客観視
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スズキとヒラスズキとの違い。
大きな特徴が、その名前が示す通り体が平べったい、正しくは体高が高いと言う事。
外洋に面した磯を主な生息地としているヒラスズキは、その荒れた海にも負けない遊泳力が必要なのだ。
この体高は、筋肉量の増加は進化の結果。
良く見ると尻尾の形状も違う。
これも進化の結果、傾向的に比較的穏やかな海に生息するスズキとの進化の違いが現れた点だろう。
より荒海に特化した進化の結果がこの尻尾の形状なので有ろう。
勿論、生息域に関してはあくまで傾向。
外洋に面した磯にもスズキは居るし、港湾の河口部にもヒラスズキは居るのだから。
あくまで傾向。
魚なんか何処だって行くさ。
私だって、近所のダイソーから元町のディオールまで行くのだから。
ちなみに肉質もなんとなく違う。
ややピンク掛かった身のスズキに対し、ヒラスズキはより白さと透明感が際立つ。
凄く見難いけど、上がスズキで下がヒラスズキ。
食べても良く解らないけど、見た目は明らかに違う。
魚の価値。
なんて言われても、当の魚からしたら困ってしまうだろう。
だが、人間からしたら価値の高低は確かに存在する。
寿司一貫当たりの値段にも現れるし、スーパーで売られる切り身一切れでも値段差は有る。
もっと言えば、熱帯魚売り場で売られる値段にも大きな差が有る。
アジアアロワナと、その餌と成る金魚とでは、同じ一匹の魚と言っても大きな格差が存在する。
それはスズキとて同じ。
当のスズキからしたら、自分が普通のスズキだろうとヒラスズキだろうとタイリクスズキだろうと知った事では無いのだが、釣り人からしたらそれは幾らか、或いは大きな差が生じるのだ。
そうじゃなきゃ、わざわざスズキ釣りにこの世の果てと言っても過言じゃ無い程に遠い遠い所まで何時間も高速乗って出かけたりしないのだから。
でも当のスズキは、自分が何スズキかは恐らく理解してないだろう。
自分がヒラスズキだからと偉そうに振舞う訳でも、本来は養殖の為に国外より連れて来られた事が起源のタイリクスズキだからと謝罪と賠償と謝罪と賠償と賠償と謝罪と賠償と謝罪と賠償を求めたりはしない。
特に自分が何者であるかなんて気にはしてないだろうし、自分の事を客観的に見れない以上自分が何者で有るかなんて自覚する事は不可能だ。
自分の体高が高いのか、それほどでも無いのか？
尻尾は尖がってるのか、意外とそうでもないのか？
体に点々が着いてるのか、ついてないのか？
そして自分の身が透き通るような白身なのか、ちょっとピンク掛かってるのか？
それらを自覚出来ないスズキは、自分がヒラかタイリクか普通の所謂マルスズキか、なんて理解は出来ないのだ。
と、本当にとても長い前振りを経て、車のテールランプをLEDに替えてみた話を書くのだけども、一体私は何の為にわざわざテールランプなんぞ交換したのだろうかと、自問自答してる今現在だったりする。
全く自分じゃ見えないの。
当たり前だけど、本当に全く見えない。
走ってる時は勿論、家に停まってる時も全然。
折角変えたのに全く自覚出来ない。
テールランプがLED化した事なんて全く、一切、微塵も。
ヒラスズキなら、ハッキリとは解らないまでもなんとなく感覚的に自分のボディスタイルを感じ取れるかも知れない。
あれ？なんかオレって河口に居た奴らよりも平べったいわって。
エレキングだって、なんか着いてるアンテナの存在を自覚出来るかも知れない。
ギロンだって、頭の先っちょに包丁着いてるわって、客観視までは出来ないにせよ、何となく自覚出来る事だろう。
でもテールランプは本当に何も無い。
もうね、何だろう、あの虚無感は。
次、自分の車のテールライトを見るのは何時の事だろうかと思う。
ちなみに我が家の駐車スペースは、後方は壁ギリギリなので通常はテールランプなんて見えなかったりする。
テールゲートも開かないくらいにギリギリ。
お陰でライトの球切れチェックに関しては解り易いと言えば解り易いのだけども、お陰でテールライトを見る機会なんて殆ど無い。
まぁ、工賃込みで数千円で替えて貰った中古パーツなので別に構わないんだけど、本来新品買ったら7万円ほどするのだよって話を聞かされた私は、ちょっと尻に涼しい物を感じるのだった。
いやぁ、尻のドレスアップにご苦労なこった。
LEDにしたからと雌は寄って来ないと思うけれども。
ともかく、特に用事も理由も意味も無く高級なテールランプに交換されてしまった我が家のインドさん。
車庫入れ失敗したらえらい事なので、割らないように注意しようと思う。
高級テールランプを割らないよう、重々注意しようかと思う。
たとえ、この先ほぼ見ることが無いランプと言えども。