サンキュー!MVアグスタ

テレビのリモコンの電池交換すらちょっと怪しそうな人も、昨今口揃えて言ってるワード。
PCR!
PCR!
PCR!
PCR!
DVD!
PCR!

 

と、何やら世間はPCRの大合唱。
何時の間にそんな難しい言葉を皆さん覚えたんだろうと、そんな時代遅れな事を思ったのは数ヶ月か前の事。

随分前にケーブルTVの契約を解除して、実は我が家ではもうケーブルTVを見れない。
無いなら無いで割とどうって事も無く時は流れ、有る時ふと思い立った事が有る。
結局、テレビはHDMI2から入力切替してないわって事。
要するにFire TVしか見てないわって事に気付いた我が家は、地上波デジタルとBSの契約も解除した。
屋根に魚の骨みたいなアンテナは立ってないので、これでテレビは見れなく成った訳。

それが結構前の事。
でも結局、無いなら無いでどうって事は無い。
そもそもTVが見れた頃でも小林薫が一人でナレーションしてた時代の美の巨人しか見てなかったし。
結局、要らんわ。

と言う訳で、テレビなんてのは定期的に行ってる病院の待合室かその後の調剤薬局くらいでしか見ないのだけど、その時に改めて知ったのだ。
ああ、PCR!PCR!って、テレビでやってたんだねと。

 

その昔にロボットに関する仕事をしてた時期が有る。
ロボットと言っても、二足歩行したりはしない。
腕すらも無い、ただの右から左、前から後ろって具合に、一方向へしか動かない愛想の無いロボット=直交と呼ばれるロボットがメイン、時折スカラと呼ばれるもうちょっと気の利いたロボット程度。
膝からロケットが発射できるようなロボットはちょっと縁は無かった。

ロボットと言ってもロボット自体を作ってる訳では無く、その周辺機材を作るのがメイン。
高性能多軸溶接ロボットを買ってきても、明日から勝手に溶接してくれる訳じゃ無いからね。
何かと周辺環境を整えてやる必要が有る訳だ。
ターミネーターくらいに優秀なロボットなら、口頭で命じただけでドブ掃除から洗濯物の取り込みまでしてくれるかも知れないけれど、残念ながら現在のテクノロジーはそこまで進んでいない。
だから人間がロボット様にちゃんと働いて頂ける様に、お膳立てしてやる必要が有る訳だ。
直交ロボットなんて、あれだけ有っても何の足しにも成らないからね。
前や後ろへ往復するだけのロボットなんだから、あれだけ有っても何の役にも立たない。
アイアンフィンガー付けたらフロムヘル出来る程度。

で、それに関連してなにやらややこしい機械に関わる事も時に有った。
単なる吸着式パーツフィーダーやベルトコンベアと純水洗浄機な場合も多々有るけれども。もっとややこしい機械に関わる事も。

触れはしないし、特に腕付けたりベルトコンベア付けたりおっぱいにミサイル付けたりもしなかったけれども、有る日の有る案件で出会ったのがそのPCR。
今も何のこっちゃかあんまり解ってないけれど、勿論当時も何の事かは良く解ってなかった。
特に解る必要も無かったし。
別の機械に何かゴソゴソするってのが私の仕事で、単にそこにPCRなんて言う謎の機器が有っただけで。

へーDNAを。
ほへー。
って。

説明受けても結局良く解らなかった苦い思い出。

 

PCR検査とは言うけれど、正しくはPolymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の略。
要するにDNAを増幅=平たく言えば数を増やすって事。
寒天培地で黄色ブドウ球菌を増やすのと、まぁまぁなんとなく似たような考え。
もっとも、このPCRは細菌やウイルスを増やすのではなく、DNAを増やすのだけども。

具体的には、対象と成るDNAにプライマー(短鎖DNA)と酵素を与えて、何かゴニョゴニョしてDNAを増やすんだとか。
その増幅させたDNAを電気泳動なんかで改めて解析するのが旧来のPCR法だったのだが、昨今ではPCR増幅産物のモニタリングと解析が可能なリアルタイムPCRが主流と成りつつ有るらしい。
おっと、それ以上詳しく聞かれても困っちゃうので興味有る人はタカラバイオのウェブサイト辺りで勉強しよう。
ちゃんと詳しく書かれてる。
詳しすぎて何のこっちゃってレベルで。

 

だから何よって話なんだけど

MV AGUSTA DONATES PCR MACHINE FOR QUICK COVID-19 TESTING TO VARESE HOSPITALS

MVアグスタが地元ヴァレーゼの病院にリアルタイムPCR装置(QuantStudioTM 5 Real-Time PCR System)を寄付したよってニュース。

 

勿論の事、現在は生産をストップしてるMVアグスタ。
イタリアの大部分の産業と同じく、現在は活動停止中のMVアグスタ。
そんな自身も明日をも知れない身で有りながら、500万円程の機械を寄付するその心意気には、さすがのベルルスコーニでもグラッツェと言わずに居れない。
ジュゼッペ・コンテがアレな分、頑張ってくださいと私も言わずに居れない。

 

何年か前、約50億円の負債を抱えて倒産したMVアグスタ。
たかだかって額でも無いけれど、でもたかだか50億円の事で倒産しちゃったMVアグスタ。

でも蘇るさ。
MVアグスタは何度でも。
倒産なんて、ちょっと深爪した程度の、ちょっと眉毛剃りを失敗した程度のどうって事無い話さ。
と言う訳でドゥカティやアストンマーチンにも関わってたInvestindustrialやらの力も有り、紆余曲折の末に再び復活したMVアグスタ。

で、今回は.....
流石に400万円のバイクを買う体力は、アフターコロナの世界にはそれほど残ってないので、今回の件でアグスタは何度か目のスマンかったされる可能性も無くは無い....かもね。

でも蘇るさ。
何度目かの倒産でも、何度目かの復活を遂げてくれるさ。
テニスサークルの学生並みに経験豊富なMVアグスタだもの。
何時ものようにまた復活するさ。
多分。

 

実際この先はどうなるか解らない。
何度も荒波を浮いたり沈んだりしながら生き残って来た経験を生かして、意外に上手い事この大波を乗り越えれるかも知れない。
でもやっぱ今回も沈没丸になるかも知れない。

先の事なんて解らないけれど、でも今は言っておきたい。
サンキュー!MVアグスタ。
グラッツェ!MVアグスタ。
ただそれだけを。
だからとブルターレを買って応援する訳にも行かないのは、正直ミ ディスピアーチェな限りな心苦しい話なのだけども。
ああ、スマンかった。

MOTOR CYCLE

Posted by tommy