味を取るか雰囲気を取るか

カウボーイスタイルってコーヒーの淹れ方が有る。
西部開拓時代のコーヒーの飲み方、らしい。

 

粗く砕いたコーヒー豆を鍋に入れ、水を注いで沸騰させる。
適当に煮出したらコーヒーのカスが沈殿するのを待って、カップに注ぐ。
コーヒーのカスがどうしてもカップに入るので、飲んでてカスが気に成ったらそこらにペッペと吐き出す。
これがカウボーイスタイル。

片岡義男だったかの小説に、こんなコーヒーの飲み方が書かれてたのだ。
まだ私が京都に住んでてCBR250Rに乗ってたガキッチョだった頃。
琵琶湖まで行って試した事が有る。
EPIのガスストーブとコッフェルセットと荒挽きコーヒーを持って。

いやぁ....
マズい。
こんなマズいコーヒーがこの世にお有るのか、って位。
まぁ、小説は小説か。
風味の無いただ黒くて酸っぱい液体をすすりながら、一つ大人に成ったような気がした、そんなカウボーイスタイルの思い出。

ちなみに、バイクのエンジンでボンカレーを温めた経験は無い。
パックが破れてCBRがボンカレー臭く成る未来しか想像出来なかったので、それについては未経験だ。
興味の有る人はお試しを。
カレー臭く成りたく無い人は、片岡義男の小説を読むだけに留めておくのがお勧めだ。

 

便利な世の中だからこそ不便を楽しむ。
この前もランタンの話でそんな事を書いたけれど、アウトドアってのはそういうモノ。
それはコーヒー一つ取っても同じ。
今やコンビニに行けば、200円出せばかなりレベルの高いコーヒーが飲める時代。
その道一筋ウン十年、って、コーヒー職人の淹れるネルドリップコーヒーに比べるとアレだろうけど、別にコンビニのコーヒーも普通に美味しいよね。
少なくともパーコレーターで入れるより。

 

ここ最近はコレ。
どんどんお手軽に成って、風情も雰囲気も何も無いけれど、味は抜群に安定してて手間要らずなドリップコーヒー。
パーコレーターはもはやただの茶瓶と化している。
そもそも、パーコレーターの中身を紛失したので、茶瓶としか使えないんだけど。

あ、このパーコレーターも私がガキッチョの頃に買った奴だけど、これで入れたコーヒーもこれまた本当にマズい。
カウボーイスタイルよりは遥かにマシだけど、これで作ったコーヒもやっぱり風味は無い酸っぱいだけの黒い液体な事に大した違いは無い。
火加減等、淹れ方次第で味は随分マシに成るみたいだけど、それでもペーパードリップには到底敵わない。
やっぱりコーヒーはペーパードリップに限るわ。
雰囲気は抜群なんだけどなぁ。

 

ガスストーブで個別パックのドリップコーヒーを入れる。
そんなお手軽な道を歩んでる私なのだけど、そろそろこいつを起こしてやろうか、なんて事も考えてたりする。

 

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MSR ウイスパーライトインターナショナル。

 

使用可能な燃料はホワイトガソリン、自動車用ガソリン。
ジェットを交換すると灯油も使える。
軽油も使えるらしいけれど、バイク乗りにあんまり関係無い。
エンフィールドのロビンやタウラスに乗ってる人を除いて。
他にもジェット燃料やシンナーやアルコールやテトラヒドロフランなんかもきっと使えると思うけれど、まぁ普通は使わないのでやっぱりあんまり関係無い。

なおこのシリーズにはホワイトガソリン専用のウイスパーライトと、マルチフューエルのインターナショナルとが有るが、バイクでのロングツーリングに使うならインターナショナルを選ぶのが賢明。
悪い事は言わんから、バイクツーリングに使うならインナーナショナルを買っておこう。

 

実は、なんて言われてもここをご覧の方は反応に困ってしまうだろうけど、実は海外ツーリングを計画してる人が居る。
私じゃ無いけれど。
海外旅行はおろか出張ですら少々困難大変なこのご時勢、本当に行けるのかどうかさえ怪しいけれど、ともかくなんかそんな事を計画してる人が居る。

その旅のお供として、私が提供してあげようと考えてるのがコレ。
もう何年も、もしかしたら十数年も使ってないコレ。
MSR ウイスパーライトインターナショナル。
どうせ使ってないし。

この海外ツーリングを予定してる人は、普段は普通にプリムスのガスストーブを使ってるのだが、流石に海外ではちょっと使い難いので今回はガソリンストーブ。
まぁアフリカの奥地に行く訳では無いので普通にガスカートリッジくらいは買えるとは思うんだけどね。

いわゆるOD缶、アメリカではイソブタンキャニスターって呼ばれるガス缶。
海外でもハイカーが使うストーブならコレが主流なので、ガソリン程では無いにせよ普通に手には入ると思う。

 

ちなみにアメリカンキャンパーが使うのは、プロパンガスだったりするんだけどね。
こんな16ozぽっちの使い捨てのキャニスターから、5人家族が1ヶ月持ちそうな大きさの詰め替えタンクまで。
盛大にプロパンガスを燃やして肉を焼き尽くす。
小さな道具で小さなキャンプを楽しむ我らには良く解らない世界だけど、ポンド単位で肉を焼く民族とはやっぱり住む世界が違うんだろうと思うな。

それはともかく海外ツーリングでの燃料。
ガソリンは大体どこでも手に入るので旅の燃料には最善の選択だと思う。
ただ、燃料ボトルは空にしてても飛行機に乗せれない可能性が有るので、ボトルのボッシュートは覚悟しておいた方が良いかも知れない。
ストーブ本体やポンプとは別に収納しておくのが良さそうだ。
下手したらストーブごとボッシュートされかねないからね。
この辺は、空港のチェックを受ける時までどう転ぶか解らないので何とも言えない。

 

ポンプを含めたプラスチック部品に破損は見られないので、多分燃料入れたら使えると思う。
ただ、着火をミスると盛大に火柱、もしくは黒煙が上がるので、家の中は勿論、我家の小さい庭でテストするのはちょっと難しい。
ハムスターでさえ物足りないような、住宅密集地の小さな庭でMSRのテストするのはちょっと難しい。

な訳で、次回のキャンプには久しぶりにこのウイスパーライトインターナショナルを使ってやろうと考えている。
いざ、って時に使えなかった困るからね。
そのテストも兼ねて、本格的に寒くなる前にちょこっと、この面倒なストーブを久しぶりに使ってやろうかと思う。
面倒だけど、雰囲気は抜群なガソリンストーブを使ってやろうと思う。
コーヒーは、ペーパードリップとさせて頂くけれどもさ。
雰囲気は結構台無しだけど、ここは味を取らせて貰うわ。

 

MOTOR CYCLE

Posted by tommy