ふと気づいたら、何もかもが霧散するのがこの世の常

『オレ、禁煙したら腕時計買うんだ。ちょっと良い時計を』

タバコ1箱、今は600円くらいかな。
毎日1箱消費したら、一年間で約22万円。
ここをご覧の選ばれしセレブリティな皆様からしたら玩具感覚かも知れないが、一般的な庶民感覚からすれば22万円の時計と言えばそこそこ良いモノだろうと思う。
少なくとも、学生時代に買った2万円の時計を未だにしてる私としては、まぁまぁええ時計してるやんけと、そんな気分に成ってしまうお値段だ。

今喫煙してる人は、禁煙すると1年間で22万円のコスト減と成る。
さらにビールもほぼほぼ毎日1缶飲んでる人なら、1本250円として9万円。
これだけで30万円ものコストが削減できる。
凄いね。
ブレゲを買おうと思ったら随分と長生きする必要が有るけれど、グランドセイコーなら1年で買えてしまう計算だ。

だがしかし。
だがだがしかしかしかし。
この世に禁煙した人は数多く、禁酒した人も数多く、習慣のように買ってたジャンプやマガジンやプレイボーイやデラべっぴんを止めた人も数多いだろう。
にも関わらず、その貯まってる筈のたばこ代、酒代、そしてデラべっぴん代は、不思議な事にいずこかへと霧散してる事は世の常だったりする。
一体、オレは何に金使ってんだ?
そんな不思議な思いに駆られた人も数多いんじゃ無いかと思う。
そう、金と時間ってのは、ふと気づいたら霧散してるものなんだよ。
いやぁ、もう8月も終わろうとしてんだよね。
びっくりしたわ。
プッチ神父の仕業だな。
そうに違いない。

 

燃料油価格激変緩和補助金

燃料油価格激変緩和対策事業とは?
コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」(令和4年4月26日 原油価格・物価高騰等に関する関係閣僚会議にて取りまとめ)に基づき実施する施策であり、原油価格高騰が、コロナ下からの経済回復の重荷になる事態を防ぐため及び国際情勢の緊迫化による国民生活や経済活動への影響を最小化するための激変緩和措置として、燃料油の卸売価格の抑制のための手当てを行うことで、小売価格の急騰を抑制することにより、消費者の負担を低減することを目的としています。

補助金が無いとどうなってたか?
これを良く見て感謝しろよ、愚民ども!

ってのが、資源エネルギー庁のウェブサイトに掲載されている。
補助金がガンガン投入されてた時期は、41.9円も抑制されて170円前後と成っている。
その後補助金は引き下げられたので、現在は10円前後の抑制と成っている。
とは言えども、2023年8月末頃の現状では190円程度だが、補助金が無ければ既に200円と成ってる訳だ。

で、この補助金。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023012600856&g=eco
こちらの時事通信の記事によると、2022年1月から現在まで6.2兆円も注ぎこんでるらしい。
すごいね。
だって、日本の税収は、租税と印紙収入を合わせて年間65.2兆円。
所得税やら法人税やら消費税やら相続税やら、さらに印紙の収入も合わせて65.2兆円しかないんだよ。
その日本中から集めた税収の10%もの大金を、ガソリン、軽油、灯油、重油の価格を抑える「激変緩和措置」としてこの20か月で訳の解らない内に溶かしてる事と成る。

ちなみに内訳はこんな具合だ。

https://www.sekiyukumiai.or.jp/information/dataimge/1685518236.pdf

 

現在の揮発油税は、課税標準が揮発油1キロリットルにつき2万4300円。
昔は暫定税率と呼ばれていた特例税率が2万4000円。
地方揮発油税が5500円。
合計で1キロリットル当たり53800円=1リットル当たりで53.8円。

令和5年度の税収は
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d10.htm
こちらの財務省のウエブサイトによると、揮発油税が1兆9990億円、地方揮発油税が2139億円。
合計で2兆2千億円くらい。
これが令和5年度の揮発油の国税と地方税を合わせた税収。
それに加えて、航空燃料税は1キロリットル当たり26000円で、税収は492億円とか、まぁあれこれと。

これがもし、いわゆるトリガー条項が発令されて特例税率を凍結したら、揮発油税が半分と成るので税収も半分と成り、揮発油税収は9995億円と成る。
税収が1兆円減る事は財務省からしたら由々しき事態なのだが、このガソリン価格を抑えるために20か月でかれこれ6.2兆円も溶かしてる現実を考えたら、どっちがお得かは、きっと小学生でもお解り頂けるだろうと思う。
1kg10円で買い取ってくれるペットボトルキャップ30kgを3060円掛けて宅急便で処理業者へ送る、みたいな話。
いっそ無税にしても2兆2千億円なのだから、そっちの方が随分とお得かもしれない。

国民の行動を管理出来る中国政府が日本への悪戯電話を放置してるのは、エバーグランデの問題とその他数多くの経済問題を外敵に目を向けさせる事でうやむやにするためだろう、その気に成れば全員闇に葬れるのだからな。
DDoS攻撃は規制するけれど、日本相手のイタ電くらいなら、それで都合悪い事をうやむや出来るならオッケーアルよ。
なんてのと同じく、薄く広く減税するよりも、特定の箇所へまとまった現金を渡した方が何かとメリットが大きいから現金渡してるんだよ、なんて穿(うが)った見方をしてしまいがちなのだけど、その辺については皆様の判断にお任せするわ。

 

これは石油元売り会社へ補助される訳だが、政府が直接エネオスや出光にお金を渡してる訳では無く、事務的な手続きや広報は一般社社団法人全国石油協会を通り博報堂へ126億円で委託され、博報堂はワントラップ入れて株式会社ヴァリアス・ディメンションズに100億円で丸投げしている。
再委託比率を原則50%以内なんて話は、もはやフィクションの中で世界での話だ。
その他、博報堂プロダクツ、博報堂コネクト、博報堂DYメディアパートナーズの3社に合計8億円で再委託。
ワントラップしただけで17億円稼いだ博報堂は、さらにグループ全体で25億円くらい稼いだのだから、中々に良い商売をされてるもんだと思う。
ええ商売しとるもんや。
https://www.enecho.meti.go.jp/appli/implementation/2023/0630_02.pdf
パソナと大日本印刷は今回外されたけれど、次の案件はどっちかが取れる、かもね。
世の中上手い事周ってるのだから。

3社しかない石油元売り会社への補助金交付に、一体どれだけ高度で複雑な事務手続きと広報が必要なのだろうと思うのだけど、きっと必要なんだろう。
多分。

で、その肝心の補助金の受け渡しについては、公開はされてないが一般的にはメガバンクが使用される。
現金輸送したり仮想通貨でやりとりしたり、なんて事はしない。
持続化給付金の際にはみずほが1件当たり846円も振込手数料を取ってた事を指摘されてたが、この給付金も何処かのメガバンクがそれなりの手数料を取って入出金手続きが成されると思う。
流石に1件846円では済まないので、6兆円もの額に成れば手数料もそれなりの額になるんだろうと思う。
ええ商売しとるもんや。
いや全く。

時事通信が伝える所では6.2兆円溶かしてる=正しくは逐次投入のお陰で予算総額が6.2兆円規模にまで膨らんだ燃料油価格激変緩和補助金。
9月以降もまだ続けるらしいので、この額はまだまだ増えていくんだろう思う。
しかも原油価格は上昇中で、為替に至っては5月以降円安が続き今年の最安値を更新中。
直近の最高値を割と簡単に超えて147円台に突入したので、次は2022年10月の151.944まで進みかねない絶望の展開が待っている状態だ。
目ぼしいレジスタンスラインが無いので、8月29日のJOLTS~ドル買いが行われやすい月末~9月1日の雇用統計次第でこのまま突っ走る可能性も有るかも。
流石に勘弁して欲しいわ。

そろそろ勘弁してくれよと、そんな悲痛な声は日本各地から上がってるだろうけど、どうしようも無いのがとても残念なお知らせな訳だ。
なんせこれから円高に転換するには、アメリカ経済が盛大に転ぶか、日銀が手持ちの米国債を処分して介入するか、金利差を解消させるかしか手は無いのだから、お先は真っ暗だ。
アメリカの政策や統計発表でドルが上下する事は有っても、ドイツやヨーロッパ全体の政策や統計発表でユーロが上下する事は有っても、残念ながら日本の政策や統計発表で円が動く事はあんまりないのが悲しい現実って奴。
基軸通貨の一角とは言っても、それが今の現実だ。

雇用も小売りも設備投資も住宅もまぁまぁ上々なアメリカ経済が急に転ぶ事はあんまり考えられないので、アメリカ経済がズっこける事は早晩には無い。
日銀が本気で介入したら一時的に数円は動くだろうけど、いわゆる行って来いって形に成るんだろうな、ってのが普通の考え方。
ちょっとは動くが、結局は全戻しして円安のトレンドは変わらないよねってのが普通の考え方。
金利は、アメリカは今年は下げないよ、ってかまた上げるかもよ、って言ってるので、金利差を解消するには日本の金利を上げなきゃ成らないのだけれど、ゼロ金利、或いはマイナス金利を長々やってきた割りにコレと言った成果の上がってない現状において、金利を1%くらい上げれるか?ってのはやっぱり難しい判断なんだろうと思う。

1%すら上げれない日本に対して、アメリカはちょい前は0.25%程度の政策金利が今や5.5%。
その差は広がる一方だ。
日本がそんなに上げれないのだからこの金利差を解消するのはアメリカが下げてくれなきゃどうにも成らん訳。
要するに、まぁ要するに、お手上げですわ。

原油価格はともかく、為替は本当にどうにかして欲しいんだけど、どうにも出来ないんだよね、これが。
何処かの国がアメリカにミサイルでも打ち込んだらリスク回避の円買いが進むのだけど、流石にそれはちょっと勘弁して貰いたいな。

いやでも、どうするんだろうね。
どうしようも無いけど、どうするんだろう。

 

補助金と言う名の大金を溶かしても溶かしてもレギュラー200円台は覚悟しなきゃ成らないこの先。
この先、出口の見えないガソリン価格高騰に対抗して補助金を投入し続けるなら、6兆円では済まない額が霧散してしまう恐れも有る。
ガソリン下げたるから税金上げるわ、なんてのは本末転倒なので、これ以上税金や各種社会コストが上がらないように、是非とも関係者の皆様が延々と言い続けてる税金の無駄な支出を無くして適正かつ効率的に使って頂くように頑張って欲しいと思う。
だからと、税金の無駄を無くす為のプロジェクトチームに莫大な予算を注ぎこんで電通に丸投げする事の是非については、私には何とも言えない所なのだけども。

MOTOR CYCLE

Posted by tommy