漏れちゃってもいいさと、ジョージが言ったから
大して広くも無い家で、大して部屋数が多くも無く、そして大して荷物を抱え込んでる訳でも無い。
何かをコレクションしてる訳でも、買い物に依存してる訳でも無い。
かと言って変なライフスタイルに傾倒してる訳でも無いんだけど、ともかく割りと殺風景な家に住んで居る。
単にモノを買って無いだけの事だ。
だから思ってた。
この家なら、2日も有れば大掃除は終わるでしょと。
それから早くも一週間。
未だに終わらないこの大掃除に、私は少々うんざりしている。
爆撃されたかのように散らかり放題な我家に、猛烈にうんざりしてる。
そして思う。
私って、意外と細々した物を一杯持ってたんだねと。
自分では大して荷物を持ってないと思ってたんだけど、安い店で買った安いモノが家に溢れてたもんだと。
ここ最近、ちょっと気に成ってる事が有る。
一向に片付かない部屋の他にも気に成ってる事が有る。
それは、自宅のバイク置き場に落ちてるオイルの染み。
家を建てる際、当初は単なるコンクリートを打つだけを予定してた。
だが、小さな裏庭に素焼きのタイルって言うかレンガって言うか、ともかくそんなのを敷いた勢いそのままに、ついついバイク置き場もそんなお洒落仕様にしてしまったのだ。
蛇口の緩んだお爺ちゃんのように、チビチビとオイルが垂れるセローなんてバイクに乗っておきながら。
前後のタペットカバー、ヘッド横のカムスプロケットカバー、ベースガスケット、スターターモーター、左エンジンカバー、右クラッチカバー。
あらゆる所から容赦なくオイルがチビチビと垂れるセロー。
一箇所直しても、気付いたら別の所から鼻を垂らしてる。
恥ずかしい染みを作るのは必至なので、お陰でセローの下には玄関マットを敷く始末。
折角のお洒落バイク置き場が台無しですわ。
まぁ、ダンボール敷くよりはまだマシかな、とでも思っておく。
R1も、ちょい前まで乗ってたハヤブサもオイル漏れは一切無いのだけど、最近入庫したZZR1400は遂にオイル滲みを発症してしまった模様。
床に落ちてる小さじ一杯のオイル染みがその証拠。
オイルフィルターならキュっと締めれば良いのだけど、ここが緩んでるのは作業者のミス以外の何物でも無いのでちょっと困る。
流石にこれは無いと思う。
簡単に直るけれど、起こる事自体が大問題だ。
可能性が考えられるのはヘッドカバー。
カムカバーとも言うけれど、要するにシリンダーヘッドの上に付いてる蓋の事だ。
ここは、大体は薄っぺらい金属で出来てるので、熱の影響で歪みが出やすくオイルが滲んでしまうのも仕方無いんだろうと思う。
アルミの塊みたいな頑丈な作りにすればその辺は解決するのだろうけど、エンジンの一番上に用事も無いのに重量物を乗せる訳にも行かないので、ここのオイル滲みは内燃機関には何時になっても完全に克服される事は無いのだろうと思う。
と言っても、ヘッドカバーの強度と重量の最適なバランスだったり、或いはガスケットの素材ほ変更で昔に比べると改善はしてるんだろうけどね。
私の乗ってたミニなんてコルクで出来てたからね。
液体ガスケットで貼り付けるタイプのコルクガスケットが。
しかもヘッドもヘッドカバーも気の利いた溝なんて作ってくれてないので、下手たら直ぐにずれると言う非常に厄介な作りだった。
締めるのはボルト2本。
ヘッドカバーはパウンドケーキの型みたいな、ペラペラの鉄板をプレス整形しただけの適当な作り。
中々にシビアな作業が求められる。
ただこれでもちゃんと組んだらタペット調整するサイクルくらいは十分に持つので、液体が助っ人でペタリと貼り付けるコルクガスケットでも大した問題では無いのかも知れない。
そもそもヘッドカバーなんてのは定期的に開けるのが前提で、閉じてる期間だけオイル漏れを防げたらそれで良いって話なんだろう。
20000kmでヘッドカバーからオイルが漏れた、と嘆く前に、20000kmもヘッドカバーを開けてない事を省みる事が重要なのかも知れない。
漏れちゃってもイイさと、逆に考えるのが正解なのかも知れない。
とは言え、ZZRってオイル交換は簡単なんだけど、それ以上の事をすると成るとあの大袈裟なカウルを分解しなきゃ成らない。
80年代のバイクみたいに一度分解したら元通りに組み直すのが困難な時代では無いとは言え、あのカウルは中々に大袈裟なのでまぁまぁ大変。
部屋も片付いてない今は手が一杯一杯なので、取りあえずは玄関マットをもう一枚買っておこうかと思う。
でもこうやって知らない間に荷物が増えていくんだろうね。
安い店で買った安いモノが家に溢れて来るんだろうね。
困ったもんだ。