ベアリング呼び番号の読み方
6202LB
このベアリングの場合、書かれている数字はこの意味と成る。
6 | ベアリングの種類 | 6=深溝玉軸受を意味する |
2 | 直径系列 | 内径に対する外径の比率 |
02 | 呼び軸受内径 | 02=15mmを表す |
LB | シールの種類 | LB=片側非接触ゴムシール形 |
これは基本的な深溝玉軸受=ラジアルボールベアリングの表記。
従って、一般的なバイク用ホイールに使われるベアリングの場合は、最初の数字は全て深溝玉軸受を表す6から始まる。
呼び軸受内径は以下の通りに定められている
00 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | … |
10mm | 12mm | 15mm | 17mm | 20mm | 25mm | 30mm | … |
基本的な内径サイズは上の通りだが、これでは具合が悪い場合も有るので、22mm、28mm、32mmがこれらに加えてラインナップされる。
その場合は62/22、62/28、等と表記される。
この場合も読み方は同じで、最初の6が深溝玉軸受、次の2が直系系列、スラッシュ( / )の後の22や28はそのまま内径をmmで表す。
ぶっちゃけ、こっちの方が解りやすい。
呼び軸受内径に対して、外径がどれだけ大きいかを示すのが直径系列。
7>8>9>0>1>2>3>4の順に大きくなる。
このように、7が一番小さいので注意しよう。
なお、ラジアルボールベアリングに厚み=幅系列は基本的にはない。
通常、内径と外径が同じで幅が違うラジアルボールベアリングは規格品では存在しないので、幅の表記は無くても困る事は無いのがその理由。
特注はその限りでは無いけれども。
シールの種類は以下の通り
記載なし | 開放形 |
ZZ/ZE | 両側鋼板シールド形 |
LU/NSE | 片側接触ゴムシール形 |
2RS/LLU/DDU/2NSE | 両側接触ゴムシール形 |
LB/V/NKE | 片側非接触ゴムシール形 |
2RZ/LLB/VV/2NKE | 両側非接触ゴムシール形 |
バイク用のホイールベアリングとしてどれを選択するかは各人の思想によるので一概には言えないけれども、今回の選択は片側非接触ゴムシール形と開放形を選択。
ホイールの両サイドは片側シール、リアホイール左奥側は開放形。
それぞれベリングの片側に普通のリチウムグリースを詰め込んで使用。
シールを外して脱脂してからグリースを詰めてシールを戻したりはしない。
バイク用のホイールベアリングなら別にこれ以上の事を気にする必要は無いが、コンプレッサーや電動モーター、或いはエンジンの整備にはもう一段考慮する必要が有るのは隙間と精度。
C2<CM<CN<C3<C4の順に隙間は大きくなる。
基本的には小型かつ高速回転する程に隙間は小さく、粗雑な機械程隙間は大きく設定する。
また、熱の掛かる部分では膨張するので、この場合も隙間は大きめに設定する。
一般的にエンジン内のベアリングはC3、或いは指定が有ればC4を使う。
CNでは焼き付く可能性が有るので、良く解らないなら純正部品を使うのが得策。
既製品で同サイズが有れば一般流通品を使うのも良いと思うが、クランクに使われるベアリングはサイズが合わない場合も多いので、結局は純正品を使うしか無い場合も多い。
ホイールベアリングの場合、人によってはCNが良いとかC3が良いとかって言われるが、まぁ好きにすればイイんじゃないのかな、って思う。
17インチのメガツアラーを時速300kmで走らせた場合でも、ホイールベアリングの回転数は2,600rpm程度なので、CNかC3のどっちだろうと特に大騒ぎするような事は無い。
お好きな方をどうぞ。
精度等級は以下の通りと成る。
0級<6級<5級<4級<2級
(JIS B 1514-1)
0級が一番精度が劣り、2級が最も制度が高い。
JIS B 1514-1=ラジアル軸受けの精度等級には3級は存在しない。
これはISO492でも同じで、Nomal<Class 6<Class 5<Class 4<Class 2と、精度が高く成る。
この場合もClass 3は存在しない。
なお、ホイールベアリングの場合は通常は0級を使う。
0級以外では、ラバーシールのベアリングの選択肢はあまり多くは無いので、一般的には0級を使う。
こだわりのアナタは5級のラバーシールを使って頂いても結構だが、でもその精度の違いを体感するのは難しいかも知れない。