トプラクとホンダの前途は波高し

202年のSBK王者、トプラク・ラズガットリオグルがMotoGPのテストを行ったのは皆様ご存じだろうと思う。

ヤマハの皆様は比較的好意的なコメントを残しているが、現実は中々に厳しい。
タイムは1m38.860秒。
昨年のヘレスのタイムは、ポールポジションのバニャイアが1m36.170秒。
FP1なら10番手近辺に入れるタイムで有ったので健闘したよって意見も有る。
だけど、FP3ではダリン・ビンダーよりも遅いタイムなので、もうちょっとなぁって意見もまた。
別にタイムアタックが本題では無いので、関係無いと言えば関係無いのだけど、クラッチローやペドロさんが1m37秒台を出してるので、その差は如何ともしがたい。
現役を引退したテストライダーと、これからデビューを目指すテストライダーを比べる事に意味が有るのか否かは別の話として。

前途有望と言われながらも、日に日に年齢を重ねている現在26歳。
MotoGPのマシンとコースと他のライダーに慣れるまで待ってくれる程の余裕は本人にもチームにも無いので、どんな小さな取っ掛かりも確実に掴みたい。
そう簡単な話じゃ無いんだけども、それを掴んだ人間だけがMotoGPのトップの一握りに入れるのだから、現実は厳しいお話な訳だ。

何より厳しいのが、ここに来てモルビデリが突然目覚めた事。
第二次性徴が発現して突如モジャモジャ生えて来たみたいに、前回のアルゼンチンで突如目覚めたモルビデリの存在がこれまた大問題。
ファクトリーに昇格はしたものの、不振に不振が続きこのままフェードアウトするかに思えたモルビデリだが、突然覚醒して4位を獲得した前回のアルゼンチン。
このままこの覚醒状態が続くなら、信頼と実績が十分のモルビデリを散髪する必要なんて無いので、当然ながらヤマハファクトリーのシートは埋まる事と成る。

ただ、それでもやっぱり尻の毛に火が着いてモジャモジャしてる状態には違いは無い。
モルビデリに取ってはこのアメリカと、その後のヨーロッパラウンドの序盤が正念場、毛根のこらえどころと成るので、どうにか十分な結果を残して存在感を示しておきたい。
だが同時に、それはラズガットリオグルには困った話とも成るのが如何ともしがたい話な訳で。

クアルタラロが突然ブチ切れて出て行ったら話は変わってくるのだけど、2人続けてエースが脱走する事は無いと思うので、それを期待するのはちょっと難しいか。
引っ越し屋のバイトじゃ無いのだから、ファクトリーライダーがそうそう脱走なんてしないさ。
多分。

 

ラズガットリオグルだけで無く、来季以降はMoto2からの昇格は未来の星アコスタと、現在ランキングトップのアルボリーノが控えている。
一方、来シーズンで空きが出そうなのはドゥカティの1つくらいなので、せめて後1チーム増えない限りは、この人余り状態が解消される事は無さそう。
なんとなくな空気感では、マルク・マルケスがKTMに移って、マルティンがレプソルホンダに移って、なんて適当な話もチラっと有ったり無かったりはするけれども、それとて来シーズンの話では無いもうちょい先の話だ。

ともかく前途多難。
結論。
スズキが悪いんや、スズキが。

 

もう一つの困った話がコレ。

そのヘレスでカレックスのフレームがテストされ、アメリカズGPでブラドルが実戦投入して、早ければスペインGP、或いはその直後のテストでファクトリーライダーに提供される。
そんな誰しもが極普通に考える予定表が勝手に一人歩きしてたのだけど、現実は何とも無情。
先日のヘレスのプライベートテストではそのフレームがお披露目される事は無く、どうやらアメリカラウンドでも現状のまま走るみたい。
開幕前の段階で、マルク様によってこれはアカンわと断罪されたバイクをテストして何に成るのかは解らないのだけど、ともかく収穫有ったのか無かったのかのテストを経て、特に代り映えのしないマシンでアメリカラウンドを代理参戦するみたいだ。

そもそも、当初の計画はスペインGP後のヘレスでカレックスのフレームをテストする、って事に成ってたので、先だってのプライベートテストでは投入されないのが規定路線だったとは言えども、現在のホンダの状況を勘案したらやっぱり当事者は色々と思ってしまうんだろうとは思う。
マルク様は勿論、ミルもリンスも色々と。

元王者のミルと、昨年絶好調な事も沢山有ったリンスのお二人は、何でこんな事に成っちゃったんだろうかと自問自答してるだろう。
去年の今頃の二人は、来年も青いバイクでチャンピオン争いしてる事を想像してた事だろう。
でも残念ながらこの無情な現実は一朝一夕でどうこう成る話では無いので、辛抱頂くしか手は無さそうだ。

結論。
スズキが悪いんや、スズキが。

 

MOTOR CYCLE

Posted by tommy