デロリアンはステンレス

デロリアンの映画をするらしい。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作で使われ、有名になった車“デロリアン(DMC-12)”開発の裏側を描いた映画『Driven(原題)』が、『ジョン・デロリアン』の邦題で12月7日に日本公開されることが決定した。  近未来的なオールステンレススチール・ボディに象徴的なガルウイングドアを搭載…

と言う訳で、本日は3年前に書いた記事の再放送をお送りしようと思う。
手抜き?
いやいや。

『鉄の柵を壊したから助けてくれないか、熔接してちゃっちゃっと直してくれないか』

と、前住んでた家のご近所さんから、そんな連絡が入った。
あ、3年前の話ね。

ともかく、そんな連絡が入った。
鉄の柵を直してくれと。
別に町の便利屋さんをやってる訳じゃ無いので、直してくれと言われても困ってしまうんだけども。

世の中には、自分で下水工事を行う人(要資格:排水設備工事責任技術者)も居れば、テレビの設置はおろかリモコンの電池交換すらあやふやな人も居る。
大阪の人間は全員タコ焼きを丸められる訳でも無いし、遥か遡って縄文人だからと全員が土器作れる訳でも無い。
人には出来る事も有れば出来ない事も有る物。
アナタに出来る事が他の誰かが出来ない事も有れば、他の誰かが出来る事がアナタには出来ない事も有る。
自分で何でも出来るに越した事無いけど、人には限界も有れば向き不向きも有るので仕方無い。
私も、三本ローラーに乗りながらボトルが取れないけど、まぁそんな事も有るさと言う事で。
バク転も生涯無理だと思う。

ちなみにこの連絡してきた人は、特に熔接もロボット制御も直4エンジンの組み立てやマグロ解体も出来ないが、ピアノはとても上手いと言う私に持ち合わせて無い大きな特技を持つ。
前にも家を壊した事有るくらい車庫入れはアレだけど。
確か車庫のゲートのヒンジを曲げたか何かで、鉄のアングルを切った貼ったして直したような記憶が有るくらい。

単なるそこらの民間人に出来る事なんてたかが知れてるのだけど、どんなもんかとちょっと見に行ってみた。
その、壊したと言う鉄柵とやらを。
サツマイモくれるって言うし。
うどんのお土産も渡したかったし。

世の中の、特に有る一定の年代以上の方の場合、ポータブルオーディオプレイヤーを全てウォークマンと呼ぶ人が居て、覆面レスラーをデストロイヤーと呼んで、コロコロした赤ちゃんを朝潮と呼ぶ人が居る。
そんな傾向が散見される。

と同様に、金属を全て鉄、特に関西の一定の年代以上の方は”カネ”と呼称される場合が有る。
なんでも鉄、何でもカネ。
SUS303とSUS304はおろか、アルミだろうがチタンだろうが構いやしない。
全部鉄だ。
この世の金属は全部鉄。
何もかも、金属なら全て鉄で構いやしない。

もっとも、そんな私とてパナソニックだろうがお構いなしにウォシュレット呼ばわりしてるので、本質的には大して変わらない、と言えば変わらないのだけどね。
でも、ビューティートワレやシャワンザっていちいち言うのもいまいち伝わり難いので、この先もウォシュレットで突き通そうかと思う。
外で温水洗浄便座の話題を語り合う機会なんてそうそう無いのだけど。
パナソニックのはピンポイントで狙いつけてくるからとても頼もしいとか、そんな事を深夜のファミレスで熱く語り明かす機会なんてそうそう無いのだけど。

金属=全て鉄。
だから、壊れたからと前直した車庫のゲートのヒンジのように、鉄だから熔接して修理してくれと言う発想に繋がるのだろうが、流石にこれは無理だ。
どんな熔接職人を持ってしてもちょっと無理だ。

sussund2
http://www.nikkal.net/archives/2009/10/post-51.html

↑こんな奴。

壊れたのはポリエチレンをステンレス薄板でサンドイッチした複合材。
キッチンとダイニングのパーテーション(間仕切り)に使ってた板。
小さい会社の応接室っぽい所に良く置いてるこんな奴↓
alfapanel02

これを鉄柵と表現するのは、少々の疑問が生じるが、まあそれは言うまい。
ゼファー1100だろうとZZR1100だとうと、何だろうが大きなバイクは未だナナハン扱いされるこの世の中。
センヒャクて書いてるでしょうが!
と、田中邦衛っぽく怒った所で仕方無いので、世の中そんなもんさと割り切る事も、適当にスルーする事も必要なのだ。

で、この自称鉄柵とやらのこのステンレス複合板が、何かの拍子に折れ曲がったとか。
これを溶接しろだなんて、そりゃ無茶にも程が有る。
そんな事言われてもなぁ。

別にステンレス複合板と言う訳では無いのだが、実はデロリアンってボディ自体はFRPで、その上にプレス成形したステンレスのパネルを被せてると知った時は、ちょっと驚いたもんだ。

dmc1

こんな形の鉄のフレーム。
ロータスの影響が色濃いだけ有って、この辺もかなりロータスっぽい。

dmc2

バックボーンフレームにこんなFRP製のボディを載せて

s_dero3

ステンレスで成形した外装パネルを貼る、と言う手の込んだ作り。
だから別にステンレス製のモノコックボディでは無い。
要するにスチールフレームのFRPボディの車に薄いステンレス板を貼り付けてるって言っても大きな間違いではない。

FRPのボディで安全性は大丈夫なんだろうか?と疑問も浮かぶかも知れないけれど、ロータスヨーロッパにしてもエランにしてもボディはFRPなので、意外とどうと言う事は無いみたい。
燃えない限りは。
もっとも、ロータスヨーロッパは勿論、このデロリアンがこのまま今の安全基準に通るかってのは、また別の話だけど。
ん、多分無理だと思う。

なお、実は現在もDeLorean Motor Companyは形は変えつつ存続してるので、これらのボディパネルも今も概ね新品で入手可能だったりする。
クォーターパネル1枚で1250ドルもするけど、無塗装のステンレスボディにこだわるなら凹んだからとパテ盛ってサフ塗ってって訳には行かないので、ボディパネルが手に入るだけでも御の字なんだろうね。

PRVエンジン(プジョー、ルノー、ボルボの共同開発エンジン)のパーツも問題アリだが、ステンレスボディパネルは他に換えがきかないので、手に入るだけでも御の字なんだろう。
テキサスからの送料合わせたらちょい高いのは仕方無い。

ただ何時まで手に入るかなんて解らないので、デロリアンをお持ちの方は凹ませないように重々ご注意を。
まぁ、多分ここをご覧の方の中には居ないとは思うけど。

でも意外と色塗った(ラッピングも含む)デロリアンも多く存在するので、ストイックなまでに激しい拘りを魅せるデロリアンの世界なようでも意外と寛容みたい。
デロリアンが欲しいけど、ボディの修理に不安を感じる方も安心して欲しい。
別に赤く塗っても誰もコソコソ言ったりしないから安心して欲しい。
ペドロサレプリカ被ってR1乗った時と同じく、誰も何も思わないから安心して欲しい。

なお、壊れた鉄柵=要するにステンレス複合板で出来たパーテーションは、同じようなパネルがお求め易い価格で手に入ったので、届き次第ちゃっちゃっと簡単に直りそう。
溶接は無理だけどカッターナイフで切れると思うし。
デロリアンじゃなくて良かったなと、つくづく思うばかりだね。

それならそれで、デロリアンの修理する機会にめぐり合えたらそれはそれでとても気の効いたネタと成るのだが、恐らく一生無いと思うな。
まぁ、実際に凹んだデロリアン直せと言われても困ってしまうんだけど。
そんな無茶言われても。
アルミの鍋くらいなら直せるけど、デロリアンは流石に困ってしまうわ。

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