スタートが大事だ、スタートが

あと10日程に迫ったMotoGP 2020年最初のイベント。
マレーシアのセパンでのシェイクダウンテスト。
日程は2月1日~2月4日まで。

 

コンセッション(優遇措置)の為、アプリリアとKTMはレギュラーライダーの参加が可能。
KTMはエスパルポルとブラッド・ビンダー、アプリリアはエスパルお兄ちゃんとスミス氏。
他のチームが参加するなら、各メーカーのテストライダーがその任を負う。

特に今回オールニューエンジンを投入するアプリリアには非常に重要なテストと成る。
スタートが大事なのに、遅れに遅れて本来投入予定だった昨年のテストには間に合わなかったので、このセパンこそは完璧なスタートを切りたい。
イタリア人の本気を見せてやって欲しい。
イタリア人だってヤル時はちゃんとスケジュール通りにヤルんだよって事を。
真面目に仕事してちゃんと大事なスタートに間に合わせるんだよって事を。

もっとも、この非常に大事なスタートに、非常に大事なイアンノーネが不在なのは、スタート以前の話だったりするんだけどね。

 

ホンダのステファン・ブラドルは走る。
アプリリアは、ビアッジは流石にやっぱ無さそう。
ヤマハのロレンソは....どうだろうね。

 

なお、GP開催数増加による公式テスト減少が理由で、今年からルーキーライダーのシェイクダウンテストの参加が可能と成る。
もっとも、KTMのビンダーとテック3のレクオナにはそもそもその資格が有るので、アレックス・マルケスがこれに参加出来るよって事だ。

アレックスに取っては重要なスタートと成る。
晴れてレプソルホンダ仕様のスーツで走るだろう、記念すべきスタートと成る。

 

続いて同じくセパンでは、2月7日から2月9日までオフィシャルテストが行われる。
こちらはレギュラーライダーみんな参加の公式テスト。

ヤマハが遂にホールショットデバイスを投入するって噂が有るので、このテストでお披露目と成るっぽい。
ただ、走行練習以上にスタート練習は難しいので、何処で見れるかは少々不透明。
駐車場で練習する訳にも行かないので意外とスタート練習って難しい。
スタートが大事なんだけどこれが中々難しい。

ちなみに現在ホールショットデバイスを実践投入してるのはドゥカティとアプリリア。
アプリリアはモトクロスでもお馴染みのフロントフォークを沈めた状態でロックするタイプ。
ドゥカティは逆にリアショックを縮めた状態でロックするタイプ。
求める結果は同じなのにやってる事は真逆なのが面白い。

余り妙な事に手を出さないヤマハは、普通にアプリリアタイプかなぁ、って思うけれど、さてどうだろう。
でもともかく、これが成功したら、ビニャーレスに取って大きな助けに成ると思う。
2020年は、シグナルブルーの瞬間に飲み込まれる、あの困った状況から抜け出せるかも知れない。

齢16にしてパリスヒルトンを知ったビニャーレスにも苦手なモノは有る。
それがスタート。
シグナルブルーと共にどっかに飲み込まれてしまうのが大きな問題だった。

スタート以外は本当に素晴らしいのにね。
プラクティスも、予選も、レース中の走りも。
スタート以外は本当に。
スタート以外は本当にね。

ちゃんと機能したら大きな助けと成りそう。
マルケスにコテンパンな現状を打破する大きな助けと成りそう。
ヤマハフアンの皆様は大いに期待しよう。

 

スタートした瞬間にどっかに消え去ってしまうビニャーレスは困った話だけど、スタートすら出来ない程に超困った状況なのはご存知イアンノーネ。
ドーピングテストに引っかかったイアンノーネ。
結論はまだ出てないものの、2月のシェイクダウンテストと公式テストは参加不可能。
不可能、と言うかシェイクダウンテスト真っ最中の2月4日に公聴会が開かれるので、そっちに出席しなきゃ成らない。

ここで、食肉汚染が原因での事故だって事を主張する。
わざとじゃないよ、事故なのよと。

検出されたドロスタノロンは、1ミリリットルあたり1.150ナノグラムだったそうで、実際の所はきっと事故なんだろうとは思う。
グラムに換算したら0.000000115g。
コップ一杯満タン波々と検尿(200ml)しても、0.000023gしか含まれない量。
良くそんな微量を調べれたもんだ。

やっぱ事故なんだろうと思う。
そんな微量、しかもボディビルダーが使うようなステロイドを摂取した所で何の意味もないしね。

ただ、ドーピング違反の場合、それが事故だから何ですか?
って話なので、事故だろうと仮にドリンクに混入されてようとダメな物はダメだと、そう断罪される場合が多い。
ロジカルな話が出来ないお母さんみたいに、ダメなものはダメよと無慈悲に断罪される場合が多い。

したがって、明らかな故意の場合とは比較にならないけれど、それでも一度ドーピングに引っかかるとそう簡単に無罪放免とは行かないのが常。
フルームは無罪放免と成ったけど。
MotoGPの場合は前例が無いので何とも言えないんだけどね。

記憶に新しいアンソニー・ウエストのドーピング違反は、知らずに飲んでたサプリメントが原因。
結果的にGPからはドロップアウトしてしまったのだが、今回は事情が異なるし、何よりライダーとしての格も異なるので判断がちょっと難しい。

正直、アンソニー・ウエストとイアンノーネでは影響はちょっと差が有るので、そう簡単に結論出すのも難しいかも。
生涯2勝(GP250、Moto2)の人と、MotoGPファクトリーライダー(実質ファクトリーライダー)とは同じ扱い出来ないのは紛れも無い現実なのだから。

裁量は全てにおいて公平で有るべきだけど、確かに有るべきなんだけどね。
そうは、言っても、中々ねぇ。
特に興行で有るMotoGPは、そう簡単には中々ねぇ。
ルールは厳格で公正で公平で有るべきだけど、最終的な裁定は色んな思惑を抱えた人間がやる事なのでそう簡単に結論出すのには中々難しい。

 

もし本当に牛肉による汚染が原因ならば今後にもきっと起こりえる事象。
なんせ2年間出場停止とジロの優勝記録が剥奪された世界屈指のサイクルロードレーサーのコンタドールはスペイン産の牛肉が原因だったって結論されたのだから。
スペイン人ライダーの身にも、食肉が原因のドーピング違反なんて何時起こりえるか解ったものじゃない。
スペインの無敵無敗の絶対王者とて、明日はわが身なのだから。
流石にナノグラムオーダーの話をされたら避けるのが難しいな。

 

今回のイアンノーネはどう裁定されるか?
今後にも影響しそうな大きな前例と成る今回の事象、どんな裁定が下されるのか?
大事な前例と成る今回の騒動はどんな決着を迎えるのか?
MotoGPでのアンチドーピングの大事なスタートとも成る今回の騒動、どんな決着を迎えるのか?

どのみち開幕までには確実に結論出されるので、それまでもうちょいお待ちをって事で。

 

MOTOR CYCLE

Posted by tommy