Common sense~常識でございます~

先日、友人の錬金術師から相談を受けた。
エンジン直すのにどれくらい掛かるかなと。

直すエンジンはホンダの49ccスクーター。
明らかにパワーダウンしてるエンジンを直したいと、そんな話。

「どうせバラすなら、ボアアップキットでも組み込んで原付二種登録するのはどうだろう?」

私はそんなナイスアイデアを披露してみたのだが、それは即座に却下されたのだ。
結果的には、ボアアップどころかエンジン修理事態が流れちゃったんだけど。

ホンダは、シリンダーとクランクケースが一体型に成ったエンジンを良く使ってる時期が有った。
YZF R6やCBR600RRなんかと同様に。

ボルト数本、ガスケット1枚、パッキン何本か、そんな部品のコストダウンに加えて、行程が減ればその分組み立てコストも下げれる、んじゃ無いかと思う。
思うだけで特に根拠は無いけれど。

ベースガスケットからオイルが滲んでくるセローに乗ってる身からしたら、オイル漏れをシャットアウトしてるこのエンジンはちょっと羨ましい。
ってか、直せよって話か。
そのようだね。

難点はシリンダーだけを交換できないって事。
そもそも50ccのスクーターでそんな事する人は稀なので大したデメリットでも無いんだろうけど、ともかくこのエンジンはシリンダーだけをどうにかしようと思ってもちょっと難しい。
クランクケースは基本的にセットで加工されるので、上半分だけを買ってきて組む、なんて事は、仮に部品は出ても普通はしない。
したがってこのエンジンでは、焼きつき=エンジン丸ごと(クランクケースアッシー)交換に成る。

な訳で、シリンダー単体の部品が無い以上、ボアアップキットなんてのもこの世に存在しないって事だ。
だからボアアップして原付二種登録なんてスマンかったなって話に。
ボーリング加工してスリーブ入れたら可能だけど、それはそれでコストが大変だ。

それが常識。
この手のホンダのエンジンの常識。

じゃぁシリンダーはそのままで、ピストン交換か。
そんな中途半端な修理でどれだけ意味が有るかは難しい話だけど、どうにも成らないんだから仕方無い。

後はヘッド。
バルブ交換して、バルブシートを打ち変えてフェイスカット....はちょっと大変か。

趣味としてエンジンを生き返らせるなら好きなようにすれば良いのだけど、前述したように彼は錬金術師。
ガラクタを仕入れてそれを転売するのが生業の、ちょっぴり怪しい錬金術師。
流石に中古の原チャリに20万円もコスト掛けてられない。
それが自分の趣味なら好きなようにすりゃイイんだけど、ビジネスと成るとちょっとね。
ビジネスの世界は厳しいものなのだよ。

ヘッドを開けたなら、燃焼室に灯油を注いで漏れのチェック。
漏れてたらバルブを外して擦り合わせでお茶を濁すのが関の山かな。
それ以上はコスト的にしんどい。
1万円で仕入れてきたバイクを50万円で転売出来るなら気合も入るんだろうけど、ちゃんと整備してピカピカに磨いても3万円くらいにしか成らないので流石にちょっとね。

だがその案もちょっと難しい。
バルブ交換は勿論、それを外す事さえもちょっと難しいのが現実。

と言うのも、実は4バルブ↓。

「4バルブ特有のスムーズな吹け上がりや加速をお楽しみ下さい!」スマートDIO Z4(4バルブ)ベースのRe-built Engin(中古再生エンジン)のご紹介です ZOOMERの兄弟機種である「スマー…

まさかの4バルブ。

形式はスマート・ディオのAF63E。
現行モデルでは、ジャイロに載ってるTA03Eってのがソレ。
驚きの4バルブ。
38mmのボアなのに4つもバルブ付けちゃった。
凄いエンジンを作ったもんだね。
その昔に組み立てたCBR250Rの48.5mmも大概小さかったけれど、このエンジンはさらに10mmもボアが小さい。
CBRのEXバルブはシメジくらいの大きさだったけれど、このスマート・ディオのバルブはどれくらいだろう?
えのき位?

Dream50のツインカム4バルブは確かに凄いけれど、ピザ屋の配達バイクに4バルブを積むなんて、ホンダも中々に思い切った決断したもんだ。
この調子でCBR250も4気筒にして欲しいなと、そんな声も上がって来るかも来ないかも。
もっとも、現行は2バルブに回帰したので、やっぱ2バルブでイイじゃんって話なんだろうけど。
ホンダとの提携により、VOXに載ってたヤマハの3バルブも消えちゃったし。

問題はコスト。
調べてないので正確な金額は解らないけれど、一般的なエンジンの場合、バルブがIN/1400円、EX/2500円位。
バルブステムシールが500円位。
ざっくりした計算で、仮にバルブ交換すると成れば、ステムシールも合わせて8000円~10000円くらい掛かってしまう。
あっちが透けて見えるくらいに薄い利幅で勝負してる薄氷の錬金術師に取って、このコスト増は如何ともし難い。
2バルブなら単純に部品代は半分になるものね。
ざっくりした計算だけど。
いやぁ、悩ましい話だ。

直して売る。
壊れたまま売る。
分解してバラで売る。

さて、薄氷の錬金術師はどんな選択を取るのか?
その薄い薄い利益をどうやって掴み取るのか?
少なくとも、10万円掛けて直すって選択は成さそうだ。

結局の所、50ccの3バルブも4バルブも日本の常識としては定着しなかった。
そしてシリンダーとクランクケースが一体型のエンジンも、ダンクやタクト、ヤマハのVINOに載ってる現行のAF74Eでは従来どおりのシリンダーは別に組む従来どおりの構造へ回帰してる。
結局、常識としては定着しなかったって事なんだろうね。

常識なんてのは時と共に移ろうものなのだ。
と、随分前からホンダの全てのスクーターが水冷化されてた事をつい最近知った私は思う。
水冷の50ccスクーターなんてBeatくらいしか思い浮かばないクラシカルな感性の私は思う。
常識なんてのは時と共に移ろうものなのだね。
と。

流石にこれから空冷に回帰する事は無いとは思うけれどもさ。
未だ空冷のスズキは?
....さぁ?

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