で、結局O´Nealのヘルメットってどうなのよって話

前回書いたSHARPではオフロード用ヘルメットのテストは行われない。
じゃぁどうすりゃイイのさ、ってのは、オーストラリアのCRASH(Consumer Rating and Assessment of Safety Helmets)がそれに該当する。

これはニュー・サウス・ウェールズ州交通局、交通事故委員会(TAC)、オーストラリア保険グループ(IAG)から資金援助を受ける、オーストラリアの民間団体。
オーストラリア政府がやってる訳では無いが、ここも多くのヘルメットが同一条件でテストされている。
そして、特徴の一つにオープンフェイスやデュアルパーパスモデルのテストも行われるって点。
SHARPではテストされない、O´Neal Sierra II、そしてアライのツアークロス(オーストラリア名XD3/XD4)のテストもここでは行われる。

アライの国内モデルにGoth Trackerの後継とも言えるXDってヘルメットが有るけれど、それとこのXD3/XD4とは別物。
日本でXDと呼ばれるヘルメットは、海外ではRenegade-Vと呼ばれる。
ちょいややこしいけれど。
ちなみにオーストラリアではXDと呼ばれるツアークロスは、ヨーロッパではツアーと呼ばれる。
なんでわざわざ名前変えるんだろうと思うけれど、まぁ変るんだから仕方無いさ。

で、その無慈悲なテスト結果がコレ。
上がXD3=日本名ツアークロス2、下がXD4=日本名ツアークロス3のテスト結果。

ここはSHARPよりもさらに細かいテスト結果が公表されてるのだけど、最も評価ウエイトの重いハイスピードーフラットアンビルテストでは、30点満点中7.74点(XD3)/12.24点(XD4)と言う絶望の得点。
ハイスピード-カーブアンビルテストではそこそこ健闘したものの、ロースピードーフラットアンビルテストでは、15点満点中0点(XD3)と現実逃避したくなる得点だ。
100点満点での総評価=46.15(XD3) / 55.55(XD4)
XD4=日本名ツアークロス3にモデルチェンジして点数はちょい上げたものの、中々に手厳しい成績と言える。

 

ちなみにこちらがABSシェルのO´Neal SierraとO´Neal Sierra IIのテスト結果。

Sierra。

 

Sierra II。

上のSierraはアライのツアークロス(XD3/XD4)と同じテスト条件。
下のSierra IIは、テスト内容が変更される前の2017年以前のテスト結果なので一概には比べられない。

 

ツアークロスと同じテスト条件でのSierraのテスト結果は、XD3の46.15点/XD4の53.55点に対してSierraは60.39点。
テスト内容は異なるので一概には比べられないが、Sierra IIは71点と言う高得点をマークしている。
顎ひもの強さ以外の多くの部門でツアークロス3を上回る。
正直、スコアはかなり高い。
やるな、オニールちゃん。

ちなみにヨーロッパでの値段は、Sierraがレートによるけれど大体17,000円くらい。
一方ツアークロス=XD4は68,000円~80,000円近くに達する事も。
日本でダイネーゼを買ったらやたら高いのと同じく、ヨーロッパでアライを買ったらやたらと高い。
ショウエイは変らないんだけどね。
世界シェアNo.1故なのか、だから世界シェアNo.1を取れたのか。
でも、イタリアやスペインの人がこのテスト結果とこの値段差を見たら、ちょっと考えてしまうかもね。
アライって高いよねーゼって。
テストでの安全性がぶっぎりなら話は変わってくるのかも知れないけれどもさ。

あ、SHARPやCRASHのテストでは、もしかしたら柔らかいABSシェルはテストに有利に働いて、アライの強固なグラスファイバーシェルはテストには不利なんじゃないの?
なんて思った人も居るかも知れない。

その話は、またしても次回へ続く。

 

MOTOR CYCLE

Posted by tommy