トレンドに抗え

トレンドは太め。
眉毛の話でもジーンズの話でも無く、自転車のタイヤの話だ。

昨今の27.5インチのMTB界隈では、27.5 x 2.35、27.5 x 2.4、時に27.5×2.60なんてスーパーカブよりちょい太いサイズも有る。
29インチはもうちょい細目かな。
26インチはきっともう山では絶滅してると思う。
Vブレーキと共にMTBの世界からはどっか行っちゃった。

これはロードでも同じく、昨今は太めがトレンド。
競輪ではレギュレーション上ソーヨーのゴールドスター22mmってのを使ったりするけれど、一般公道で行われるロードレースは太めがトレンド。
現代の基本は25c。
場合によっては28cや30cなんてクロスバイクみたいなサイズを使う場合も有るけれど、20cなんてタイヤは今やあり得ない選択。

ともかく、ちょい前までのスタンダードだった23cは、真っ当なブランドの完成車ではほぼ絶滅状態。
探せば2019年モデルの完成車でも23cを履かせてるバイクも有るかも知れないけれども、それでもリプレイスホイールはワイドリムが主流なので、どの道ホイールを換えたら25cを履かねば成らない運命。
トレンドには逆らえない。

そんな訳で、今は太めで空気圧はちょい低めがトレンド。
細くてカッチカチに堅いのがトレンドだったのは今や昔で、ちょっと太くてちょっと柔らかいのがトレンドだ。
アレの話じゃ無くて。
アレって?
ああ、ラーメンの麺の話じゃ無くて、昨今のロード用タイヤはちょっと太くてちょっと柔らかいのがトレンドなのだ。

 

ただ難点は、25cなんて考えてない時代のフレームには合わないって事。
80~90年代のリッターバイクに180を履かせようと思ってもスイングアームに擦ってしまうのと同じく、23cがジャスティスだった時代のフレームに25cを履かせたらパッツンパッツンに成っちゃう。
下手すりゃカーボンフレームを削ってしまう位に。

 

ミシュランの25c。
もうパッツパツですわ。
フレームとのクリアランスはほぼ無いので、小石一つでフレームに傷が入ってしまう。
そして何より、エアをスコスコに成るまで抜かないとフレームに引っかかってタイヤを着脱出来ないと言うドン臭い仕様と成る。
とてもドン臭い。

 

一方こちらはコンチネンタルの23c。
流石は純正サイズ。
圧倒的な適性感。
勿論、クイック緩めるだけで当たり前のように普通に着脱出来る。
それが当たり前だけど、当たり前って素晴らしいね。

 

と言う訳で、イイ年して若ぶった所で痛々しいのと同じく、古いフレームなのに今時っぽく25cを履いても擦るだけなので、素直に23c履いておくのが良さそうだね。
トレンドに抗い、乗り心地は堅いけれど、ちょっと軽いのでやっぱコッチの方が良さそうだ。
まぁ民間人が乗った所でタイヤの太さなんて大差無いんだけど、少なくとも擦らない、ってただそれだけで十分だと思う。
ん、それだけで十分だ。

Bicycle

Posted by tommy