソリン臭い時が何度か。

中古のハイエースなので別に問題は無いんだけど、これが家族で使うミニバンなら大きな問題な訳だ。
パパ臭ぁ~~い、なんて言われたらちょっと凹んでしまう。

その点、電動バイクならそんな心配は無用だ。
土や泥、あるいは牛糞臭く成るかどうかはともかく、少なくともガソリン臭く成る事は無い。
ママもニコニコ。
もう娘から臭い臭いと言われる事は無い。

 

そして何より、日本のモトクロスコースやサーキットが抱える一番大きな問題、騒音問題の解決には電動化しかほぼ無い。
周囲100kmにはガラガラヘビかプレーリードッグしか住んでないような所なら音量なんて気にする必要ないのだけど、日本ではそう言う訳には行かないからね。
静かにしろ!の声は、幾らコース側で音量を規制した所で静まる事は無い。

現状のMFJのレギュレーション94db(ピストンスピード11m/sec)は決して大きな音量ではないのだけど、それはあくまでバイク乗り側の意見な訳で、周辺住人からしたら騒音以外の何物でも無い。
そしてたとえその音量を例えノーマルのセローレベルまで絞った所で、静かにしろ!の声はきっと止まらない。
そもそもモトクロッサーで実現するのはそりゃ無理な話だ。
そんなにマフラー詰めたらエンジン壊れる。

電動は電動で不快な音が出るんだけど、それでも2スト4スト問わずガソリンエンジンのモトクロッサーよりは遥かにマシなのは言うまでも無い。
ただ一方で、モトクロスコースを走る側からしたら、あんまり静かなのは危ない気もするんだけどね。

公道において安全の為に社外マフラーに交換する、なんて寝言は真っ向から拒絶するけれど、走りながら後ろなんて振り返れないモトクロスの場合は話は別。
後方から近づくバイクの音は重要な情報なので、それが無くなると危ないかも知れない。
一人でコース走ってる分にはまだしも、混走するとどうだろうね。
その辺は実際に混走しなきゃ何とも言えないかも。

 

実際の所、今後電動化の話はどう進むのか、と言うか既存のバイクメーカーが何処まで抗えるのかは解らない。
けれど、レース用は別として、ファンライド用電動モトクロッサーはかなり有りがたい存在に成りそうなので、謎の中華メーカーだけで無く、KTMの他にも日本の4メーカーから出てくれないかな、とか思ったりする。
おじさんの友として名高い85ccラージホイールをベースにした、電動モトクロッサーが。
パパと家族の笑顔の為に。
電動は電動で問題は幾つか抱えてるけれど、電動にする事で今の問題の幾つかを解決出来るのだから。

でも、KTMにしてもやっぱり抗いたいんだろうと思う。
電動はなぁ.....って。

 

MOTOR CYCLE

Posted by tommy