川崎重工にとって二輪車事業は趣味でやってるだけ....な訳は無い

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https://www.sankei.com/economy/news/181030/ecn1810300039-n1.html

川崎重工が鉄道車両からの撤退を考えてるとか。
アメリカロングアイランド鉄道向け車両案件で大きな損失を負ったとかって。

 

川崎重工の鉄道車両と言えば、新幹線から多くの在来線まで、下手こいた海外も含めて非常に手広くやっている。
http://www.khi.co.jp/mobility/rail/

日本車輌製造・日立製作所・川崎重工業の日本の鉄道車両事業のトップ3。
その川崎重工が撤退ってのは非常に影響が大きい。

 

日本の鉄道車両業界に取って、非常に大きな存在で有る川崎重工。
じゃぁ、その川崎重工に取って、その鉄道車両はどの程度のウエイトを占めてるのか、そして航空宇宙開発は、勿論モーターサイクルは川崎重工に取ってどんな存在なのか?
それは以下の通り。

 

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2018年第2四半期連結累計期間の連結セグメント別業績の概要

1101kawaskai1

https://www.khi.co.jp/ir/library/financial_results/index.html

 

川崎重工に取って船舶や鉄道が事業の柱。
モーターサイクルなんてただのおまけ、趣味の一環だと思ってる人も居るかも知れないが、最新の決算短信ではこんな具合。
航空宇宙システム(防需航空機、民需航空機分担製造品、民間向けヘリコプター、誘導機器・宇宙関連機器、航空機用エンジン、航空機用ギアボックス)に次ぐ規模なのが実はモーターサイクル&エンジン事業。
車両(鉄道)が636億円に対し、モーターサイクル&エンジン事業は1369億円と、実は2倍以上の規模だったりする。
船舶と比べて3倍程の事業規模を持つ。
赤字だけど。

ただどのセグメントも昨日仕入れた商品を今日売って売り上げを計上するシンプルな事業では無いので、一概にどっちがどうだと比べるのも難しい話なんだけど。
バイクもそうだけど、船舶や航空機や発電所なんか、投資も受注からの納品も非常にスパンが長いビジネスなのだから、単純に短信で発表された数字だけで比べるのは中々難しい。

それでも言える事は、川崎重工に取ってモーターサイクル事業は決して趣味でやってる訳では無いって事だ。
そりゃそうだ。
血尿出るくらいに本気でやってる。

 

こちらモーターサイクル&エンジン事業の詳細(2018年第1四半期)

1101kawaskai2

https://www.khi.co.jp/ir/financial/business_segment/

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こうしてみると、カワサキはやっぱり先進国二輪車=要するに大型バイクの売り上げが大きいって事はすぐに解る。
安価で小型の新興国向けはイメージどおりにちょい弱い。
そして意外にもUTV(多用途四輪車)とATV、そしてPWC(パーソナルウォータークラフト=要するにジェットスキーのこった)の売り上げも悪く無い。
これこそ趣味でやってるみたいなイメージを持つかも知れないが、決して趣味でやってる訳では無いって事だ。
ジェットスキーやってる人は大体は趣味でやってるけれど、ジェットスキー作ってる人は本気のビジネスとしてやってる。

 

ROICってのは日本語では投下資本利益率と訳される指標。
要するに、幾ら投資して幾らリターンが有ったか、その比率って事。
上にも書いたように、昨日仕入れた商品を今日売る事業形態では無いので、投資とその回収には大きなタイムラグが有る。
従ってこれも私には簡単にあーだこーだとは言えないのだけど、傾向的にここがプラスならモーターサイクル&エンジン事業のビジネスは順調、一方で2017年度の車両事業みたいに▲26.2%ってのはちょいヤバいよねって程度の事は言える。

まぁ私のような民間人にはそれ以上は何も解らないんだけど。
この先業績は、そして株価はどうなるか、なんてのはサッパリ。
それが解れば苦労しないね。
ん、それが解れば苦労なんて。

 

ただ言える事は一つ。
川崎重工は、ロケットのフェアリングもジェットスキーも黄緑のバイクも、全部趣味ではなくビジネスとして本気でやってるって事。
それだけは言い切れる。
鉄道がどうなるのかは、そしてこれからの川崎重工はどうなるのか?
等とそんな難しい事を聞かれても、スマンかったとしか言えないけれど。

 

MOTOR CYCLE

Posted by tommy