KTMのアイデンティティ

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良く言えば色々な事が出来、そしてそれを高い次元で行ってきた日本メーカー。
悪く言えば、確固とした特色が無いとも言える。
ヤマハと言えば○○
ホンダと言えば■■
って特色はいまいち無い。
カワサキは黄緑ってくらいなものか。

50ccのスクーターから、300km/hオーバーのモンスターまで幅広いラインナップの各社。
カワサキは自社ではスクーターは作ってないが、それでも重厚かつ重工なイメージから程遠いバイクも多く作ってきたのは確かだ。
何もカワサキだからとゴツゴツしたバイクばかりではない。

エンジン形式からフレームのデザインから、あらゆる物を作ってきた日本メーカー。
特にホンダは、V2からV4、2ストV3なんてエンジンも有ったり、直列6気筒から縦置きVツインから水平対抗6気筒から...
勿論一般的な単気筒や2気筒に4気筒の他、レース専用としてV型5気筒なんてのも作ったりとか。
そしてその多くがどれも高性能なエンジンを作ってきた実績が有る。

幅広い製品を高いレベルで作れるには、並大抵の技術力では無い。
世界中見回しても、日本メーカーに匹敵するバリエーションのバイクを作れるメーカーは無い。

多分その気に成れば直列3気筒だって普通に作れるだろう。
普通のバイクは2気筒で十分じゃないっすかね?な判断してるホンダが3気筒をわざわざ作るかどうかはともかく。

トライアンフの3気筒
BMWの水平対抗2気筒
ドゥカティのL型
ハーレーのVツイン

BMWに直4が有ったりトラに2気筒が有ったりはするけど、基本的には各メーカーの特徴と言うのか、アイデンティティってのが有る。
各メーカーの頑固一徹なこだわりって奴が。
一つに固執する強いこだわりって奴が。
日本以外はみんなそうとは言わないけど、そんなメーカーは結構多い。

それが良い事なのか、どうなのか、余計なお世話なのかはアレだけど。
ん、まぁ余計なお世話って奴か。

で、KTM。
KTMのアイデンティティと言えば
一つが頑ななまでにオレンジ色。
時折オレンジ以外のバイクも有るけど、探したらちょっとだけオレンジ成分はどこかに入ってたりするこだわり。
探せば大体何処かに入ってる。
オレンジには、最早執念とも思える程の思い入れがあるのだ。
カワサキのそれを遥かに上回る程に。

そしてもう一つがトレリスフレーム。
昔はトラスフレームって呼ばれてたけど、今は一般的にはトレリスフレームと呼ばれる。

DUCATIを始め、VTRやTL、アプリリアのドルソデューロなんかでお馴染みのこのフレームは、V型エンジン用のフレームなイメージが有るけれど勿論そんな事は無い。
随分昔のTRX、そして現在のMVアグスタやニンジャH2で解るように、意外と並列エンジンにも使われる。
理由?
格好イイからじゃないかなぁ。
知らないよ。

0914moto2ktm

先日発表されたKTMのMoto2マシン。
昨今ノリノリのKTMが、MotoGPマシンと共に来期よりMoto2クラスに投入するニューマシン。
なお、ニューマシンと言っても勿論エンジンはCBR600RRベース。
KTM的には、ホンダのエンジン載せるのは思う所も多々有るだろうけど、レギュレーションだから仕方無い話だ。

MotoGPのテスト機にしてもこれにしても、意外とこの黒白レッドブルが格好イイので、何時ものカラーに塗られるのはちょっと惜しい気がしないでも無い。

フレームはKTMのアイデンティティで有るトレリスフレーム。
Moto3もMotoGPも同じ、勿論このMoto2マシンでもこのフレームだ。
今更アルミツインスパーなんて選択は無い。
今の所は。
そう、今の所はね。

ストイックにトレリスフレームにこだわってきたドゥカティは、GP8だったかその辺りで革新的なデザインの妙なデザインのカーボンフレーム化し、そして紆余曲折の末に現在は割と一般的なアルミツインスパー。
あれこれ手を出したけれど結局はみんなと一緒が良かったみたい。

まぁ解らなくは無い話では有る。
私も、覚えたて期間を過ぎた頃には色んな事をしたもんだ。
特に何をどうしたかってのは書かないけど、ともかく結構色んな事をしたもんだ。
でも、結局は次第にノーマルに、普通に収束していくものなんだね。
何が普通かってのは難しいけど、ともかくまぁ何だ、普通が結局一番だよねってこった。

ただ、あの奇妙なフレームはパニガーレへフィードバックされたので無駄にはなってない。
ドゥカティの執念の結晶だ。
当初は苦労してたっぽいけど、今やSBKで優勝できるくらいに完成度も非常に高まったのだ。
せっかく開発したのに捨てたら勿体無いものね。
良くあんなフレームのバイクを上手いこと作れたもんだと思う。

Moto3クラスでは2012年、2013年の年間王者。
そして2012年、2013年、2014年のマニファクチャラーズタイトルを取ったKTM。
Moto3では最強クラスと言って過言でない実績。
鋼管トレリスフレームに絶対の信頼を抱くのも良く解る。
GPでは主流とは言いがたい鋼管トレリスフレームに、絶対の信頼を抱くのも良く解る。

ただ、それがMoto2、MotoGPクラスで通用するのかどうかは未知数。
そんなもんだろう??

今後、この鋼管トレリスフレームがMoto2でもMotoGPクラスでも結果を残すのか?
或いは結局はKTMもアイデンティティを捨て去り、一般的なアルミツインスパーへとシフトするのだろうか?

それは来期以降の結果を楽しみにしたい。
そして来期Moto2にステップアップするブラッドビンダーの来期についてもまた。

デビューマシンを駆るデビューイヤーで有りながら、我らの中上貴晶に戦いを挑むのか?
それともMoto2は甘く無いぜとばかりに、そう言えば去年のMoto3チャンプだったよなぁって扱いのダニーケントみたいに、そう言えば的扱いされるのだろうか?
それは何とも良く解らない所だけど、ただ言える事は有る。
格好イイよね。
と、それだけは言い切れる。

MOTOR CYCLE

Posted by tommy