再びヘルメットの話を蒸し返す
楽天で○○のヘルメット売ってるんだけど、アレってどうなのさ?
って話を頂いたので、それについてちょろっと。
まず第一に断っておくけれど、私は法曹界の人間でも無ければ経済産業省や消費者庁の人間でも無い。
だから、あくまで一般論でしかモノは語れないって事をお断りしておく。
要するに、あんまり詳しい事を聞かれても知らんわって事だ。
消費生活用製品安全法
何度も書いてるけれど、乗車用ヘルメットの販売については、この法律で規制されている。
要するに
このマークが無きゃ特定製品は売っちゃダメって事。
特定製品
- 家庭用の圧力なべ及び圧力がま
内容積が10リットル以下のものであつて、9.8キロパスカル以上のゲージ圧力で使用するように設計したものに限る。
対象となる例:圧力なべ、高圧力になる炊飯器
- 乗車用ヘルメット
自動二輪車又は原動機付自転車乗車用のものに限る。
対象となる例:オートバイ乗車用ヘルメット、原動機付自転車乗車用ヘルメット
- 登山用ロープ
身体確保用のものに限る。
対象となる例:ザイル
- 石油給湯機
灯油の消費量が70キロワット以下のものであつて、熱交換器容量が50リットル以下のものに限る。
- 石油風呂釜
灯油の消費量が39キロワット以下のものに限る。
- 石油ストーブ
灯油の消費量が12キロワット(開放燃焼式のものであつて自然通気形のものにあつては、7キロワット)以下のものに限る。
- 乳幼児用ベッド(特別特定製品)
主として家庭において出生後24月以内の乳幼児の睡眠又は保育に使用することを目的として設計したものに限るものとし、揺動型のものを除く。
対象となる例:ベビーベッド
- 携帯用レーザー応用装置(特別特定製品)
レーザー光(可視光線に限る。)を外部に照射して文字又は図形を表示することを目的として設計したものに限る。
対象となる例:レーザーポインター、レーザー照準器、レーザー光を放出するおもちゃ
- 浴槽用温水循環器(特別特定製品)
主として家庭において使用することを目的として設計したものに限るものとし、水の吸入口と噴出ロとが構造上一体となつているものであつて専ら加熱のために水を循環させるもの及び循環させることができる水の最大の流量が10リットル毎分未満のものを除く。
対象となる例:ジェットバス、24時間風呂
- ライター(特別特定製品)
たばこ以外のものに点火する器具を含み、燃料の容器と構造上一体となつているものであつて当該容器の全部又は一部にプラスチックを用いた家庭用のものに限る。
対象となる例:ライター、多目的ライター(点火棒、ユーティリティライター)
上のマークでは、右の丸形が特定製品に、左の菱形が特別特定製品に貼り付けられる。
ともかく、これらの特定製品を販売する際は、上記PSCマークが無いと販売は許可されない。
罰則
一 第四条第一項又は第五条の規定に違反した者
これが罰則。
一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金、又はこれを併科。
生命に直結する製品を販売するには、それ相応に守らねば成らないルールが有り、それを破るとそれ相応のペナルティを食らう。
結論
楽天の店ってのは、多分あそこだと思う。
FC-MOTOで2万円位で売ってるヘルメットを、宣伝文句もほぼそのまんまコピペして5万円位で売ってる店の事だろうと。
アマゾンのマケプレにも手広く出店してる店。
日本で注文受けたらFC-MOTOに発注して、荷物を受け取ったらそのまんま注文者宅へ送るだけで2万円くらい儲かるのだから、ビジネスとしてはノーリスクでまぁまぁなリターンだとは言える。
無在庫で、FC-MOTOに並んでる分だけアイテム数は増やせれるのだから、もはや他人のふんどし使い放題って感じ。
ふんどしバイキングだ。
毎日2~3件もヘルメットの注文受けたらウッハウハですわ。
ビジネス的にはリスクは限りなく少ないけれど、法的には余りにリスクは高いので、買うのは勝手だけどこの商売はお勧めしないな。
グローブやブーツなら全然オッケーなんだけど、一番売れるだろうヘルメットに関しては手を出すべきではない。
1年位ブチ込まれても全然オッケーさ、なんてダーク街道を生きてる人の場合は....まぁ特に掛ける言葉は持ち合わせて無いんだけど。
あ、買うのは別に勝手なんだけど、どうせその店もFC-MOTOやらで買って転売してるんだから、直接そっちで買った方がイイんじゃ無いかな、とか思う。
ついでに、こんな但し書きをして輸入ヘルメットを売ってる大手ネットショップが有る。
※国の定めた技術上の基準に適合した旨のPSCマークがなく国内安全規格に合致しておりません。
※モトクロスコースなどの専用施設での使用および競技等での使用を前提とし販売しており、一般公道での使用を前提とし販売しているものではございません。
と。
良くある装飾用、競技専用ってアレ。
これについては経済産業省がこんな見解を示している。
公道使用不可として販売される乗車用ヘルメットは、PSCマークの対象外製品とな
るか。
(2)「公道使用不可」として販売される製品は、主に、外観や形状等から見て明らかに
乗車用ヘルメットと異なる製品や、乗車用ヘルメットとしての安全性を満たさな
いが、消費者が乗車用ヘルメットとして誤認するおそれがある製品に表示される
ことが想定される。
(3)他方、DOT規格やECE規格等の国内外の乗車用ヘルメットに係る規格に適合す
るにもかかわらず、単に「公道使用不可」として販売する行為は、悪質な表示違反
が疑われるだけでなく、他の事業者が同一製品にPSCマークを表示して販売す
ることが当然に想定されるため、公平な市場競争の上でも好ましいことではない。
(3)したがって、乗車用ヘルメットについて、「公道使用不可」として販売する事実だ
けをもって、ただちにPSCマークの対象外製品とはしない。
(4)なお、上記の考え方は、「レース競技用」として販売される乗車用ヘルメットも同
様である。特定のレース場で走行することを目的として設計された乗車用ヘルメ
ットであること、かつ、主として一般家庭での使用が見込まれない旨について、客
観的かつ合理的な根拠をお示しいただくことになる。
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/shouan/contents/FAQ20180320.pdf
つまり、他国では規格を通ってる普通のバイク用ヘルメットを、競技専用や装飾用として売るのはダメだよと、経済産業省はハッキリ言ってる。
鎧兜やハロウィンのかぼちゃマスクを装飾用ヘルメットとして売るのは構わないが、他国では普通にバイク用ヘルメットとして売られてる製品を、日本国内で装飾用なんて言ってもそりゃ無理が有る。
そんな詭弁は通じないぜ、って経済産業省はハッキリ言ってる。
そもそもモトクロスヘルメットはまだしも、モジュラーヘルメットを競技専用として売ってる時点で詭弁ですわ。
何の競技専用なんだろうね?
パン食い競争?
海外でもビジネス展開して、一時はMoto2チームのスポンサーに成ってたくらいの大手なんだから、そんなあやふやな事してないで適合性検査を受けて正式に国内販売すりゃイイのに、とは思う。
マケプレの転売屋じゃあるまいし。
なお、これらの競技専用と書かれて売られてるヘルメットは、MFJの支配下に有る競技には多くの場合は出れないので、競技に使う人は競技専用と書かれてないヘルメットを買おう。
なんかややこしいけれどそう言う訳。
http://www.mfj.or.jp/user/contents/motor_sports_info/authorized/kounin_buhin.html
基本的には日本国内の規格を通してないヘルメットはMFJで認可されないので、幾ら世界ではあーだこーだと言っても聞いちゃくれない。
それは海外サイトで買ったヘルメットも同様、たとえMFJで認可されたモデルでも内張りに公認ステッカー貼られないヘルメットは使用できない。
メーカーの国内外は問わないけれど、素直に日本国内正規流通モデルを使おう。
つまり、要するにダメって事。
装飾用と言おうと、競技専用と言おうと、個人輸入のお手伝いと言おうと、何と取り繕おうとダメなモノはダメ。
PSCマークの無い二輪車乗車用ヘルメットは日本国内では売っちゃダメ。
上下の開口の狭い四輪専用ならオッケーだけど、PSCマークの無い二輪車乗車用ヘルメットは日本国内では売っちゃダメ。
これは日本で正規販売されてるAGVやSHARKの同モデルでも同じ。
PSCマークを取得してる日本正規輸入モデルと同じモデルだとしても、並行輸入モデルはPSCマークが貼られてないので販売は違法と成る。
SUOMYで言えば、日本正規モデルのSR-SPORTはオッケーだけど並行輸入モデルのSR-SPORTはNG。
日本正規モデルのSR-SPORTはオッケーだけど、日本正規販売されてないフラッグシップのSR-GP CarbonはNG。
いくらコッチの方が安全性高いんですよと口頭で謳った所でダメなモノはダメ。
もっと言えば、アライだってショウエイだってPSCマークが貼られてなきゃ日本国内では売っちゃダメなのだ。
ただし、買うのも使うのも自由なので、その辺は自分で判断して頂けたら結構かと思う。
私なら、FC-MOTOで買う。
まぁ、RX-7しか被らないのでどっちにしても買わないんだけど。
以上、この同じような話もいい加減くどいのでここらでお終い。