実は工具を減らしたい

戦いは数だよ兄貴とドズルは言ったように、工具もまた数がモノを言うのが然り。
幾ら超高級ラチェットレンチセットが有ったとしても、それでママチャリのペダルもウインカーのレンズも外せない。
まぁ長州力のようにほぼ切れる事を知らないLED化が進む昨今。
ウインカーのレンズなんて外す機会なんて今後無くなるんだろうけど。

 

スナップオンだろうとスタビレーだろうとネプロスであろうと、3/8ラチェットレンチセットだけではどうにも成らない。
それがどれだけ高性能で有ろうとも、ネイキッドバイクのバックミラーを締め直す事は出来ないし、ホイールを外す事も出来やしない。
だからスクリュードライバーは要るし、スパナだって要る。
ソケットレンチは3/8Dr.だけでなく1/2Dr.のセットも揃えたいし、各種プライヤーだってハンマーだってその他細々した工具は色々と要るさ。

で、気付くと手提げ形工具箱はパンパンに成ってて、じゃぁと買った3段ツールチェストも直ぐにパンパンに成って、さらにツールキャビネットまでもが気付くとビッチリ埋まってしまう事に成る。
特に全天候型作業スペースを確保してしまったら、その瞬間から工具は加速度的に増えてしまう。

私もそんな道を歩んだ一人で、アパートの1階自室にYZのエンジンやフロントフォークを持ち込んだ時から工具は加速度的に増えまくった。
エンジン開けようと思ったら何かとモノ要りなので仕方無いんだけどね。
でも、それにしても室内にキャビネットを置いてからの増え方はちょっと驚いたもんだよ。
この時に使ってたツールキャビネットは、当時懇意にしてたバイク屋さんが新調するからとお古のを貰って来たモノ。
最初は入れるモノ無いからパンツでも入れておこうかと思ってたのだけど、ふと気付くとパンパンに。
お陰で引っ越す時なんかビクともしない位の重量に成ってて、安アパートだったので底抜けなくて良かったと思うわ。
2階だったらちょっとヤバかったかもね。
まぁ、2階に住んでたらバイクのエンジンなんて持ち込まなかっただろうけど。

 

リングレンチ(メガネレンチ)やラチェットレンチのように、立派に市民権を獲得して工具界の王道の地位を固めた工具は数多い。
誰もが持ってる、誰もが使う、そんな普通の工具。

一方で、まだそこまで確固たる地位を確保してる、とは言いがたい工具も存在する。

こんな、色んなサイズのボルトに使える便利なレンチや、モンキーレンチにラチェット機構を付けてみたりとか、なアイデア工具から、使いどころが限定されるフレアナットレンチやクロウフットレンチとか、有ったら便利だけど無くても大して困らないビットソケットとか、まだまだスタンダードツールとしての地位を確立してない工具は数多い。

ちなみに私は、ブレーキラインを初めとしたリングレンチが使えない場面では勿論フレアナットレンチを使ってる。
ハンドル取り付けタイプのバックミラーの締め付けにもフレアナットレンチを使ってるのだけど、ぶっちゃけ、まぁモンキーレンチでイイんじゃ無いの、とは思ったりはしてる。

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クロウフットレンチは、車を触ってる人は愛用してるだろうけど、ボンネット開けて頭突っ込むような事用事はほぼ無いので、ほぼ使ってない。
折角買ったのだからと、大した用事も無い箇所で使ってみた事は有るけれど、結局バイクでは殆ど要らない。
そんな、結局使わない工具を抱えてるからキャビネットの中身が全然減らないんだよね。
種類は沢山有れば便利なんだけど、でも正直そんなに要らんよなって思ったり。

で、このクロウフットレンチは、バイクでは2ストのシリンダーを組む際に時々出て来るソケットタイプのトルクレンチが使えない箇所で使われたりもする。
が.....

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私はこんなトルクレンチを使ってるので、やっぱり出番は成さそうだ。
私のクロウフットはこの先も引き出しの中で眠り続けるだろうと思う。
タンスの肥やしって奴。

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ちなみに、上の東日のトルクレンチは、先にこんなのを付けて使う。
これはレンチサイズ12mmのリングヘッド。
これを装着したらリングヘッドのトルクレンチとして使えるので、ヤマハの2ストパラ2エンジン、要するにRZやパラ2TZRのシリンダー、或いはRGVΓのシリンダーの、ソケットレンチ型トルクレンチが使えない箇所に使える。
だからコレを使えば、仕方無いのでそこだけ勘でギュっと締めておく、なんて適当な仕事でお茶を濁す必要は無い。

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やたら高いけれど、こんなラチェットヘッドをセットしたら普通のラチェットレンチ型トルクレンチとしても使える。
クイックリリースも付いてないのにやたら高いけどね。

 

そしてこれ。

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スピーダーハンドル。

このスナップオンを始め、色んなメーカーから発売されてるのだけど、ドライブ部分がフレックスでは無いタイプは、残念ながら使いどころは無い。
無い、と言い切るのはちょっと言いすぎかも知れないけれど、高トルクで締まったボルトを緩める際、ここが90度折れ曲がらないと、このスピーダーで緩めるのは非常に困難と成る。
すっごい力持ちな人ならその限りでは無いかも知れないけれど、私にはちょっと無理だ。

トニー!こんなレンチじゃ力入らないよ!

だからフレックスヘッドのスピーダーを選択する必要があるのだけど、非常に残念なお知らせは選択はスナップオンのSN4Bかコーケンの4781Nフレックススピーダーくらいしか無いって事。
価格差は2.5倍くらい有るので、買うとしたらコーケン一択かな、って思う。

 

このスピーダーハンドルって工具。
一見ただのアイデア工具みたいだけど、MotoGPを初めとするレーシングシーンではやたらと良く見かける工具だ。
駆動ツールとしては、エアも有れば現在は電動もかなりパワーアップして使い勝手は上がってるのだけど、それでもやっぱり時間に追われるレーシングメカニックの愛用工具はコレ。
LCRのピットでGIVI&CASTROLカラーのマシンを、メカニックが必死の形相で修理する光景はお馴染みの光景だった。
そんな、時間に追われるレーシングメカニックが愛用する工具がコレ。
スピーダーハンドル。
来年からはあんまり見られないかもね。

 

実際、このスナップオンのスピーダーを持ってる人が居るので何度か借りた事は有るのだけど、これは確かに便利。
通常のブレーカーバーとは随分感覚が異なるのでこれで締めるにはちょっと気をつけなきゃ成らないかも知れないけれども、緩めるには確かに抜群に早い。
M6(二面幅10mm)くらいならTレンチの方が早いけど、あれはM8(二面幅12mm―小形)が限度。
M10(二面幅14mm―小形)に成るとちょっと私の腕力では緩めるのは難しい。

そんな時にはスピーダーハンドル。
慣れれば、ブレーカーバーを真っ直ぐにして指でクリクリ回すよりも早い。
エアに負けるけど、ハンドツールとしては恐らく最速の部類に入るかと思うな。

 

ただ難点は、収納がとても邪魔って事。
全天候型の作業場なのでそこらに適当に突き刺しておけば良いのだけど、それにしても置き場がちょっとなぁ、ってのが問題。
そして何より、そこまで急いでボルトを抜く必要が有るのかい?って根本的なお話。
....無いな、きっと無い。

と言う訳で、やっぱり止めとこうと、そっとショッピングサイトのページを閉める私なのだった。
そう、工具を減らしたいんだよ、兄貴。

 

MOTOR CYCLE

Posted by tommy