オーストリアではウイリーすると罰金136万円が科される

論法、なんて大層なレベルでは無いと思うのだけど、ともかくこんなのが有る。
出羽守論法

 

アメリカでは高速道路が無料なのに日本は高すぎる

フィンランドでは私立高校さえ授業料無料なのに

フランスでは出産費用はゼロなのに

オーストラリアでは

ニュージーランドでは

欧米では

海外では

木星では

サイド3では

 

と、そんな具合に〇〇ではXXなのに.....ああ嘆かわしい。
こんな感じに使う事が多い。

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他所の良い面を見て己を見つめ直すのはとても結構な事だろうとは思う。
なんで自分はアホなんだろうかと嘆く前に、テストの成績の良いクラスメイトのノートの取り方を参考にするのは、学力アップにはとても有効な手段だろう。
MotoGPのルーキーライダーが、同マシンに乗る先輩ライダーのセッティングやライディングを参考にするのも、とても正しい行為と言える。
立ち居振る舞いから人生全てにおいて、自分より優れている者を参考にして、良い物を取り入れるのはとても正しい生き方で有ろうと思う。

ただ、そうは言っても限度は有って、何から何まで他人の優れた部分を取り入れるってのは難しい。
何時もご近所さんが飛騨牛ばっかり食べてるからと、それを真似するのは難しいだろう。
ダリン・ビンダーに、クアルタラロと同じ走り方しろやと言うのも、それもまた難しい。
んなの出来りゃ苦労しないんだりん。
経済的な問題だったり、能力的な問題だったり、その理由は様々で有ろうが、他人の良い所を取り入れるのはそれはそれで中々難しい話だ。

それが国の体制なら尚更。
事は数千万~数億人に影響を及ぼす話。
スイスでは国防意識が高いんだよと言われた所で、日本がスイスの真似するのはやっぱり無理な訳だ。
一家に一丁、20式ライフルを常備させるのはやっぱり難しい。

他所は他所、ウチはウチだと、お母さんも言ってるように、他所の良い所を取り入れるのは良い事では有るけれど、さりとて他所とは事情は違うのでそう簡単な話じゃ無いんだよって事だ。

 

そして、この出羽守論法の最大の問題点は、論者の都合によって取捨選択、いわゆるチェリーピッキングが成されてるって事。
高速道路料金にしても車検制度にしても、バイクや車を乗る上では日本に比べて遥かに素晴らしい制度を持った国は有るが、一方でバイク保険はスーパースポーツならバイク1台買えそうな位に高かったり、ドイツなんかはハイオクがリッター300円近かったりもする。
良い面だけを選択すれば日本より素晴らしい面なんて幾らでもあるが、あくまでそれは一面で有り一部で有る事を理解する必要が有る。
日本並みの保険の安さで、アメリカ並みのガソリン価格で、ドイツ並みの高速道路事情なら言う事無いんだけど、それはやっぱ難しいよねってのが現実だ。
理想的だけど、やっぱり現実は無情だ。
それを分かった上で、自分の都合の良い事実だけを挙げ連ねる出羽守論法は非常に悪質だと言える。
分からないでやってる人は....まぁアレだね、アレ。

 

以前勤めてた会社でも居たんだよ。
出羽守が。

HISの格安ツアーでグアムに行った程度の海外経験な割に、都合に合わせて欧米各国の良い所を挙げて、日本の事、そして己の勤める会社の事をコキ下すのが好きな人が。

ヨーロッパでは〇〇
アメリカでは〇〇
マイクロソフトでは〇〇
って。

いやいや、マイクロソフトと比べるなよって。

その人と違って私は非常に忙しかったので特に相手もしなかったのだが、今に成れば言いたかったなぁって思う。
『社内不倫してるお前はサウジアラビアでは死刑だよ』
と、言いたかったな。
言えば良かったな。
でも言えなかったな。

 

 

日本ではウイリーすると逮捕される場合が有る。
暴走行為(共同危険行為等)だそうで。

”共同危険行為等とは、2人以上の自動車(オートバイを含む)または原動機付自転車の運転者が、2台以上の自動車または原動機付自転車を連ねて通行または並進させて、共同して著しく道路における交通の危険を生じさせるまたは他人に迷惑を及ぼす行為”

https://koutsu-bengo.com/bosokoi/

だそうで、これが一人ぼっちウイリーなら捕まって無かったのかも知れない。
どうなんだろう。
なお、法廷刑は2年以下の懲役または50万円以下の罰金。

 

日本は厳しいよね。
欧米ではウイリーなんて当たり前なのに。

等とお思いの人も居るかも知れないが、実はこんな記事が有ったりする。

オーストリアでは、ウイリーしたら罰金10,000ユーロ(136万円)課せられるよ、って記事。
ウイリーだけでなく、ストッピーやバックファイヤ(アフターファイヤ)、ドーナツターン、ホイールスピンなんかも禁止行為。
場合によって3日間のバイク没収に加えて非常に重い罰金が科せられる。
オーストラリアじゃ無くて良かったねと、ジャック・ミラーに言いたい。

オーストリアと言えばKTM。
KTMと言えば、乗ると条件反射的にウイリーしたくなるバイクしか作ってない会社。
DUKEに乗ってウイリーしたく成らない人なんてきっと居ないに違いない。
そんなアグレッシブでイカれたバイクばっか作ってるKTMのお膝元だ。
それでこの法律は酷な話だけど、だからこその法律なのかも知れない。
だからこその反デューク法なのかも知れない。

同様の法律は他にも有って

デンマークでは、危険運転したバイクは没収される。
現に今は1日に3台ボッシュートされてるらしいよ、って記事。
これはデンマーク人に限らず、旅行者だって同様。
それがたとえレンタルバイクで有ろうと例外は無い。
ちなみに、ボッシュートされたバイクは、オークションで売り飛ばされるらしい。
なんて無慈悲なひとし君。
流石は伝説のスーパーひとし君だ。

自分のバイクならまだしも、レンタルバイクでも没収されてオークションに掛けられるんだから、その沙汰は非常に厳しい。
レンタルバイク会社に賠償しなきゃ成らないので、もしデンマークをレンタルバイクでツーリングしようと考えてる人が居たら十分に注意したい。
K1600なんかを借りて調子乗っててボッシュートされたらえらい事だから。

 

と言う訳で、海の向こうは良い事ばかりじゃ無いかもね、ってお話。
まぁ、そもそも、用事もないのにウイリーするな、って話なんだけどね。
DトラやDUKEにお乗りの方以外も、皆様どうかご注意を。

MOTOR CYCLE

Posted by tommy