王様のバカ！
この前ちょろっと書いた、YZ250Fを売却した人。
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実はこの人、以前はCR250と言う凶悪なバイクをパンパラ言わせて走ってた猛者。
まさに猛々しい者。
あの怪物を平気な顔して振り回してたんだから、民間人とは言え大した者だ。
もっとも、周囲にはIAなんて言う立派な肩書きを持ってる人も居るので、彼ら天界の者からしたら地べたを這いずる有象無象なのだけども。
でも2スト250を平気な顔して乗り回すって大したもんだと思う。
調子乗ってYZ250なんか買って、本当の意味合いで天界にイってしまいそうに成った私は心よりそう思う。
なんか花畑の向こうに川が見えた気がしたんだ。
アレは利根川？それとも三途の．．．．
ともかく、そんなCR250に乗ってたこの人なのだけども、子供が出来たらモトクロスはやっぱり足が遠のくのも仕方無いのかも知れない。
バイク自体は普通に乗ってるものの、モトクロスと成るとやっぱり二の足を踏んでしまうとか。
それが守るべき家族を持った男の宿命なのだろう。
お父さん、頑張って仕事して稼がにゃ成らんもんね。
モトクロスして怪我してる場合じゃ無い。
だからその選択には私は敬意を表する。
でも、子供も大きく成って、有る程度の学費もプール出来たら、お父さんもそろそろ遅ればせながら男へと、猛者へと帰る日がやって来るのだ。
と言う訳で、私のYZ250Fを購入する運びと成ったのだけども、若干の懸念材料はそのお値段。
勿論、知り合い間での個人売買なので、別に市場価格で販売する訳じゃ無い。
特に儲けようと思ったりはしてない。
私はマイクでもリチャードでも、ましてやマリオでも無いのだから。
でも同時に、ローンは効かないのだ。
ニコニコ一括払い。
それが鉄の掟。
まぁ、別に50万円も60万円もする訳では無いので、そう大した額では無いとは言っても、随分久しぶりにモトクロスするので色々物要りな訳だ。
ブーツからウエアからブレストガードから、まぁ何だかんだと。
それに、一回走りに行くだけでも絶対に金は掛かる。
数千円の走行料金に、ガスにオイルにプラグにエアクリにタイヤに．．．
何かと金掛かる遊びだ。
モトクロスって奴は。
だから、バイクはちょっとでも安く買い求めたいのは隠しようも無い事実。
私としても、それは重々理解してるけど、それとこれとは話は別なので、まけてなんかやらないよ。
ああ、それとこれとは話は別だ。
そんなある日の事、彼の奥さんから有る情報がもたらされたのだ。
なんでも、奥さんのお姉さんの旦那さんの実家の倉庫に、パパ（この人）の前に乗ってたのと同じバイクが有るんだって。
もう誰も乗らないから、欲しいんんだったらタダであげるって。
倉庫に保管してたから、そんなに酷い状態でもないんだって。
そんな情報がもたらされた。
ちょっと悩んだね。
タダって所に多いに悩んだね。
でも、このパパ．．．どう見てもパパって顔じゃ無いんだけど、まぁともかくこのパパの乗ってたのは随分前のCR250。
それと同じかどうかは解らないけど、CR250に今更ってのはどうなんだろうと。
あまりイイ顔はされないかも知れない。
特に騒音問題を抱えてるコースならば尚更。
測定した数値以上に、頭に来る音してるもんなぁ。
２ストって。
でも選択としては悪く無いと思う。
私は遠慮しておくけど、ちゃんと乗れるテクを持ってるなら２スト250ccは素晴らしい選択だと言えよう。
しかもタダ。
気前良くタダでくれるってんなら悪く無いと思うな。
棒きれ一本で魔王倒してこいって無茶な事言うどこぞの王様なんかより遥かに気前良い話だ。
ちょっとは見習えよ、王様さんよぉ。
と言う訳で、その倉庫に置いてると言うCR250を見に行ったら、実はそれはCRでは無くてTW200だと言う、なんか全然違うバイクで肩を落として毛根の25％程にも深刻なダメージを負うのだった。
高速乗って何時間も掛けて行った結果がTWか？
．．．．TWって．．．．
ん、まぁ奥さん的には、TWもCR250も同じバイクなんだろうと思う。
だから、わざわざ買わなくても有るからイイじゃんかって思ったんだろうと思う。
バイクなんて区別着かないから、何だってイイじゃんかって、そう考えたんだろうと思う。
でも余りに悲劇だ。
TWでモトクロスやれ！ってのは余りに酷な話だ。
お玉と鍋の蓋やるから魔王倒してこい！って言う王様くらいに酷な話だ。
余りに残酷すぎる。
お玉で王様をシバいてやりたい気分だ。
お前が行け！
と。
と言う訳で、これ以上追い詰めたら毛根が絶滅しかねないので、大学入試を控えた息子を持つお父さんの小遣いでも無理なく買える値段にサービスしておいた。
気が向いて、もし私がちょろっと乗りたくなったらちょっと貸してね
と、そう言う約束で。
乗りたく成るかは、どうだろうね。
それに今や、TT-R125から始めた方が良さそうな気がしないでも無いような。